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運営部長、統括SVのための実力養成講座
第5回
「人材の適正判断方法」


  1. 入社前の適正の判断
  2. 統括SVの仕事は優秀な店長とSVの育成であり、適性のある人材を抜擢し、教育に適した環境の経験を十分に積ませることだ。そして、店長、SV、統括SVを経験させ、経営幹部にしていくのだ。マクドナルドの経営幹部はどんなに優秀な人間でも現場の経験を十分に積まないとなれないのが鉄則だ。

    さて、「適性のある人材を抜擢しろ」とさらっと言ったが、何を見るのだろうか。

    外部からの人間を採用する際に適性の判断を考えてみよう。筆記試験と面接で選択するわけだが、その際に見る基準は何かというと、知的水準(学歴と数学、英語能力)と業務に対する適性(接客業や対人折衝に向いているか)、そして一番大事なのはやる気だ。

    筆者が統括SVになって一番悩んだのがどんな人間がマクドナルドの幹部としての適性を持つのかということだった。当時は入社試験で適性検査、そして運営部長、統括SV、人事部長による面接を行っていた。

    そこでひらめいたのが、現在の管理職が面接の際にどんな評価を受けたのか、適性検査の内容はどうだったのか、それらの評価が実績とどのように関係があるのかを調べることだった。

    人事データーは社内に保管してあるので、現在の運営部長以下統括SV、SVのデーターを見て採用や抜擢の際に役立てることにした。人事データーは極秘資料であるが、筆者の参加していたプロジェクトメンバーの人事担当者に頼み込んで密かに閲覧をした。

    先ず、学歴がどの位役に立つのかをチェックしてみた。当時は東京大学、東京教育大学、一橋大学、から、早稲田、慶應などの6大学までと優秀な学生が入社していた。当然、国立や六大学出身者が優秀かと思ってみたら、どうもそうではない。正確に言えば、いわゆる優秀な人材つまり、優秀な大学出身者がマクドナルドという現場を重視した職場に適しているとは言い難いと言うことだった。後に本部長までなった幹部には高卒の人もいたくらいだ。

    ある2流の私学をでて後に本部長になった人などは、東大などの国立出に負けないくらい優秀だった。東大出も何人かいたが、結局幹部にはなれなかった(藤田社長は別だが)。東大出身の藤田社長も別に東大出身者を優遇するわけでもなかった。実力主義という現実的な考え方が社内に充満していたのだろう。

    学歴だけでなく、適性検査の成績も実際の仕事の成果とはつながらない場合が多かった。適性検査ではもの凄く優秀でも実際の仕事ぶりは理論や夢物語が先行し、現実の店舗を運営することが出来ない人も多くいた。勿論、適性検査の成績が優秀で、店舗運営能力がある人もいたがそれは例外であった。統括SV以上の職位に出世する人を見てみると、適性検査だけでなく、本人のやる気、情熱、バイタリティが一番重要だというのが筆者の数多くの人材を見てきた経験から言えることだ。もちろん、職位が上になれば知的水準が高いほうが管理能力があるのだが、やる気がなければならない。

    そんなことを軍事顧問に行ったら笑われてしまった。「日本の官僚制度の弊害だよ」と言うわけだ。米国では入社テストや適性検査は実施しない。面接とキャリア、そして本人のやる気で判断する。もし、仕事に対する適性が分からなければ、店舗で数日間働かせて適性を判断する、オン・ザ・ジョブエバリエーションを行うのだ。

  3. 入社後の適正の判断:評価
  4. アシスタントマネージャーを抜擢してファーストトラックを歩ませるのも重要だが、統括SVにとって直接の部下になり、手足となるSVへ店長を抜擢することが大切だ。

    「お、あの店長一生懸命働いているじゃないか」と簡単に抜擢するわけには行かない。周囲にその理由が明確にわからないと不公平だからだ。判断の基準は評価だ。当時のマクドナルドは昇給と賞与が年に2回づつあり、年に4回の評価会議を開いていた。ここでの評価が昇進の基準となるのだ。

    評価の基準はQSCと人物金の管理と能力と適正だ。昇給賞与と昇進はちょっと異なる。店長としてQSCと人物金の管理を正しくできるのと、SVとしてのマネージメント能力は異なるからだ。

    1. QSCの客観的な評価
    2. QSCは客観的に評価しなくてはならないから、店舗を実際に回ってその実態を数量化する。店舗のQSCの評価はコンサルテーションレポートという5日間かける店舗総合診断がある。そのほかにMVR(マネージメントビジテーションリポート)という店舗訪問がある。SVは年に1店舗1回のコンサルテーションリポートと毎月2回のMVRを義務付けられている。

      このQSCを評価するのはSVだが、統括SVはSVがQSCを正しく評価ができるか、偏りがないかを確認する必要がある。そのためには店舗を訪問する際にSVと同行し、SVと自分の基準があっているか確認する。また、SVと店舗を訪問すると店舗が事前に訪問することを知っており、普段と同じ状態かどうか判断できなくなる。統括SVのために店舗を整えるのは本末転倒だ。そのために店舗の担当のSVとは別に単独で抜き打ちに店舗を訪問し、予告して訪問した場合と何か違いがあるかをチェックする。

      店舗を訪問する際には単にQSCのチェックだけではならない。統括SVの最大の任務は売上と利益の確保だからだ。普段から、店舗の損益計算書、月報、週報、運営日報を把握し、店舗訪問の際にはその数値が何故出てくるのかを確認する。

    3. 人の評価
    4. 店長やアシスタントマネージャー、アルバイトの評価は感覚で行っていると、すき嫌いで判断するようになるので、客観的に評価を行わなくてはならない。店舗訪問の際にQSCのチェックを行い、店長、アシスタントマネージャーに質問をして、問題点の把握の状態や解決能力を判断する。

      店長の重要な仕事に人材育成が上げられる。アシスタントマネージャーに対してはMDPというマネージャーデベロップメントプログラム(育成カリキュラム)を進行させなくてはならない。また、アルバイトの育成においてはスイングマネージャー、Aスイングマネージャ、STARを何人育成しているかを見ていく。店舗のQSCや利益が幾ら良くても、人材育成を怠っていては優秀な店長とは言えないからだ。

      人の面では質だけでなく、数量も必要になる。アルバイトの退職率が異常に高くないか、退職を予測して計画的にリクルート活動を実施しているか、時間帯のスケジューリングは適正に行われているかも合わせてチェックしていく。

      もうひとつ統括SVとして重要なのは店舗の従業員が困ったことがないか、不満を抱いていないかをチェックすることだ。店舗は数多くの人間がいるので、アルバイト、アシスタントマネージャー、店長、SV、SVの人間関係が必ずしもしっくり行っているわけではないからだ。そのために店舗訪問時には全員の表情、態度を見て問題がないかどうかを感じ取らなくてはならない。時には一人一人と言葉を交わしたり、面談をしたり、お茶を飲みに行ったりして、問題に事前に気がつく必要がある。

    5. 金の評価
    6. マクドナルドの金銭管理は厳しい。SVは毎月一回店舗を訪問し、金銭の管理に問題ないかどうか監査を抜き打ちで行う(MCRという)。店舗を訪問したら、まず入り口の鍵の管理、金庫の鍵はダブルロックになっているかをチェックし、抜き打ちでキャッシュドロアーの金銭内訳と売上があっているかどうかを確認する。

      売上だけでなく、在庫管理、給与管理まで細かくチェックを加える。レジスターの記録紙や打ち間違え、返金も細かくチェックし不正がないかどうか確認をする。この監査は最低4時間以上必要だ。

      レジの金銭誤差は担当者の責任だといって不足分を埋め合わせをさせることがあるが、これが不正行為のきっかけとなる。足りないときには自分の金で埋めるのだから、余ったときにはそれを自分の懐に入れることに罪悪感を持たなくなる。また、本当の金銭誤差もわからなくなる。そのため、マクドナルドでは一切の金銭や数値の調整は不正行為とみなし、発覚した際には厳罰に処するようになっている。店舗内部には不明金がないような状態でなければならない。不明金がある場合には何か不正行為があると疑われてもしょうがないのだ。

      これだけ厳しく対応していても社員が不正を働こうとすれば売上の高い店の場合、年間で数百万円という金を横領しても発覚しない場合がある。普段から厳しいチェックによるけん制が必要になるのだ。

      不正行為は店舗の売上だけではない。架空のアルバイトに給料を払う場合もありうる。監査時にはタイムカードと、履歴書(写真を貼っていなければならない)、給与の受領書の印鑑の照らし合わせをおこなう。時には給与支払い時に立会い確認する。机の中には架空の印を入れてあることがあるので、机内部の印鑑をチェックする。

      店舗の食材などの仕入れ原材料の管理も重要だ。腹が減っているアルバイトはパンやミルク、チーズなどを食べたり持ち帰ったりする場合がある。金を盗むよりも罪悪感を持っていないから要注意だ。倉庫の鍵の管理やアルバイトの出入りを確認する。

      店舗監査で問題点を発見するのは難しい。悪事を隠そうと意識している場合はなかなか判明しないからだ。そのため普段から数値管理で不正行為の兆候をチェックする。週報、月報、運営日報、品質管理報告書、損益計算書などを詳細にチェックする。品質管理報告書は食材の原価管理を行うのであるが、ここでは理論原価と棚卸原価の差異をチェックし、何がロスしているかを詳細に検討する。現在ではPOSで販売数量管理を容易にできるが当初は機械式のレジスターであるので販売数量を管理するためには、食材の出数と紙製品の数が合うかどうかチェックする。コーヒーであればコーヒーカップの出数とコーヒー豆の使用量、クリーム、砂糖の使用量で照らし合わせる。ハンバーガー類であれば、バンズ、チーズ、ミートの出数でチェックする。フレンチフライであれば、紙容器の出数でチェックするなど、工夫を凝らし、バランスの異常をチェックする。

      運営日報では理論売上と実際の売上の差異をチェックし一定異常の数値の過不足を発見すると監査の際に徹底して追及をおこなう。

    7. 物の管理
    8. 物とは資産や施設、器具の管理だ。年に一回の資産の棚卸を行い、過不足をチェックする。調理機器から、消耗備品まで詳細に記録を確認する。また、数だけではなく状態の管理も大事だ。状態の管理はコンサルテーションリポートを作成する際に、機械のメインテナンスや調整を定期的に行っているかを見ていく。

  5. 適性判断の現実
  6. 以上のように店長の適正を判断する手法は確立しているのだが、現実にはそのとおりには行かない。試験をして点数で評価するわけではなく、店長に接しているSVという人間を通して評価するからだ。ではどんな問題があるのだろうか?筆者の経験を紹介しよう

    1. 一番問題のある店長
    2. マクドナルドではいろいろな店長がいるから問題のある店長も存在する。問題があるというと、勤務態度が悪かったり、店舗の運営状態の悪い店長かと思いがちだが、実は本当に問題のある店長はいわゆる生真面目な店長の場合だ。

      SVは店長を通して店舗の実績を上げるわけだ。SVは優秀な店長であったから、つい部下に指示を多く出す、スーパー店長になりがちだ。SVにとって扱いやすい店長とは、SVの指示に疑問を持たずに忠実に従うタイプだ。経験のあるSVの指導通りに運営するわけだから、店舗の状態は良くなる。そうするとSVは気分が良くなって、あの店長は優秀だとなる。店長を誉めているのではなく、自分の仕事に酔ってしまうのだ。

      筆者の担当地区でものすごく売上の高いドライブスルーの店舗があった。店長は真面目で、SVからの評価も高かった。前任のSVの時代から評価が高かった。筆者が店舗を訪問してもすぐに出てきて、ニコニコと挨拶し、すぐに一生懸命に働き出す。しかし、店舗のQSCの状態はなかなか安定しなかった。

      この店舗の周辺は所得が高く、アルバイトが集めにくいという環境にあったから、人手不足がQSCに大きな影響を与えていたのだ。しばらく店舗を任せていたが、SVからの優秀だという評価に比べると内容が良くない。そこで、店舗を訪問してアシスタントマネージャー、スイングマネージャー、クルー、STARの話しをじっくり聞いてみた。その結果判明したのが、店長が店舗の本当の問題点に対処していないということだ。人員不足に対して自分が朝から晩まで休みもとらずに一生懸命に働いてカバーしようとしているのだ。忙しいから社員やクルーのミーティングをやる時間を取れず、店舗の目標が定まらない。そのため一致団結して問題解決にあたることができない。また、性格がやさしい店長だから、問題のあるクルーを怒ることができない、遅刻しても欠勤しても怒らないからだんだん、ルーズになってくる。しかし、SVの指示や命令には忠実に従うから評価は高くなるという悪循環だった。

      この店長の場合は基本的に能力がない真面目なだけがとりえの店長であったから、彼の能力で運営できる店舗に配置換えをするしかなかった。しかし、筆者のもとを離れてから、また、評価が上がったり、下がったりの繰り返しだった。仕事をサボるわけではないから、売上の低い店で有能なSVを上司に持つと評価が上がってしまうわけだ。

      このタイプの店長が実は一番問題なのだ。評価の際には店長の実力をじっくり見なくては行けない。上司のSVや担当店舗を代えて多面的な評価を加え、本人実力を判断するわけだ。それが、人事異動が必要な理由だ。

    3. 調子のよい店長
    4. 筆者は人がよいから良く店長にだまされた。店長の中からSVを選定しようというときに、以前筆者がSV時代に問題のあった店長を再度担当することになった。担当のSVは「彼は以前とは違ってずいぶん真面目になりました」というではないか。そこで、SVと何回か店舗を訪問すると、以前は事務所にいることが多かった店長が、何時もフロア-コントロールを自ら行い一生懸命働いている。何回か店舗を訪問しても同じような状態だったので、SVに昇格させた。それが間違えだった。後で、後任の店長や店舗のアルバイトと面接をした際に筆者の誤りに気がついた。店長は統括SVやSVのスケジュールを把握して、店舗にくる際だけ一生懸命に働いて、上司がこないときには事務所で遊んでいたりしていたのだ。しかも部下が命令に従わない際には体罰を与えたりと問題が多かったようだ。

      SVに昇格しても実績があがらなかったのは言うまでもない。注意しないと行けないのは店舗の状態だけでなく、店長の部下や周囲の評価も注意深く聞かなければ行けないということだろう。

      ある地方都市の大型店の事だった。店舗が古いせいかクレンリネスに問題があった。すぐ改装を予定していたこともあるのだろう。なかなかきれいにならなかった。店長は愛想が良く筆者が訪問するとニコニコして出てくる。いろいろ親切に知らない町の案内はするし、SVと一緒に飲み会に参加する。ま、売れるからクレンリネスに問題があるのはしょうがないかと思っていた。SVからの評価は高く、もうすぐSVに昇進させたいと言う。しかし、あるときに米国から創業者である故レイ・クロック氏の夫人が来日しその店舗を訪問することになった。店舗の清掃を命じたが一向にきれいにならない。しょうがないので筆者が店舗に入り徹夜で清掃と機械のメインテナンスを行った。創業者の故レイ・クロック氏はサンデーが大好物だったので絶対に購入するだろうと、古い機械を徹底的に調整した。夫人が店舗にきて購入したのは案の上サンデーだけだった。統括SVの筆者が店舗で清掃にあたる必要があったので、店長の評価は下げることにした。もちろんSVも同様だ。

      その店長が他の店舗に移動した。その時には筆者はその地域の担当ではなかったが、店舗を訪問した。その際に発見したのはベテランのスイングマネージャーが商品のホールディングタイムをごまかしていることだった。マクドナルドではサービスのスピードを高めるために、ハンバーなどを調理後包装して、ウオーマーに10分間保存しておく。売上を予測して必要な量だけハンバーガーをつくり保温する。10分間を過ぎるとケチャップなどが染み込み、バンズの外側も固くなりおいしくないので廃棄処分にする。各商品は厳格なホールディングタイムで管理されている。言うのは簡単だが、商品を作って保温しておかないと売上が取れないし、あまり数多く保温して廃棄処分を出すと食材コストが上がってしまう。この難しい作業をプロダクションコントロールといい、社員やスイングマネージャーが担当する。当日はスイングマネージャーが担当していたのだが、時間が過ぎても廃棄しないで販売している。かなりいいかげんな品質管理だった。また、開店して1年ほどの新店舗だったが汚い状態であった。

      その後で、評価会議があり、他の統括SVから高い評価が出され、SVに推薦するというではないか。筆者は店舗訪問の状態を思い出し、異議を申し立てたが、担当統括SVはぜひ推薦したいと言う。それから数ヶ月経った後、その店長は依願退職をした。実質的には解雇だった。ある日アルバイトから本社に手紙がきた。「店長は店にこないで何時もパチンコ屋に入り浸っている」と言うクレームだった。それから実態調査が開始され、勤務態度のいいかげんさが判明した。以前の大型店で汚かった理由がやっと理解できたのだ。店長が店で一生懸命に働かないでパチンコ屋にいて、「上司がきたら呼んでくれ」、というのでは部下は一生懸命に働かないのは当然だ。SVに推薦した統括SVの評価も下がったのは言うまでもない。

    5. 不正行為を働く店長
    6. 統括SVから運営部長に昇進し、担当地区を移動してしばらくした後の事だった。後任の運営部長から、筆者の元の担当地区の店長を解雇したといわれた。理由は金銭の横領だった。レジの売上が不足するのを自分の金で補充していたが、あまると懐に入れるようになり、だんだんその金が多くなったことが判明したのだった。そして、筆者に誰だかわかるかと聞いてきた。筆者がとっさに名前を挙げたら、的中し驚いて「何故わかったのか?」と聞かれた。簡単なことだった。オペレーションで誤魔化しをしていたからだ。

      ある地方の大型店の店長が新規開店を担当するので後任の店長を選任しなくてはならなくなった。担当のSVはその店舗のファーストアシスタントマネージャーを推薦した。まだ、若いマネージャーだったがアルバイトの時代から勤務しておりオペレーションが強いという。しかし、筆者は店舗を訪問し彼のプロダクションコントロールをチェックし、ホールディングタイムをごまかしているのを発見した。QSCが弱いではないかとSVには言ったのだが、担当のSVが絶対に保証すると言う。そこで店長に昇格させたのが間違いだったようだ。

      些細なことで誤魔化しをする人間はいつか大きな不正行為を働くようになると言うことだろう。

    7. 人身御供を作る店長
    8. ある大型店の新任店長だった。昇格したばかりのせいなのか、店舗のQSCが決まらないし、人も不足している。SVに聞くと店長を補佐するべきファーストアシスタントマネージャーが能力がないし、やる気がないという。次の評価会議でそのファーストアシスタントマネージャーの評価を下げ、タイトルダウン(降格)をするか退職を迫るという。どうもおかしいなと思った筆者はその夜店舗を訪問し、そのファーストアシスタントマネージャーとじっくり面談した。そうしたらそのマネージャーは泣き出すではないか。驚いた筆者は、他の社員やクルー、スイングマネージャーから状況を聞き出した。

      その結果判明したのは能力の不足する新任店長が、人手不足やQSCの問題点をファーストアシスタントマネージャーの個人的な目標課題として押し付けたと言うことだった。ファーストアシスタントマネージャーに目標課題を言いつけるのだが、その課題に取り組めないようなきついスケジュールを組んでいた。そうして目標課題の達成率が悪い、能力がない、やる気がないと言う評価をSVにあげ、自分に能力がないことを隠そうとしたわけだ。この件については担当のSVにも問題があったのだった。

    9. コミニュケーションができない店長
    10. やはり、QSCが決まらずクルー不足に悩んでいる店舗があった。SVに言わせると真面目な店長なので、店舗の環境が悪いせいだろうと言う。筆者はハンバガー大学時代にマニュアル作りで良く訪問して知っている店舗であり、その変わりように疑問を抱いた。そこで、店舗の社員、クルー、特にベテランの主婦スイングマネージャーを面接してみた。

      その結果わかったのは大変真面目な店長だったのだが、他人とのコミュニケーション能力に欠けると言うことだった。朝、店舗に入店しても「おはよう御座います」と言う挨拶もしないし、接客時以外は話さない。ちょっとピークが終わると事務所に閉じこもり書類作成業務をしているという。他の例のように仕事をサボっているわけではないのだが、基本的なコミュニケーション能力がないようだ。SVから見ると真面目で書類もきちんとしているので信用できるのだろうが、従業員へのコミュニケーションが不足すると退職率が増加し、結果として人手不足となるのだ。

  7. 正しく評価をするには
  8. 以上のようにいろいろな問題店長のパターンがある。それらに惑わされないようにするのは統括SVにとって重要な責務だ。店舗を見るだけでなく、店舗で働く従業員のやる気や顔色を観察し、時間を取って社員やアルバイトの話をじっくり聞くという慎重な情報入手は必要不可欠だということだろう。

以上

お断り

このシリーズで書いてある内容はあくまでも筆者の個人的な経験から書いたものであり、実際の各チェーン店の内容や、マニュアル、システムを正確に述べた物ではありません。また、筆者の個人的な記憶を元に書いておりますので事実とは異なる場合があることをご了承下さい。


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