weekly Food104 Magazine 2007年8月29日号

メルマガバックナンバー

● FSPRO旬の味を喰らう会のご案内
● 新店オープン情報
● 海外情報 オーストラリア旅行・美味しいものとの出会いと事件
● 海外レストランNEWS 米国レストラン情報
● 海外レストランNEWS 韓国レストラン情報
● 食ビジネスニュースリリース
● 王利彰のレストランチェック

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■ ジーン中園さんを迎えて開催するFSPRO版旬の味を喰らう会
「岡山県日生(ひなせ)三昧」のご案内

9月7日に世界一周の旅の途中に東京に来るジーン中園さんを迎えてのfspro版
旬の味を食らう会を開催いたします。

○本家の旬の味を食らう会の報告
まず、8月25日に開催した本家の旬の味を喰らう会は「三遊亭鳳楽師匠のうな
ぎのお噺と長いものと夏野菜、杜の蔵の日本酒」というにぎやかなものでした。
料理の写真と報告は参加いただいた矢部忠継@デニーズジャパンにお願いしま
した。以下は矢部さんのお手紙です。

本家「三遊亭鳳楽師匠の落語&旬の味を喰らう会」に参加させていただきました。
第二部16時30分スタートということでお腹がすくかなと思っていましたが、そ
の心配はありませんでした。第一部の三遊亭鳳楽師匠の落語では大爆笑の連続
で、しっかりお腹を減らすことができました。大学の講堂で落語を観賞すると
いうのもおつなものですね。

暑さを吹き飛ばすための、四つの長いもの、四つの貝、そして日吉さん提供の
無農薬野菜の数々。どの野菜も力強い味がしました。黄色いズッキーニは珍し
かったですね。特にモロッコ印元が食感と甘味で優れていました。長いもので
は太刀魚の刺身は滅多に食べられない貴重な経験ができ、有馬煮の鰻はとろけ
る身が最高でした。鱧の照り焼きが冷めてちょっと固かったのが残念でした。

杜の蔵の溝口さん、まるでソムリエのような働きで、各テーブルに気を配り、
料理にあわせて、お酒をすすめてくださいまして、とても助かりました。燗酒
も堪能できましたが、日本酒を造ったあとに出てくる酒粕(アルコールを10%
ほど含む)から造る「粕取り焼酎」の美味しさには感動しました。

毎度、毎度ピンボケ写真が多く申し訳ありませんが、お料理、お酒の写真を
PDFファイルにまとめました。ご覧下さい。↓
http://briefcase.yahoo.co.jp/bc/fortnight/vwp2?.tok=bcH8NnZBUGPBkJB8&.dir=/702f&.dnm=syun20070825.pdf&.src=bc

皆さんとは次回のFSPRO版の旬の味を喰らう会でお会いしましょう。

追伸
株式会社デニーズジャパン、株式会社ファミール、ヨーク物産株式会社は2007
年9月1日、新たに「株式会社セブン&アイ・フードシステムズ」として生まれ
変わります。
http://www.7andi.com/news/pdf/2007/0109_02.pdf

○ジーン中園さんの紹介
ジーン中園さんには過去数回、世界一周旅行のレポートをいただき掲載してい
ます。新しい読者の方もいらっしゃるので経歴をご紹介しましょう。
ジーンさんはちなみに女性ではありません。れっきとした日本人男子で合気道
と居合道の達人です。と言うと、ものすごく怖そうに思いますが、実は大学時
代には落語研究会に在籍し、話をさせると抱腹絶倒という面白い方です。また
外語大を出た関係で海外旅行が大好きな方で、今回のように毎年1回、1ヶ月間
世界旅行を楽しんでいます。

簡単に略歴をご紹介しましょう。
大学卒業後、創業間もない日本マクドナルド社に入社し、店長、スーパーバイ
ザーを経て、米国シリコンバレーに開店した日本マクドナルドのサンタクララ
店に駐在員として2年ほど滞在。帰国後、その語学力を買われ世界から食材を
調達する購買部において品質管理を担当しました。

ちなみに私とジーンさんの接点は、私がマクドナルドお茶の水店でアシスタン
ト・マネージャーとして勤務していたときに、会社訪問で訪問したジーンさん
とあったのが最初です。1年後、そのお茶の水店で私が店長をしていた時のフ
ァースト・アシスタント・マネージャーがジーンさんだったのです。と言うこ
とでかれこれ30年以上の付き合いとなります。

さて、ジーンさんは仕事の関係で世界中を旅行することが多く、その中でもオ
ーストラリアの自然に惹かれ、とうとう日本マクドナルドを退社しオーストラ
リアに移住してしまいました。現在は、オーストラリアの外食各社にレタスを
供給している、シドニーのGSFという野菜専門の工場のQA(品質管理)マネー
ジャーとして勤務されています。

GSFはゴールデン・ステート・フードと言う会社の頭文字から来ております。元
々は米国マクドナルド社の西海岸のディストリビューターで、製パン、ミート
加工、ソース製造、レタス加工工場などを営んでいましたが、現在はマクドナ
ルド以外の外食にも幅広く食材を供給しています。

Home

そのGSFのオーストラリア法人に現在勤務されているのです。GSF社の顧客は、
マクドナルドをはじめ、KFC、ピザハットを有するYUM社等です。
http://www.yum.com/

ジーンさんはそれらの経験を生かし、数多くの本を出版しています。
小さな飲食店をつくって成功する法 日本実業出版社
フード工場千夜一夜物語 旬を届ける生産の知恵 日経BP出版センター
ちょっと違うオーストラリア 日本貿易振興会
藤田田の頭の中 ハンバーガーを和食に変えた男 日本実業出版社
http://books.yahoo.co.jp/book_search/author?author=%A5%B7%A5%F3%C3%E6%B1%E0

当日は世界一周旅行やオーストラリア情報を映像とともにお話いただく予定で
す。初めての方も遠慮なくご参加くださいね。

○旬の味を食らう会のメニューのご紹介

当日使用する食材はお魚大好き人間が集まって作った、有限会社フーズシステ
ムクリエイターの石川さん、佃さん、井上さんに、調達していただき、以下の
ようにご説明をお願いしました。
URL:http://www.fscjp.com

○FSPRO旬の味を喰らう会「岡山県日生(ひなせ)三昧」のご案内

残暑お見舞い申し上げます。今年の夏は、当初軽くやり過ごせるかに思われる
暑さだと、軽く視ていました。ところがどっこいラニーニャはやっぱり手ごわ
いオテンバでした。今や、猛暑を越す酷暑、さらに獰猛さが増しているように
も思われます。皆さんいかがお過ごしですか。

そのほとぼりも冷めやらぬうちに、ジーン中園氏の行幸ということで、fspro
版旬の味を喰らう会を開催することになりました。ジーン中園迎撃態勢は、昨
年は確か富士山三昧にしましたが、今年は瀬戸内の岡山県は日生(ひなせ)を
テーマにしました。

さて、岡山の魚消費の特徴はサワラの消費が全国でも特に多いところにあると
いわれています。岡山市場の取り扱いはサワラがトップだということです。ス
マートな魚でお腹の幅が狭いという意味の「狭腹」が語源。出世魚で若魚を狭
腰(サゴシ)といっています。サワラといえば、魚篇に春と書きますので旬は
春のように思われますが、実は脂が乗り始めるのは秋だといわれています。し
たがって、今回は、常識を破り?秋の岡山のサワラをご賞味いただくことにし
ました。

次に、マナガツオをご賞味いただきます。俳句の季語では冬ですが、漁期は夏
になります。「真名」は本当のという意味ですから、マナガツオは「これこそ
本当の鰹というべき堅い身の魚」ということで、身が締まっていておいしいこ
とからの命名でしょう。古い話で、かすかな記憶では、確か10数年ほど前だっ
たでしょうか、西武系のレストランチェーンのシェフが、全国の食材開発ツア
ーをしたことがあって、その時に産地開拓をした水産物の一つが日生のマナガ
ツオでした。今回は、それを思い出して、こだわりの日生のマナガツオの味を
ご堪能いただきます。

そして、岡山といえば、そうです!定番のママカリを用意します。他人のママ
(飯)を奪うほどの味だと言われています。

4種類目は、浜では嫌われ者と言われているヒイラギという魚を選びました。
小魚ですが棘が網に引っかかり、定置網や底引き網では取り外すのにやっかい
な魚です。防波堤などで簡単に釣れる魚ですが、案外、おいしい魚だというこ
とを知らない人が多いのです。今回は、このヒイラギを、お刺身で味わってい
ただこうということにしました。

最後は、瀬戸内海の甲殻類2品を選びました。ワタリガニとシャコになります。
以上、ジーン中園氏の迎撃は、瀬戸内海構成(攻勢?)ということになります。
今回は、ジーン中園氏を囲み、ワールドワイドなお話を伺いながら、秋の夜長
を岡山の日生の魚で楽しみましょう。
なお、天候によっては、ほかの魚になる可能性がありますので、ご了承下さい。

○開催日時:平成19年9月7日(金)午後7時~
場所:莫莫居鶯(ばくばくきょ うぐいす) 店長名取(なとり)
〒171-0021 豊島区西池袋1-18-1五光ビル地下1階
TEL:03-3987-0085
E-mail:info@bakubakukyo.com
HP: http://www.bakubakukyo.com/
http://r.gnavi.co.jp/a106200/

○会費:5,000円

○申し込みは以下のフォームで王まで( oh@sayko.co.jp )お願いします。

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ジーン中園さんを迎えて開催する、FSPRO旬の味を喰らう会
「岡山県日生(ひなせ)三昧」に参加をいたします。(food104マガジン読者用)
ご芳名
所 属
参加人数とご同伴者のお名前
E-mail
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● 新店オープン情報 ———————————————-■□

脱メタボリック、ダイエット挑戦中の方に 彩食健美「月夜のうさぎ」OPEN

四谷三丁目地区の和食ダイニング「月夜のうさぎ」が、「彩食健美」をコンセ
プトにしたメニューを取り入れた新しい業態へ7/17、リニューアルオープン。
今話題の「おからこんにゃく」などお肉を使わない「お肉感覚料理」を使用。
「豆冨・湯葉・豆乳」料理も人気です。ビールは通常の半分以下のカロリーに
抑えたものをご用意。キウイや柚子などといった、ローカロリーや血液をサラ
サラにする効果のある果物に、豆乳を混ぜたサワーやカクテルもあります。

○メニュー一例
お食事(コース)
お肉類を一切使用しない  彩食健美コース(全9品)     3,800円
(単品)
畑の肉の串焼き-大豆たんぱく-                230円
おからこんにゃく串                     280円
手作りおぼろ豆冨                      320円
豆乳クリームコロッケ                    480円
湯葉の刺身                         680円
野菜餃子のみぞれあん                    680円
大豆チキン北京ダック風                   780円
(デザート)
豆冨で作った白玉ぜんざい                  480円

○店舗データ
住所:東京都新宿区四谷3-3-エスパスコンセール1F
アクセス:地下鉄丸ノ内線四ツ谷三丁目駅 徒歩1分
JR四ツ谷駅 徒歩10分
TEL:03-5363-6570
営業日:17:00~5:00 (LO 4:00)
定休日:日曜

○URL: http://r.gnavi.co.jp/a773900/

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● 海外情報 オーストラリア旅行・美味しいものとの出会いと事件—–■□

■ HACCPコンサルと美味しい料理
フーズデザイン加藤光夫の、美味しいものとの出会いと事件

今回はHACCPコンサルタントで食通の加藤光夫先生のご好意により、「オース
トラリア旅行・美味しいものとの出会いと事件」を転載させていただきます。

加藤先生は食の安全の基本となるHACCPのコンサルタントとして国内はもとよ
り海外出張が多い方です。通常は疲れ果てるのですが加藤先生の持ち前の食欲
と好奇心から、辛い出張を楽しいグルメ旅行にされるのです。

今回はその加藤先生のオーストラリア旅行記をお楽しみ下さい。

写真入のブログはこちらをご覧下さい。オーストラリアの自然と食を満喫でき
ます。
http://foodesign-kato.blogspot.com/

なお、先生の仕事のHPは以下の通りです。衛生管理では大変勉強になりますよ。
http://www.foodesign.net/

2007年8月7日 クイーンヴィクトリアマーケット
蒸し暑い日本からオーストラリアのメルボルンに着いたら気温10℃、爽やかな
冬だった。セーターを着込み、マフラーをして、空港内のレンタカー事務所で
手続きを済ませ、車のヒーターを入れてフリーウエイをシティへ。ここではダ
ウンタウンと呼ばず、シティといっている。

この国のレンタカーはカーナビなんてないので、地図を頼りに適当に町の中心
に向かったら、うまいことに、どの都市でも行くマーケットのところにでた。
クイーンヴィクトリアマーケットは、古いマーケットだが、食肉、鮮魚のエリ
アに行ったら、きれいに管理され顧客がたくさん。食肉エリアには30ほどの小
売店が入っているが、通路の天井に枝肉をぶら下げて運ぶレールが廻らされて
いる。各食肉店は、枝肉で仕入れ、一頭の肉をうまく小分けし、それぞれ独自
のカッティングをして、技術を競っている。その為、スープの素になる骨が、
各店舗にたっぷり置かれている。

オーストラリアの牛の飼育はナチュラルで、広大な牧草地の中で育てられてい
る。牛舎は無い。自然のままだ。牧草だけで大きくなっている。だからBSEは
無縁。日本向けの牛肉だけは特別に穀物飼育(グレンフェッドビーフ)をして
いるが、自国で消費する牛は全てグラスフェッド(パーチャスフェッドとも呼
ぶ)だ。グラスフェッドビーフは、屠畜直後を食べるとゴムのように硬いが、
2~3週間ほど熟成させると、軟らかくなり、低脂肪で美味しい牛肉になる。

ヴィクトリアマーケットの食肉店は、熟成させた枝肉を仕入れ、あるいは店舗
で熟成させてから、商品化しているようだ。赤身のさっぱりしたステーキ、買
って帰りたいところだが、ホテルで焼けないのであきらめた。

2007年8月9日 食品にうるさい入国審査
BSEで、牛肉の安全性が問題になってだいぶ経つが、オーストラリアとニュー
ジーランドは、日本向けの一部の穀物飼育以外は全て牧草飼育なので、なんの
心配も要らない。牛肉だけでなく、全ての食材の安全性を守る為、オーストラ
リアでは海外からの入国者の検査を実に慎重に実施する。「全ての食品」を持
っている人は、入国カードにチェックをしなければならない。たとえ問題の無
い加工品であっても、検査される。

以前カップラーメンを持ち込んだ時、パッケージの印刷に卵があったので、取
られたことがあった。たとえ加熱されていても、卵、肉類はダメなのだ。
入国カードに無しとしてあっても、かなりの人が荷物を開けて検査される。
検査待ちの列が長く連なっている。もし「無し」にチェックされているのもか
かわらず、食品を持っていると、たしか110ドルの罰金を取られる。泥の付い
た運動靴が無いかのチェックもある。ゴルフシューズのようなものだ。泥には
微生物や種がついているからだ。ゴルフのドライバーに泥が付いているのを慎
重にチェックされた人もいた。

2007年8月9日 グラスフェッドビーフの生産
グラスフェッドビーフの生産は、広大な牧場で行われる。ヴィクトリア州は今
年は旱魃(かんばつ)だと聞いていたが、メルボルンの西、グレートオーシャ
ンロードの途中の牧場はそんなようには全く見えず、豊富な水が牧草を潤して
いた。牧草飼育牛は、1,200~2,000坪に一頭程度の広さだという。千頭ならこ
の千倍の草地が必要になる。

水は雨と地下水。もちろん川や沼地、湿地を使っているところもある。見える
範囲の山全部という広大な牧場はいくらでもある。オーガニックに必然的にな
るわけだが、例えば山の上にゴルフ場など、農薬や薬剤を使っているところの
下の牧場の牛はオーガニックにはならない。まあしかし、オーストラリアの牧
場地帯を延々と旅していると、そんなところはまず無い。都市部は別だが。

2007年8月10日 グラスフェッドビーフのマーケット
20年近く前、オーガニックのグラスフェッドビーフを日本に入れられないかや
ってみたことがあるが、うまくいかなかった。理由は「サーロインの大きさが
小さい」「色が浅い」「形が揃っていない」「硬い」「草臭い」といったとこ
ろで、バイヤー段階でストップしてしまった。BSEなど無かったので、安全性
といった利点は検討されなかったのだが、消費者への試食提案までも持って行
けなかった。その頃私はオーストラリアとニュージーランドにしょっちゅう行
っていて、グラスフェッドビーフのおいしさに十分に堪能していた為、日本側
のこの反応にはがっかりした。

形が揃っていないというのは、日本の今も全く同じだ。肉、野菜、魚、全て工
業製品では無いのだから、形は揃わない。それを流通がやりやすいからとか、
販売の規格統一といったところから、無理に揃えようとすると、ロス、選別で
価格は高くなる。

硬い、草臭いといったのは、熟成していないからだ。熟成させれば、軟らかく
おいしくなる。とはいっても、和牛のような軟らかさにはもちろん絶対ならな
いが、脂がないため、さっぱりした、適度な軟らかさにはなる。

そして、今、オーストラリア、ニュージーランドのグラスフェッドビーフには
BSEフリー、オーガニック対応、ナチュラル、自然、安全、といったキーワー
ドがたくさん付いてくる。型は揃わず、色も浅いが、熟成させれば、ナチュラ
ルで安全でヘルシーな牛肉、という、実に今の消費者ニーズにあったものを持
っている。

2007年8月13日 魚介類の食材
オーストラリアは日本向けの畜養マグロを始めた国だ。畜養というのは、小さ
なマグロを捕って、餌を与えて大きくする方法だ。卵からの完全な養殖とは全
く違う。畜養マグロは、体全体が中トロのようになるものが多い。しかし、オ
ーストラリア国内で一般に出回っているのは魚介類のほとんどはナチュラルな
ものだ。海はきれいなので、天然魚介類の安全性は最高。そんな魚介類が、マ
ーケットに並べられている。

マグロを見ると、赤身で、ちょっと透き通っていて軟らかそう。サーモンで高
級なのは、タスマニア海あたりで捕れる「タスマンサーモン」。この辺りは海
流が強いので、身の引き締まったおいしいサーモンが捕れるという。オースト
ラリアの鯛もかなり日本に輸出されている。

エビ(プラウン)もかなりの種類捕れる。キング、エンデバー、ブラックタイ
ガー、ピンクタイガーと、市場には多種類のエビが並んでいる。これらのエビ
を、シンプルに食べるには、湯をぐらぐら沸かし、瞬間塩ゆでにする。そして
あちあちいいながら、皮をむき、生姜醤油をちょっと付けてパクリ。シャルド
ネを一口飲み、また一匹と、次々やって行くのだ。

2007年8月14日 加工食品エリア
クイーンヴィクトリアマーケットの加工食品エリアは、古くからの施設を改修
して使っている。壁面と床との間の幅木はRに切ってあり、汚れが溜まらず、
清掃しやすいようになっている。各店舗の売り場と顧客の間はきちんと仕切ら
れ、店内の衛生管理も守られている。整理整頓といった基本的なことは、指導
されたり、ルールが決められて守っているというよりも、ごく自然に当たり前
になされているようだ。

「この分野はウチだ!」といっているように、各店舗の商品分野は確立されて
いる。チーズ、加工肉、ベーカリー、ワイン、ドライフルーツ、ケーキ、ピク
ルス……、あらゆる食品の専門店街だ。隣には青果エリアがある。

世界の主要都市にある市場は、衛生管理上から閉鎖型になっているが、ここは
肉と魚介類が完全閉鎖型、加工食品は日本のデパートの専門店街型、そして青
果は屋根だけの形になっている。

2007年8月14日 乗車券の自己管理
メルボルン市内は「トラム」という路面電車が、東京レベルまで行かないが、
大阪レベルの密度でシティ(ダウンタウン)と郊外を結んでいる。乗車するに
は、2時間券、1日券、1週間券などをあらかじめ商店やコンビニで買って乗る
のだが、トラムに乗ったら小さな刻印器で自分で刻印をする。その時間から2
時間とか1日使える。ということは、刻印したふりして何もしなければ、2時間
券で(発覚しなければ)いつまでも使えることになる。

高校生や地元の人を見ると、乗って何もせず、そして何もしないで降りて行く。
多分定期券を持っているのだろうが、何も持っていなくても持っている振り
していればわからない。時々検札はするのだろうが、基本的に顧客の自己管
理、性善説で成り立っているようだ。一般的に、日本は性善説、アングロサ
クソン系、あるいはアラブ系は性悪説、ということになっているが、公共の
乗り物に関してはそうでも無い。

コペンハーゲンの空港から市内まで列車で往復したことがあるが、空港でチ
ケットを買ったらそのまま改札など無しに列車に乗れる。コペンハーゲン駅に
ついても改札無し。帰りも全く同じ。途中検札も無かった。これもチケット持
っていなくてもズルすれば乗れてしまう。

ドイツのアッシャヘンブルグという田舎町から4人で列車に乗ろうとチケット
を買ったら、4人分が1枚のチケットになっている。ドイツはエコロジーに徹し
ているから、チケットの紙も節約するのだろう。改札も無しに列車に乗り込み
6人はゆったりのボックスに座ってしばらくしたら女性の検察官がきた。どう
して我々のところにすぐに検札にきたのか不思議だったが、乗る時にこの女性
がホームの左右を見ていたのを思い出した。

メルボルン空港に着いてレンタカー事務所で「シティリンクという有料の高速
道路が市内を回っているが、その乗り放題チケット4日分はここで買える」と
いうので、とりあえず買ったが、カードも何も無い。「登録したので、何も無
くていい」というので、何だかわからないままシティリンクを通ったが、ゲー
トも何も無い。買っても買わなくても同じなのだ。

スピード違反か何かでパトカーに捕まって、登録していないで走っていたら罰
金でも取られるのかどうか知らないが、これも顧客の自主管理だ。まあ、人口
が少ないからこれでいいのかもしれないが、それにしても、こういう考え方の
人がほとんどだと(ズルする人が少なければ)、コストはかなり安くなる。

日本はこのところずるい人がじゃんじゃん出て来ている。その度にコストが上
がる。牛肉ミンチをごまかせば、高額のDNA鑑定が必要になる。学校給食で、
国産牛肉と輸入牛肉をごまかせば、その為の監査を多くのまじめな業者はやら
なければならなくなる。産地を偽装する業者が出て来れば、産地証明をする為
のコストがかかるようになる。ずるいヤツ、悪いヤツ、せこいヤツが出て来る
たびにコストが上がる。何とかなりませんかねー。

2007年8月16日 最高の中華レストランとその食材
メルボルンのチャイナタウンにある中華レストラン「フラワードラム」を博多
の西村先生に教えてもらって行った。ここは、The Age(メルボルンの代表的
新聞)が毎年出す小冊子「メルボルングッドフードガイド」で、毎年ベストチ
ャイニーズレストランに選ばれているところだそうだ。

中華街のメインストリートから横に入った、ちょっと目立たないところにある。
1階は受付だけで、メニューも何も出ていない。教えてもらわなければ絶対に
わからない。予約しないで入ったら、にこやかに「ラストテーブルです」。
満席なのだ、運が良かった。2階に上がったら、大きな店で、メルボルンの紳
士淑女がさんざめいている。品の良いお客さんばかりだ。

マネージャーがきて「今日のお勧めは……」と始まった。牡蠣のナンダラカン
ダラというのが最初に来た。蒸してあり、香港流にいえばXO醤で牡蠣の風味を
活かした程度に味付けしてある。ディムサム(餃子)は、たっぷりと肉汁が詰
まっている。美味しい豚肉ジュースの塊だ。

エビと野菜の炒め物は、サッと強火で炒めてあり、エビぷりぷり、野菜シャキ
シャキ。牡蠣はタスマニア産、エビも、野菜もオーストラリア産。豚肉はオー
ストラリアでは牛肉よりも高い。牛は牧草の中に放っておけば大きくなるが、
豚は資料をやらなければならないので、高くなる。そしてもっと高いのがチキ
ンだ。日本と逆になる。

オーストラリアで1番安い肉は羊だ。1年未満がラム、1~2年の間が日本ではあ
まり知られていないホゲット、2年以上がマトン。これらは段々安くなる。歳
とるごとにに安くなるというわけだ。しかしホゲットというのは、ラムの軟ら
かさと風味が少し残っていて、価格は安く、地元では人気だ。

日本の中華街はエキサイティングで面白いが、最近の中華食材の汚染問題を考
えると不安だ。しかしオーストラリアの中華は素材が国産なので、安心。メル
ボルンに行ったら、絶対に行かなければならない店だ。

2007年8月17日 オーストラリア大陸が沈み込む現場
オーストラリア大陸は地球全体の地殻変動で南極側に少しずつ沈み込んで行っ
ているという。その動きでメルボルンの西側の海岸一帯で奇岩奇景を見ること
が出来る。メルボルン市内からM1号線を西へ向かい、グレートオーシャンロー
ドに入る。穏やかなエンジェル海岸を左に見ながら3時間ほど走って行くと別
荘街になる。どこの家も海に向かってこれ以上使えないというぐらいのガラス
を使った作りだ。メルボルンのお金持ちの皆さんの別荘なのだろう。

ここを越え「ここから国立公園」のサインを過ぎた途端、全く自然のままの海
と陸。大陸が海に落ち込んでいるところは一気に切り立った絶壁になっている。
取り残された陸が、崖になったり、斧のように突き出た岩になったり、アーチ
状になっているのもあるし、そのアーチが崩れて落ち込んでしまったのもある。

荒々しい波が次々と押し寄せている。南極からの風が吹きつけている。低い樹
木が風に震えている。溜まった雨水の上に、小さなミズスマシがすいすい。
時々観光客とすれ違うだけで、この広い地域にほとんど誰もいない。オースト
ラリア大陸の果てに立っている。突き当たり大好き。

2007年8月20日 田舎町の野菜が美味しい
グレートオーシャンロードからの帰りが遅くなってしまい、ちょっと食べ物と
シーズンオフのウイークディでほとんど人の居ないリゾートタウンのデリスト
アに入った。すぐに走り抜けてしまう町にぽつんとネオンが。中はガラクタだ
らけだろうと思ったらそうでも無く、デリは結構揃っている。これを1人のお
ばさんがやっている。

野菜は美味しいだろうとサラダを買ったら当たり。チーズドレッシングとわず
かの塩で味付けしてあるだけ。素材が素晴らしいと、やたら手を加えない方が
良いね。

2007年8月21日 プラーンマーケットで築地の移転を考えた
メルボルンのスワンストンストリートを南下し、ファッショナブルな川岸のヤ
ラ川を渡り、セントギルダロードを10分ほど行くと、サウスヤラ地区に入る。
ここはメルボルンのお金持ちの皆さんの住宅地域。ハリーポッターが出てきそ
うな家があちこちにある。その中にあるプラーンマーケットは、1800年代の施
設を、古さを残しながら新しいマーケットにかなりの費用をかけて改修したと
いう。

ここも肉と魚介、加工食品、青果の3つのエリアに別れている。肉と魚介エリ
アは自動ドアで完全密閉型。タイルを使い、衛生管理を考慮した構造に見事に
改修されている。クイーンヴィクトリアマーケットと比べて、かなり高級だ。

東京では築地市場の移転がもめているが、古い歴史のある市場を、その歴史、
文化を活かしたまま、新しい時代にあったシステム、市場なら衛生管理を導入
してリフォームするようには出来ないものだろうか。クイーンヴィクトリアマ
ーケットやこのプラーンマーケットのように。

2007年8月22日 ゲームミート
ゲームミートというのは、フランスでは冬の間、鴨、雉、ウズラ、イノシシ、
鹿などの野生動物や鳥を狩猟して食べる肉だ。プラーンマーケットでもこのゲ
ームミートを色々売っている。オーストラリアはまずカンガルーで、ヒレが1
キロで18ドル50セント(オーストラリアドルは約百円なので、1,850円)それ
から、野生では無い「ファームド(飼育)」のベニソン(鹿)は、ランプが35
ドル、角切りが30ドル、ヒレが55ドル。

ニュージーランドでは鹿牧場があちこちにあるが、オーストラリアにもあるの
だろうか。ニュージーランドの鹿の角(つの)はそのままあるいは加工して香
港や韓国に輸出されている。もうひとつあったのはやはりファームドのウサギ
で、20ドル。これらは鶏肉専門店で販売されていた。

2007年8月23日 500万年前の塩
メルボルンを発ち、パースへ。飛行時間は4時間だが、時差が2時間あるので、
2時間得した。パースへあと1時間弱のところで、右下に広大な白い湖のような
ものを発見。これは「WAソルト」の所有する塩の採取地「デボラ湖」だ。18キ
ロカケル8キロの面積があり、塩の大平原になっている。米国のソルトレイク
の様なもの。しかし違うのは、ここの塩は、ここから500キロ以上西のインド
洋からの潮風によってできている点だ。

オーストラリアの西海岸から東に潮風が大陸を進んで行くと、ずっと平らなの
だが、500万年より以前、ここは湖になっていた。そしてすぐその東側には小
高い山があった。インド洋からの強い風で、海水が潮風となってはるか500キ
ロ奥まで吹いて行き、そこにあった山に当たり、手前のデボラ湖に落ちていた。

インド洋の潮風の塩がこの湖に溜まって行ったのだ。その後、干ばつ化して行
き、強烈な日光で乾燥を始め、表面の水分が蒸発し、塩の層になった。500万
年前、500キロを飛翔した潮風の塩だ。今でもこの風は吹き続けているので、
ここの塩は無くなることは無い。素直でおいしいナチュラルな塩だ。ミネラル
分はもちろん塩水と同じ。日本で時々ミネラルが異常に入っている塩を見るこ
とがあるが、あれはミネラルを添加したもので、ナチュラルとは言えない。メ
キシコから輸入した一般的な塩にミネラルを添加した塩もあると聞いている。

パースの西500キロのデボラ湖の塩は、削り取られ「WAソルト」の製品になっ
て、一部は日本にも入ってきている。良質で無添加のハム、ソーセージを作っ
ている「グルメくにひろ」もこの塩を使っている。

この塩湖に3回ほど行ったことがある。日本への開発輸入を手がけていたのと
地の果てが好きな性格の為だ。一度は車、一度はセスナ、一度は我が家族に見
せてあげたくステーションワゴンで。車で行くと、メイン道路から入ったとこ
ろで、白地に黒の丸と斜線の道路標識が出て来る。これは「制限無し」と言う
意味。理解の仕方を変えると「自分のリスクで勝手に走って良い」何キロで走
っても良いが、自分で責任を持て、ということになる。しかし、高速で走ると
カンガルーがボーッとしているのに出会うので、危険。

冬の雨期、ここは雨水が3センチほど溜まる。真っ平らなので、広大な鏡にな
る。無風の満月の夜、湖の中央に立つ。水面に月と星が映っている。上も、
下も、月と星。人は宇宙の中心に浮遊する1個の意識になる。
そして月に向かって吠え出す、「わおー! わおーー!! わおーーー!!!」
あぶないあぶない……

2007年8月24日 マンジェラの巨大リゾート開発
パースの空港に着き、レンタカーで南へ。パースにもフリーマントルにも寄ら
ず、一気にマンジェラへ。マンジェラは、5年ほど前、マーガレットリバーか
らパースに帰る途中、大規模なリゾート開発をやっているのを見付けた。その
後どうなったのか、2泊することにした。カーナビが無いので迷い込んだら、
海岸縁に建設途中のコンドミニアム、住宅がいくらでもある。

レストランに行ったり、カフェに入ると、開発業者がミーティングをしている、
購入見込み客と営業マンが交渉している、小さな会議室ではプロジェクターを
使って討議中、と、大変な活気だ。

翌日50キロほど南にあるワイナリーに行く途中、このリゾート開発地域は、
どんどん南に延びている。オーストラリアはそんなに景気が良いのだろうか。
あるいは人生を楽しむパターンが、以前のキャンピングカーから、住宅になっ
てきているのだろうか。大きさは200から400平米ぐらいで、5,000から8,000万
円ぐらいのが多いようだ。

マンション風のコンドミニアムは、売れるまでの間かもしれないが、1泊100~
200ドルぐらいで泊まることが出来る。ホテルと違って部屋の清掃やベッドメ
イクは無く、自分でやる。一般的に3泊目までは定価だが、4泊目からは半額に
なるところが多いようだ。これは米国のシアトルで泊まった時も同じだった。
日本でこういうの聞いたことないな。

2007年8月26日 小さな小さなワイナリー
マンジェラの南50キロあたりにワイナリーが地図に乗っているので行って見た。
ワイナリーのサインを見付け、左折した途端、オフロード。突き当たりに、小
さな小さなワイナリーのセールスハウスがあった。駐車したら、犬が尻尾をふ
りふり跳んできた、久しぶりの客だ。愛想の良いおかみさんが出て来て、犬の
名前は「ジャスパー」

ハウスに入ってどんなワインを売っているのかと思ったら「クラシック」タイ
プ。クラシックの語源は知らないが、このタイプは「美味しい水」といったも
の。料理を楽しむ為に、美味しい水のようなさっぱりしたワインをこう呼ぶよ
うだ。白が1本13ドル。早速購入、今晩の最初のワインにしよう。この後色々
なワインを見てみたが、やっぱりクラシックタイプはさっぱりした味で、価格
は10ドルかちょっと上ぐらい。

2007年8月28日 巨大マッシュルーム
マーガレットリバーの町近辺に泊まろうと思ったが、週末がかかっていたので
混んでいて、マーガレットリバーの入り口北50キロぐらいにある、ドンズボロ
ーのコンドミニアムにし、ここにしばらく居ることにした。

途中のブッシェルトンでファーマーズマーケットがあったので寄ってみたら、
新鮮、頑丈、たくましく、美味しそうな野菜がたっぷりと販売されている。
これは面白いと色々買いまくっていたら、巨大なマッシュルームがあった。
一番大きいのは手の平大。これはあまりにも大きすぎるので、そのもう少し
小さいのを選んだ。

ドンズボローの予約してある部屋(家)に入ったら、あまりにも大きすぎる。
ダブルベッドのある部屋が2つ、シングルベッド2つがある部屋が2つ、中二階
にビリヤード、広大な居間、テラスにはバーベキューコーナーと巨大なテーブ
ルセットが2組。4百平米以上あるかもしれない。これでは落ち着かないので、
小さな部屋(とはいっても2百平米ぐらい)に換えてもらい、落ち着いた。
日本の小さな家になれていると、こういうところはダメなんだな。しかし、
小さいと歩く距離が少なくて良いこともあるな。

△▼△▼△▼△▼△▼△

● 海外レストランNEWS 米国レストラン情報————————-■□

■ シカゴ郊外食の風景 愛情のない料理はただの餌!

前回”Rattatouille”(題名の由来はフランスの田舎料理ラッタテゥイから)と
いう映画をご紹介致しましたが、日本でも今邦題「レミーのおいしいレストラ
ン」として上映中です。このデズニー・アニメーション映画の趣旨は「愛情の
ない料理はただの餌!創造なくして料理なし」です。主人公のシェフを目指す
ネズミのレミーとおちょこちょいの男の子でパリ高級レストランのシェフ見習
いリングイニとの友情。ネズミ一家に破門されても自分の夢を果たすレミー。
最後にはリングイニと四つ星レストランじゃないけれど自分もお客さんも幸せ
にしてくれる。街角のビストロを開店してネズミ一家とも仲直りめでたし、め
でたし、という映画です。映画評論家の間でもAのグレードをもらっているの
で、大人も楽しめるアニメーションです。

そして、全くこれと同じ趣旨の映画が、シカゴでこの夏もう一本公開中です。
タイトルは「ノー・リザベーション」金曜日の晩ともなれば、ちょっとした名
があるレストランは、いかにシカゴの郊外でも予約なしでは入れません。ノー
ン・リザベーションでふらっと入れるビストロ(食堂)があると嬉しいんです
が、そんなビストロを開くお話がこの映画です。

こちらはNYの結構有名なフレンチのお店が舞台。主人公はその店の料理長、30
代の女性です。いつもピリピリしていて、自分の料理にプライドがあり、信念
を曲げないのはいいのですが、お客とやりあうこともしばしば。「もうちょっ
とステーキをレアーにしてくれ。」という客の注文に「これがパーフェクトの
レアーよ!」とウエイターに怒鳴りつけます。自ら、全く焼いていない、生の
ステーキを客のテーブル目がけて、投げつけてしまいました。そんなこんなで
オーナーの女性とも口論が耐えない毎日が続きます。

そんなある日、この料理長の妹が交通事故で亡くなってしまいます。シングル
マザーだった妹の娘を引き取ったのはいいのですが、自分が料理する、鴨や魚
は全く手をつけてくれずお手上げです。そんな時オーナーの女性が、イタリア
人男性のシェフをこの店にスー・シェフとして雇います。よくある話ですが、
料理長とこのイタリアン人シェフが水と油、彼はカンツォーネを歌いながら、
楽しく他の見習いコックと料理するのですが、それが彼女は気に入らない。
「仕事に集中しなさいよ!」とまたまた陰険なムードが漂います。

でもこのイタリアン人シェフが作った愛情たっぷりのパスタを、何も口にして
くれなかった、妹の娘が食べてくれたことから、二人の仲たがいも終結してい
きます。でもまたもや客といさかいを起こしてしまい、今回は料理長といえど
も店を追われることになってしまいます。オーナーの女性ははイタリア人のシ
ェフを料理長に迎えたいと考えていましたが、彼はその申し出を断り元料理長
の彼女と誰でもノー・リザベーションで来れる街角のビストロを開いて、めで
たし、めでたしです。お店の名前は、妹の娘を交えた3人の名前を付けました。

この映画は実は評論家の間ではCグレードでしたが、料理関係者にとっては見
ておきたい映画です。「食べる」ってどういう行為なんだろうとちょっと立ち
止まって、考えさせられる映画でした。子どもたちには料理と掃除は人生のス
キルとして、きちんと教えてやらないといけないのだと思いました。英会話や
PCのスキル以上に大切かもしれませんね。生きる力が湧いてきますから。アメ
リカ人はお料理はイマイチ得意分野ではありませんが、掃除は男女とも徹底し
ていて、これは私も大変尊敬しています。勿論一番使っていない所で、素晴ら
しい台所が、一番ピカピカですけどね。「床や壁はただ拭くだけじゃダメ、洗
う気持ちで掃除しろ!」と私は姑と夫に仕込まれましたが、今では感謝してい
ます。ただその義理の母のアップルパイだけは、いただける代物じゃありませ
んけどね。そこらへんのスーパーで買った方が、安くて旨いです。

実は最近シカゴ近辺でもビストロが流行で、「○○ビストロ」と名付けられた
お店が方々に出来ています。パンケーキハウスでも「エッグ・ビストロ」なん
て名付けて、何でもビストロ付ければいいものでもないと思いますが、流行っ
て面白いですよね。フレンチのビストロは高級店ではないのでだいたい、一つ
星半かせいぜい二つ星ですから、値段もお手頃でちょくちょく足を運べるのが
利点です。シカゴで初めてビストロを開店したお店がダウンタウンにある「ビ
ストロ110」で開店20年ちょっとになるそうです。その後二番目にビストロを
開店したのが郊外にある「D&Jビストロ」でこちらも今年の10月で20年になる
そうです。D&Jとはオーナーのフランス人のご夫婦、ドミニックとジャックリ
ーンの頭文字からとったそうですよ。

こちらのお店のパートナー・シェフは日本人のマサト・スズキ氏でシカゴ在住
30年以上のベテランです。「季節感のある料理をモットーにしています。」と
客の好みに合わせつつ、客より一歩進んだ新鮮な味を探求してくれる冒険心を
忘れない店です。20年このシカゴのレストランの乱立する中、生き残ってきた
んですから、これまた素敵なビストロですね。あなたの家の街角にもそんなお
店はありますか?映画の帰りは、ワインとエスカルゴで一杯、はしごしたいも
のです。
http://www.dj-bistro.com/

(イリノイ州シカゴ在住 カズコ・デイビス)

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● 海外レストランNEWS 韓国レストラン情報————————-■□

■ 韓国の居酒屋

立教大学経営学研究科博士課程後期専攻 李美花(イミハ)

ソウルでは最近は日本料理店が大人気です。市内の繁華街には数年前とは比較
にもならないくらい、日本語の看板が目立ちます。カレーライスやカツ丼、ラ
ーメンなど、日本料理を売り物とする店がますます増えてきているのです。特
に、日本の居酒屋をはじめ、2005年度ヒット業態の「おでんバー」など、手ご
ろな値段で軽くお酒を飲める日本風の業態が脚光を浴びています。日本式居酒
屋業態は、かつてのHOF(ホフと呼ぶビール中心のバー)やソジュ房(韓国焼
酎屋)専門店に飽きてきた若年層から新しいコンセプトの業態として高い支持
を得てきています。明洞、大学路、チョンダム洞など、市内のあちこちに店舗
が増えています。

日本式居酒屋のメニューは、カリフォルニアロール、天ぷら、焼き魚、おでん、
ジャガイモの煮もの、サラダ、丼、お茶漬け、ラーメンなど、日本の一般の家
庭で食べている料理で、簡単な食事やおつまみから宴会料理までその数およそ
100種類を超える店もあります。一品300円から5,000円まで、店のコンセプト
により多様な価格帯です。また、宴会メニューを出している高級居酒屋では、
久保田、八海山など、本格的な日本酒が楽しめます。

このような、日本式居酒屋に人気が出てきた原因は二つ考えられます。一つは
韓国人のライフスタイルの変化によって飲酒文化も変わりつつあることです。
かつて韓国人はレストランで食事を摂ってからバーに移ってお酒を飲む、とい
うように食事とお酒を明確に分けていました。ところが、今では日本のように
お酒を軽く飲みながら料理を楽しむ、コミュニケーションの場としての飲食店
のニーズが高まってきたのです。二つ目は、日本文化の全面的な開放に伴って
若年層を中心に日本式のレストランや居酒屋が人気を集めるようになってきた
ということです。自由に日本の雑誌や漫画などに接する機会が増えてくること
によって、日本の料理に対して興味を持つようになり、日本居酒屋が注目され
るようになったのでしょう。

「韓国で会う小さな日本」を実現する日本式居酒屋「勝負」
韓国に日本式居酒屋が開業するようになったのは、1990年代初めで、ソウル
「ドンブイチョンドン」(リトル東京とも呼ばれる)など、日本人が集まって
住んでいる町でした。最初は若者に人気でしたが、本格的な料理を提供してい
なかったので、間もなく若者たちからの支持を失ってしまったのです。その後
看板に「居酒屋」という名前だけを掲げていますが、中身はソジュ房(韓国焼
酎屋)と言うまがいものの業態が続々と登場しました。ところが、2~3年前か
ら、「日流」ブームといわれる本格的な日本式居酒屋の流行が始まったのです。

日本式居酒屋業界のリーダーは「勝負」というお店です。本場の日本式居酒屋
を追求する「勝負」は、1号店を2001年に開店しました。2003年6月からフラン
チャイズ展開を開始し、現在150号店(直営11店)を全国に展開しています。
既存の居酒屋とは完全に異なるコンセプトで差別化に成功した「勝負」の店舗
に入ってみると、日本に居るような気がするほど徹底的に和風にこだわってい
ます。「韓国で会う小さな日本」というコンセプトで、日本の食べ物や日本酒
を提供するだけではなく、日本文化を売るというマーケティング戦略です。

「勝負」の成功の秘訣は、接客サービスや内外装、料理などのソフトとハード
の両面で本格的な日本文化を楽しめるように仕立て上げたことだといえるでし
ょう。2007年度中には米国、日本、に進出を予定するなど積極的な展開です。
会社のHPは韓国語だけでなく、英語、日本語、中国語でも表示をするほど海外
進出を意識しています。本場の日本にどんなお店で上陸するか楽しみですね。

居酒屋「勝負」
本部 JS professional
633-3 hannam-dong, yongsan-gu、Seoul、Korea
電話 82-2-749-1114

「勝負」鐘路2号店
19-16,kwanchul-dong,chongro-gu,Seoul,Korea
電話 82-2-735-2341
営業時間 17時~翌5時
客単価 1万5,000ウオン(1,000ウオン=122.92円2007年8月28日レート)
http://www.shoubu.co.kr/  (日本語でも表示)

筆者略歴
韓国出身。
長安大学日本語科卒業
ソウル首都料理専門学院で和食と韓国料理の調理師資格取得。
草堂大学調理科学科にて外食経営を学び、卒業。
2004年4月に日本に留学し、立教大学ビジネスデザイン研究科(MBAコース)
入学。
2006年3月同校卒業。経営学修士。
2006年4月立教大学経営学研究科博士課程後期入学、米日韓におけるフランチ
ャイズ・システムをテーマに博士号取得を目指している。
その他、日本では「飲食店経営」執筆中、韓国では「外食経営」等に執筆し、
現在は韓国フランチャイズ雑誌Business & Franchiseに日本のフランチャイズ
企業動向を執筆中。
○筆者連絡先 jane0423@hanmail.net

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● 食ビジネスニュースリリース —————————-■□

「定番革新」第二弾キャンペーンで割引クーポンを展開

モスバーガーは、平成19年8月31日(金)~10月11日(木)の期間に実施する
「サウザン野菜バーガー」発売キャンペーンにあわせ、2度目となる商品割引
クーポンを期間限定で展開します。

「定番革新」の第二弾となる今回のキャンペーンでは、「モスバーガー」「テ
リヤキバーガー」と並ぶ人気定番商品の「フレッシュバーガー」のリニューア
ルを行い、8月31日(金)に「サウザン野菜バーガー」として新発売します。
また同時に、シーザーサラダ風のソースを使用した「シーザーサラダバーガー」
「シーザーサラダドッグ」も今回のキャンペーン期間限定で発売します。

今回のキャンペーンでは、店頭や新聞折込チラシで割引クーポンを配布すると
共に、当社ホームページ(パソコン版、携帯版共通 http://www.mos.co.jp )
上にキャンペーンサイトを設けます。パソコンでダウンロードしたクーポンを
印刷してご利用いただくほか、携帯画面にクーポンを表示して店舗で提示して
もご利用いただけます。携帯端末を利用した割引クーポンは、今回が初の試み
となります。

割引クーポンは、「サウザン野菜バーガー」「シーザーサラダバーガー」(各
300円/税込)、サラダ風ホットドッグ「シーザーサラダドッグ」(320円/税込)
など、セットメニューもあわせて計8種で、50円~100円引きとなります。

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● 王利彰のレストランチェック———————————–■□

■ アウトバックステーキハウス

Food104マガジンの今週号では9月7日にオーストラリアから世界一週中のジー
ン中園さんを迎えるお話をしたり、加藤先生のオーストラリア旅行記をご紹介
しました。私もオーストラリアが大好きですが、中々訪問する機会がありませ
ん。

そこで、ダウンアンダー(オーストラリアが南半球なので、北から見たら下の
裏側と言う意味で、オーストラリアを指します)をテーマにしているステーキ
ハウスの、アウトバックステーキハウスに食べに行くことにしました。アウト
バックは米国のステーキチェーンですが、肉はオーストラリアから調達してい
るのです。加藤先生のオーストラリアの肉の話で思わず食べたくなったのです。

比較的新しい渋谷店に行きました。大型の客席の半分以上は外人客です。私は
アウトバックが日本に開店する前に、当時のCEOだったシルバースタイン氏に
色々相談され、アトランタの国際部まで店舗を見に行ったことがあり、そのオ
ペレーションの素晴らしさに感激したことがあります。
その当時の会社の紹介は私のHPをご覧下さい。
https://www.sayko.co.jp/article/leisure/2001-11.html

アウトバックは創業者のサリバン氏が米国のトレンドを分析し、ステーキを選
定したのです。当時は人口の老齢化や新興産業育成のために、土地が安く気候
が温暖な南部に人口が移動していました。その関係で、南の食事に人気が出て
きたのです。それが、テックスメックス(テキサスとメキシコの料理)、カリ
ビアン(フロリダの海がカリブ海)、ニューオリンズのケイジャン、等です。

そこで、ステーキでもケイジャンのスパイシーな味をメインにすることにしま
した。ニューオリンズのピリカラのフライドチキンチェーンのポパイが経営し
ていたレストランのシェフをスカウトし、スパイシーなステーキの味を開発し
たのです。また、チェーン店と違い、セントラルキッチンを使わずに店舗で全
ての味付けを行うなどのフレーバーへのこだわりを徹底しました。

ある昼に店舗で見学をしていたら、従業員がスライスした角パンを買ってきま
した。ランチにするのかと思ったら、おもむろに電動スライサーで細かく切り
分け、低温のオーブンでじっくりと焼き上げます。そして、その間に裏のミキ
サーでバターとガーリックとスパイスを混ぜたソースを作り上げ、焼き上げて
狐色になったパンに塗りつけ、さらに焼き上げます。これが何とサラダに使う
クルトンなのです。オニオンスープも店舗で生の玉葱を丁寧に炒めて作るので
す。この出来立て感が米国人に受けてあっという間に米国一のステーキハウス
チェーンになったのです。

もう一つ面白い話が本社の所在地です。サリバン氏が創業に当たって本社の所
在地を決めるのに条件がありました氏は働き者ですから1年365日働くけれど、
仕事が終わったら毎日ゴルフが楽しめる場所が欲しいと要望したのです。その
結果フロリダのタンパに本社を構えたのです。タンパはカリブ海に面した温暖
で湖の点在するリゾート地です。カリブ海のキーウエスト島などに行く船がで
ています。沖合いでトローリングも楽しめます。一番有名なのはゴルフ場がた
くさんあり、1年中ゴルフを楽しめることでしょうね。タンパ空港はハブ空港
ではないので、米国各地や海外に行くのは不便なのですが、ぷら一ベートジェ
ットを駆使して出張すれば問題ないと決めたのです。

さて、そんなこだわりのアウトバックステーキハウスが日本に進出してから既
に7年が過ぎ、11店舗を展開しています。でも、同じ時期に進出を果たした韓
国では既に110店舗ほどの店舗を出しているのです。この違いは何でしょうか?
ご興味のある方は2007年7月25日号の韓国情報をご覧下さい。

さあ、お腹が減りましたね。まず、前菜とビールを頼みそれからメニューをじ
っくり検討を開始しました。今回は大食漢の3名(私を含めて)と訪問です。
前菜は、名物のブルーミング・オニオン(大きい丸ごとの玉葱に刻みをいれ1
晩水につけて膨らまし、バッターをつけて揚げたもの)ではなくタイフーン・
ブルーム(厳選された甘みのある玉ねぎを千切りにして、特製シーズニングと
衣でドーム型に揚げたもの)987円にしました。味は一緒です。

そして、手作りのオニオングラタンスープ420円、私の好きな一番大きなサイ
ズのプライムリブ(ローストビーフ)3,139円をミーディアムレアーで注文。
その他、フル・バーベキュー・リブ(アメリカスタイルの甘口のソース付)
2,194円、ロブスター(2匹)2,299円。その他ハウスサラダ262円、を注文し
ました。

注文の際に面白いメニューを発見しました。それはメイン料理に追加すると
格安の料理があるのです。ハーフ・バーベキュー・リブが525円、グリルロブス
ター1匹が682円、これはお得です。そこで、グリルロブスター3匹をやめ、2匹
にし追加で2匹を頼みました。さらにハーフ・バーベキュー・リブも注文です。
ひょっとするとパスタを頼んでこれらを頼んだほうが物凄くお得になりますよ。

ビールの後はロバートマンダビの赤3,675円を注文。そして、デザートにチョ
コレートパフェのサンダー630円、チーズケーキ630円を注文。合計で何と、
19,700円にもなりました。同伴者のよく食べること、あきれました。

さて、肝心のプライムリブですが、肉はオーストラリア産です。以前は結構柔
らかく、美味しかったのですが、今回の肉の硬いこと歯が立ちません。それに
引き換えリブはスモーカーと言う圧力式の調理器で焼き上げているので柔らか
くて美味しいですね。また、ロブスターも小型ですが結構いけますね。

韓国のアウトバックで食事をしたときに印象ですが、韓国の女性も肉をたらふ
く食べるし、牛肉もやや固めを好みます。韓国では米国や日本のように食事を
しながらあまりお酒を飲まないので、アウトバックはファミリーレストランと
して人気があります。それがあっという間に100店舗を超えた大きな理由です。

日本と韓国はよく似ていますが、食生活の基本的なところで違いがあるようで
す。また、以前シルバースタイン氏は、日本の若い人は元気もお金もない。で
も韓国人の若い人は元気でお金も持っていると述べていました。これが韓国で
アウトバックが大ヒットした大きな原因のようですね。

さて、皆さんがアウトバックに行くとしたら、パスタを注文して、コンボメニ
ューのバーベーべキュー・リブとグリル・ロブスターを注文することをお勧めし
ます。それから、行く前にたっぷりと運動してお腹を減らしてくださいね。さ
もないと翌日苦しいこと請け合いです。

店名:アウトバックステーキハウス渋谷店
住所:東京都渋谷区宇田川町34-1
電話:03-5459-7751

HP :
本国 http://www.outback.com/
日本 http://www.outbacksteakhouse.co.jp/
韓国 http://www.outback.co.kr/main/main.asp

筆者が2001年に執筆した紹介記事
https://www.sayko.co.jp/article/leisure/2001-11.html

ブログ
http://tokyo.gourmet.livedoor.com/restaurant/info/2727.html

従業員のブログ
http://kuchikomi.gnavi.co.jp/shop/diary/g587804/

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