肉そのもののごまかしはできないが、ウィスキーでいう「ブレンド」をすることによって、味を調整し、価格も安く抑えることが可能だ。
穀物をエサにしている味のいいアメリカ産の牛(うまいが高価)の脂身と、牧草を食べさせているオーストラリアやニュージーランドの牛(脂身がちょっと生臭いが安い)の赤身をブレンドして、おいしい味のハンバーグを作る。こんな芸当もマクドナルドのような世界規模のチェーンにとってはたやすいこと。
ともかくハンバーガーのチェーン店の強みは、ピンからキリまである肉の中から、目的に応じて必要なものを選び、それを自由にブレンドできることにある。
家庭ではそうはいかない。それにスーパーで買った挽肉は、ラベルに和牛と書いてあっても、ひょっとするとあらかじめブレンドされている肉かもしれない。なぜなら小売業はそこで儲けていたりするからだ。
何しろ全世界に1万4,000‾5,000の店舗がある。世界中に専用の農場を持っているし、買い付けも自社でやっている。だから、原料を世界中から臨機応変に調達することができる。たとえばオーストラリアの肉が安いときはオーストラリアから仕入れ、ニュージーランドの肉が安くなればニュージーランドからの調達に切り替える、といったようなことも容易だ。しかも扱う量が非常に多いので、安く購入することも可能になる。
モスバーガーが日本に1,000店あるけれど、それと比べてみても、売り上げにしろ、食材の消費量にしろ、マクドナルドはケタ違いだ。そこの底力は、世界の牛肉の市場価格を左右できるほどである。
普通ファーストフードの会社は、集荷業者が肉を集めて、食品会社が加工し、それから輸入商社(ここで価格が決められる)と、問屋を経ることになる。この輸入商社の介在に原価が高くなる原因がある。
ところがマクドナルドの場合、集荷業者が、生産者から肉を買い、直接工場に持っていき、そこで加工したものを買うというもの。マージンや保管料など、流通過程で生じるコストを極力排したシステムが構築されている。価格決定権も同社にある。
ちなみに、一般の人がスーパーで肉を手にするまでには、生産者から集荷業者にわたり、競りにかかって値段が上がって、仲買人。それから食肉会社、肉の問屋、ようやく肉屋。これだけの業者の手を経る牛肉を、劇的に安くできるだろうか?
つまり、日本のファーストフードやファミリーレストランが価格破壊できる理由は、「輸入」にある。
現在の日本の価格設定は、1ドルが360円ぐらいの時の設定のままだから、価格破壊といっても、いまの為替市場の水準にすればいいだけ。まだまだ各社値下げの余地はある。 25年ぐらい前、ファーストフードが日本に上陸したときに、いちばん原価が高かったのはケンタッキーフライドチキン(50%)。次にハンバーガーで(40%)、いちばん安いのがドーナツ(20%)。ところが今は、ハンバーガー(20%前後)より、ドーナツのほうが原価が高くなっている(30%)。牛肉は輸入自由化で原価が下がったが、小麦粉は政府の規制があって高価な国産をしようしている。だからドーナツは安くならない。
最近は、居酒屋の焼き鳥にしても、安い焼き鳥はみんな、串に刺したものをタイや中国から輸入している。今や日本には竹串がほとんどないので、これも安く現地調達している。安い価格の理由は輸入にある。これはウナギもそうである。
ところで、ケンタッキーフライドチキンなども、鶏を輸入すればもっと安くなる。しかし鶏は、骨の中に髄液というのがあって、時間がたつとその臭いが出てしまう。つまりビーフに比べて、冷凍した場合に味が劣化してしまうのだ。だからケンタッキーは輸入できず、国内で生産するしかない。それで原価は下がらない。それにケンタッキーは鶏の専業だから、ビーフを売りたくても売る体勢にない。だから安いビーフを使えないし、値段も下げられない…。
その点、牛、鶏、豚、魚を扱うマクドナルドなどは、食材の種類が多く、その組み合わせで安いセットメニューを出すことができる。食材のバランスが取れているところは強い。いくら一口に外食産業をいっても、そこが何を扱っているかで、原価構造はずいぶん違ってくるのだ。
夫婦共働きが増えたことにより、女性たちは、食材原価の経済性という価値観に加えて、時間の価値観(コスト意識)を持ち始めた。「家で作るより外食のほうが経済的」となると、今後、より外食ニーズが高まるであろう。
| 牛挽肉 | 135g | 199円 |
| 玉ねぎ | 180g | 168円 |
| ピクルス | 165g | 278円 |
| パン | 4個 | 130円 |
| ケチャップ | 180g | 168円 |
| サラダ油 | 400g | 248円 |
| 塩・コショウ | 43g | 205円 |
| フレンチマスタード | 150g | 195円 | 全部で | 1,511円 |
| 牛挽肉 | 45g | 66.3円 |
| 玉ねぎ | 3g | 1.3円 |
| ピクルス | 1枚 | 5.1円 |
| パン | 1個 | 32.5円 |
| ケチャップ | 10g | 9.3円 |
| サラダ油 | 少々 | 3.1円 |
| 塩・コショウ | 少々 | 4.8円 |
| フレンチマスタード | 1.5g | 2.0円 |
| 合計 | 124.4円 |
なにがマックだ!俺が個人的に価格破壊してやるぜ! ↓ 計算ではマックで買うより5.6円安いぜ! ↓ ちょっとレアだが、まずかあァないぜ! ↓ しかし、ちょっと待てよ…。後かたづけは面倒だし、それに俺は調理に30分以上かか ったけど、時給800円としても約400円のタダ働き。買い物と後かたづけの時間も含め ると… どう考えてもマックで買った方が安くつくぜ! ↓ マックだと注文して商品ができてきて席につくまで1分以内。しかも130円!

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