weekly Food104 Magazine 2006年2月8日号

メルマガバックナンバー

● わいがや食楽研究会のご案内
● 米国レストランNEWS
● 赤石貴麻の酒蔵探訪記
● 食ビジネスニュースリリース
● 王利彰のレストランチェック
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■ 第9回目 王利彰の わいがや食楽研究会のご案内

今回のテーマは豚です。
前回は丼をテーマに試食会を開きました。
アンケートの結果、好評だったのは以下の順の丼です。

高菜そぼろまぶし丼
たたき長いも丼
こだわり豆腐丼
ヤムウンセん丼

丼も色々あるのだなと感心しました。

さて、今回はそろそろ牛肉を取り上げようと思いましたが、残念ながら
米国の雑な対応で振出に戻ってしまい、豚を代打に指名しました。

先日フリーデンの経営している銀座「やまと」に行きましたが、ビジネスマン
で満席です。すでに2号店を開店しています。その他の開店情報を見ても、豚
料理が多いのですね。牛がない現在、羊もありますが、羊は難しい食材で食肉
の主役にはならないでしょう。その点、癖のない豚肉であれば和食にでも仕立
て上げられますね。

スタッフを全国の豚肉料理店に派遣、どんな料理が流行っているかチェックさ
せました。その結果、出てきたのが以下の料理です。スタッフは牛肉ではなく
豚肉ならではのメニューということを念頭に、様々な部位を使うことを考え、
定番料理、郷土料理、名店の人気メニュー、をチェックし、わいがや風にアレ
ンジしました。

1.豚しゃぶと菜の花の辛子酢味噌和え
やわらかなしゃぶしゃぶ用の豚肉と季節の野菜をあわせた、春先にぴったり
の酢味噌和えです。

2.いなり焼き
栃尾のいなり揚げをイメージした一品。揚げの中身はお楽しみで・・・

3.豚ヒレ肉のサラダ
パサつきがちなヒレ肉をサラダ仕立てにしました。

4.豚バラ肉の梅酒煮
特に女性に人気の梅酒とにんにく風味の醤油で、豚バラ肉を煮込みました。
後味の爽やかさは、箸がついつい進みます。

5.ミルカツ
キムカツが有名にした、薄切り肉を何層にも重ねたジューシーなカツです。
中に挟む食材・タレで2種類のオリジナルカツをご用意しました。

6.ソーキ汁風
沖縄の郷土料理、ソーキ汁をイメージしました。
柔らかい豚バラ肉、昆布の旨みで一層美味しくなった秘伝のだしと大根の相
性抜群の一品です。

7.豚肉とアボガドのぺペロンチーノ
人気の食材アボガドとトントロを組み合わせました。ありそうでなかった組
み合わせです。

8.豚肉とセリのご飯
豚肉ならではの脂身の旨みを閉じ込めた、しっとりとした炊き込みご飯です。
仕上げのセリがポイントです。

9.あんかけ肉チャーハン
豚肉の細切り肉たっぷりのあんをかけたチャーハンは、豚肉の存在感たっぷ
りです。

10.つゆしゃぶ(2種)
お出汁で豚肉をしゃぶしゃぶする、京都では人気の鍋メニューです。
当日は、ベーシックなお出汁ともう一種・・・、2種類のお出汁で。

※8.の豚肉とセリのご飯は、
幻の帯広豚丼に変更するかもしれません。
帯広名物の豚丼!てりの良い、醤油ベースのたれは、食欲をそそること間違
いなしです。

11.まるごと梅酒ゼリー
梅をまるごと閉じ込めたゼリーです。
豚肉メニューのあとにぴったりの爽やかな一品です。

○日時:2月21日火曜日 15時から3時間程度
参加費:無料
場所:アイン食品東日本営業部テストキッチン
〒162-0846 東京都新宿区市ヶ谷左内町21番地 市谷左内坂ビル2F
TEL : 03-5228-7002

○地図は: http://www.ainfood.com/mp_higashi.html

○わいがや楽食研究会案内:http://www.mishoan.com/waigaya/

○参加資格 飲食店チェーンで調理開発を担当する方
食品関連小売店で調理開発を担当する方
これから飲食店や食品小売チェーンを作り上げる方
単独店でも大繁盛店に仕上げようという気概のある方
食品関係のマーケティングに従事する方
研究、広報活動などに従事している方。

○参加人数 場所が狭いため20名と限定させていただきます。
今回、参加できない方はお許しください。

○参加申込み わいがや研究会会長 王利彰 oh@sayko.co.jp まで
お申し込みください。
*お申し込みの際には、以下のフォームにご記入ください。

***********************************
氏名
企業名
職種
連絡先   電話
FAX
Mail
開催を知った媒体 food104マガジン or fsproメーリングリスト
***********************************

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● 米国レストランNEWS———————————————■□

■ シカゴ郊外食の風景―レストランの単価上がり気味傾向

シカゴでも一時ガソリン代が1ガロン3ドル以上になってしまい困ったなぁと思
っていましたが、ここのところ2ドル台に戻り落ち着いてほっとしていた矢先、
私がいつもガソリンを入れているCITGO(シトゴ)というガスステーションの
隣にあるダンキンドーナツに入ってびっくりしました。1ポンド$5.99だったコ
ーヒー豆がなんと2ドル上がって$7.99になっているではありませんか。安価な
割りに香り高いコーヒーなので日常愛飲しているのですが、これからはスーパ
ーにあるFolgers(フォルジャーズ)のコーヒーに変えないといけないかなと
思っているところです。とうとうダンキンのコーヒーもスターバックスを追随
してグルメ入りなのでしょうか。フレンドリーな価格であり続けて欲しいもの
です。ダンキンは日曜の朝、起き抜けのお父さんがシャワーも浴びずに野球帽
をひょいと被って出かけ、家で待っている子供たちにのために1ダースのドー
ナッツを小脇に抱えて帰るというイメージですからね。

Folgersは一缶$4.99と手ごろな価格ですが、やはり淹れたては香りが結構いい
ので、こちらのオフィスでは良くこのコーヒーが利用されています。スターバ
ックスの出現後スーパーにもいろいろなグルメコーヒーが並ぶようになりまし
たが、高いばかりでなかなか美味しい豆に出会えません。先日スーパーでコナ
コーヒーと袋に書いてあるものがあったので買って見ましたが、なぜかハワイ
で飲んだあのコナコーヒーとは程遠い味。変だなぁと思いハワイ出身日系人の
カフェのご主人に聞いて見たところ、「法律ではコナコーヒーが例えば1%だけ
しか入っていなくてもコナコーヒーと称していいんだよ、だから買う時ラベル
を良く見て買わないといけないよ。」と教えてもらって納得しました。全然違
った香りがした訳がわかり納得です。1%コナで他は99%違う豆が入っていたの
かもしれません。

賢い消費者になろうと思いつつ、珍しい物があると高くても買ってしまう私は
いいカモかもしれませんね。最近スーパーではスターバックス・ブランドの豆
は1ポンド$7.99で売っています。他のグルメコーヒーもそれに倣えでだいたい
値段を$7.99に合わせているようです。そんな訳でダンキン・ドーナッツも値
上げしたのかもしれませんが、ここのところ、コーヒーだけでなくレストラン
のメニューの単価も上がって来ているようです。主婦としては由々しきことで
す。

スーパー・ボールがこの日曜日の晩にありましたが流石に、スーパーボールが
あるんだからレストランは空いているだろうと軽く考えて出かけたところ、結
構席が詰まっているのには驚きました。後でハーフタイムはローリング・スト
ーンズだったと聞いて家でピザでも食べていれば良かったと後の祭りです。今
回ローリング・ストーンズを見損なってしまいましたが、3月にはシカゴにも
クィーン&ポール・ロジャースがやっと来てくれるので、楽しみです。因みに
こちらのチケットのお値段はまぁまぁの席で$123でした。

と言う事でスーパーボールの晩は、ほんと久しぶりにステーキハウスのOUTBACK
(アウトバック)に行って来ましたが、こちらもいつもオーダーしている8オ
ンスのプライム・リブが$12.99だったのが$15.79に跳ね上がっていてがっくり
しました。日本に牛肉出荷できないんだからダブっていて安くなりそうなもの
ですが、まだその効果は出てきていないようです。牛肉もUSDAチョイスやアン
ガスビーフは高いのです。美味しくて質のいい肉は高級ステーキハウスに流れ
てしまうらしくて、牛肉の集散地シカゴと言えども一般の消費者にはいい肉が
回って来ません。新鮮で良質の肉を手に入れたければ産地であるお隣の州、ウ
イスコンシンやミシガン州まで遠出をしないといけないようです。傷みやすい
ひき肉などは産地では特に新鮮なのを安価で買う事が出来ます。

ここでアウトバックの新メニューをちょっとご紹介しましょう。お洒落なステ
ーキハウスWildfire(ワイルドファイヤー)でも見かけた最近人気のステーキ
のスタイル、ヒレ肉の上にホースラディッシュやブルーチーズにパン粉をかけ
て焼き上げたもの、アアウトバックでは Victorian’s “Crowned”Filet という
名前が付けられています。西洋わさびと言えばローストビーフと一緒に食べる
くらいでしたが、最近ではステーキと一緒に食べるようです。西洋わさびと山
椒に目の無い私としては嬉しい傾向。山椒を振ったテリヤキソースで食べるス
テーキなんかどうでしょうか、うな重みたいに御飯を下に敷いてもいいし、甘
いたれと御飯、アメリカの人たち好きですからね。よくこちらの寿司屋でうな
ぎのたれを白い御飯にかけて美味しそうに食べている人を見かけます。
http://www.outback.com
http://www.wildfirerestaurant.com

(イリノイ州シカゴ在住 カズコ・デイビス)

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● 赤石貴麻の酒蔵探訪記~日本の酒~——————————■□

■ 「蔵祭り」消費者に密着した蔵元。(千葉県・鍋店株式会社)

「ん!旨いっ」しっかりとしてまろやかな旨味が広がった。「火入れ前の普通
酒です」といって高田工場長が利き猪口に入ったお酒をくださった。「これで
アルコール度数が21度位です。これから加水して15度まで下げていきますから
しっかりした味わいのものを造らないと、薄まった味に仕上がってしまうんで
す」。

関東灘と呼ばれ、昔は利根川の水運の便のよさから、多くの造り酒屋が蔵を構
えた千葉県・神崎町にある「鍋店株式会社 神崎酒造蔵」を訪ねた。
大塚専務に当蔵の歴史について伺った。「創業は江戸時代・元禄2年(1689)、
300年以上になります。成田山新勝寺のお膝元に蔵を構えたのが始まりです。
明治時代には成田の本蔵と、兵庫・灘、千葉・印西とここ神崎の3つの出蔵の
4蔵での酒造りをしておりました。昭和になり戦時中の企業統制令や、原料と
なる米が配給制となり、蔵を統一せざるを得なくなり、本蔵では敷地が狭い
ということなどから、昭和18年、蔵を神崎出蔵に統一致しました」。

現在は、この神崎酒造蔵で酒造りを、そして、成田蔵の面影を残す新勝寺門前
の伝心館では、商品の試飲・販売、また酒饅頭の製造販売を開始。日本酒ファ
ンだけでなく、連日多くの観光客で賑わっている。しかし、この周辺にも8軒
あったという酒蔵は現在はわずか2軒。

「昭和40年代をピークに清酒は年々減少しています。昔はよくあった仕事帰り
の一杯。いい点も悪い点もありましたが、コミュニケーションをはかることで
お互いの考え方の違いを知るいい機会にもなってましたし、そこには、おがつ
きものだったが、その機会も少なくなった。又、高度成長によってアメリカナ
イズされた生活習慣に変化し、それに伴い、食文化も変化し、外食中心の濃い
味つけの食品が多くなった。こういう食品にあう飲料というのは、酸が強いも
の、いわゆる炭酸系のものになってしまうんです」。

多様化した現代の食生活の中でも、受け入れられる日本酒、これまでの印象を
変えてしまうような日本酒も多くみられるようになってきた。そして、日本酒
と消費者の交流の場として、当蔵では、毎年、大吟醸の仕込みが終わる2月に
「蔵祭り」を開催している。(本年は19日(日)に開催)。

「しぼりたてや熟成酒、日本酒ってこんなにいろんなタイプがあるんだと知っ
て頂きたい。また、蔵を開放しますので、こういう作業を経て清酒が造られる
というのを実際にご覧頂いて日本の食文化の中の伝統産業である日本酒を多く
の方に飲んでいただければと思います」。

昨年の来場者はなんと3,000人。年々「今年はいつ開催するの?」と問合せが
増えているという。100名ずつ、貸し出される白衣を着て、蔵へ入るとき、ち
ょっと蔵人気分を味わえるかもしれない。

搾りたての大吟醸の限定販売をはじめ、各種イベントや屋台が出店。また最寄
り駅からは無料のマイクロバスが送迎。老若男女を問わず、日本酒の世界を気
軽に楽しみ親しむには絶好の機会になりそう。(詳細下記)

蔵祭りで搾られる大吟醸の仕込みを終えたばかりとう蔵内を一足先に拝見させ
て頂いた。大吟醸のもろみはピチプチと音をたて、これが生き物だということ
を改めて感じさせる。仕込んだ日が一日違うだけで、香りが全く違い、ほのか
に甘い香りがするタンクから、ちょっと鼻をつくにおいまでさまざま。これか
ら日毎、バナナのような香りに変わってくるという。

また、大型のタンクはちょうど、開口部の部分が床にはめ込まれているように
なっていて、床に寝転がるとタンクに頭をいれらるような感じになっていた。
「ちょっと頭をいれてにおいを嗅いでみてください」。発酵のプチプチが終わ
りかけているもろみのはいったタンクの匂いを思いっきり嗅いでみた。炭酸飲
料が鼻にぬける、あの時のツーン感が鼻をついた。よくタンク内におちるとガ
スで死んでしまうと聞くが、それがよくわかる。「これはまだ序の口ですよ」
とお二人は言ったが、私はこれだけで十分わかる気がした。(蔵祭りではこの
体験はありませんのでご了承ください)。

さて、当蔵の酒造りは平成9年度から社員での酒造りをされている。「昔から
酒造り寒造りが良いとされてきたのは、発酵管理の面で良いということ、そし
て冬場、雪で作業ができない農家さんが出稼ぎで酒造りに従事できるというこ
とがあります。当蔵も昔は杜氏・蔵人合わせて25名程が蔵にきて酒造りをして
おりましたが、跡取りがなく、高齢化が進み、人数も揃わなくなるようになり
ました」。

そこで、社員での酒造りへと向かっていった。
「伝統産業の歴史は自分達で支えていかなくてはならない。そのためには蔵が
技術力を持ち、安定した酒造りをしなくてはならないと。しかし、当初は、や
はりいい酒造りができるか不安がありました。でも、基本を忠実に守り、決し
て手を抜かなければ、微生物も反応してくれるだろうという一念でした」。

機械化は最低限にとどめ、手作りが基本。現在、年間5000石を高田工場長を中
心に、20代の蔵人8名(通常時)が酒造りに従事している。また、安定した酒
造りのため、きちっとしたデータを取り分析、数値化し記録に残し、試行錯誤
をくりかえし、現在ではかなりの量のデータが蓄積され、香りのあるしっかり
とした味わいの酒造りに生かされているそうです。

しかし、若手の蔵人さんが多い。なぜ。実はほとんどの蔵人が、鍋店ホームペ
ージの社員募集からの採用だという。「女性の方も面接にこられますよ。ただ
面接の最後には必ず『本当に長続きできる?』と確認するんです。酒造りにど
れだけ興味があるか、そして探究心。それらを継続的にやっていける持続力を
もった人間であるかということが大事です。最初5年で基礎知識を身につけ、
理論と現実の違いを勉強し、実践でいかに応用できるかによって、その先伸び
るか伸びないかに結びついてきます。あとは我慢強さと体力ですね」。

話の中で、現代の食の乱れが話題にあがった。「今のままではいけない」と熱
く語るお二人の顔は、父親の顔になっていた。蔵人の話をする時、そして、蔵
内の酒母やもろみをみつめる時の顔も、同じ顔になっていた。子を心配し成長
を見守るのと同じように大事に育んでいるのが伝わってきた。

○本日お薦めの酒
「人は仁徳と勇気をもって生きるべし」という家訓から名づけられた「仁勇」
3品をご紹介。

○「仁勇 純米吟醸」
濃醇の中にも酸味の調和が素晴らしい旨口の純米吟醸。冷やでもぬる燗でもお
勧め。
原料米:山田錦・豊錦 精米歩合:55% 日本酒度:0~+2 酸度:1.3~1.4
アルコール度数:15~16度

○「仁勇 山廃純米 天恵(てんけい)」
酸味の利いた味わいで、ボディーのしっかりした辛口。
原料米:美山錦 精米歩合:65% 日本酒度:+3~+6 酸度:1.6~1.8
アルコール度数:15~16度

○「仁勇 吟醸辛口 ぎんから」
東京国税局管内の蔵元が設立した「銘酒開発協同組合」の統一銘柄の吟醸辛口。
東京ディズニーシー内和食レストラン「さくら」でも提供されている。
原料米:美山錦 精米歩合:55% 日本酒度:+5 酸度:1.4
アルコール度数:15~16度

「日本酒はこういう飲み方をしなくてはという決まりはないですし、量を多く
飲まれなくてもいいんです。しぼりたてをオンザロックとか、いろいろ試して
自分に合った飲み方で、いろんな機会に飲んでいただければ」と大塚専務。

○「第8回 仁勇 蔵祭り」
開催日時:2006年2月19日(日)9:00~15:30 雨天決行
入場無料・仁勇ブランドの試飲・きき酒大会・蔵内見学・限定酒販売・各種屋
台・子供ゲームコーナーなどイベント盛りだくさん。
JR下総神崎駅~神崎酒造蔵までシャトルバス運行。140台臨時駐車場も完備
(徒歩3分)

○「蔵祭りについてのお問合せ」
TEL: 0476-22-2662(月~土 9:00~18:00 日・祭日除く)
E-Mail: info@nabedana.co.jp

※当日お車を運転される方のきき酒はご遠慮ください。
公共の交通機関をご利用頂きます様お願い致します。
※蔵内見学は混雑が予想され、時間帯によってはお待ち頂くこともございます
のでご了承ください。

○お問い合わせ先
鍋店(なべだな)株式会社
本店 千葉県成田市本町338
TEL:0476-22-1455
本店営業部
TEL: 0476-22-2662
FAX: 0476-22-3374
伝心館
TEL: 0476-22-2847
FAX: 0476-22-2664
神崎酒造蔵 千葉県香取郡神崎町神崎本宿1916
TEL: 0478-72-2255
FAX: 0478-72-2833

○HP: http://www.nabedana.co.jp/index.htm

○著者撮影の写真
http://photos.yahoo.co.jp/ph/tafdmail5/slideshow?&.dir=/7514&.src=ph&.view=t

○食文化研究家 赤石貴麻(あかいし・たかお)
E-Mail:tafdmail5@yahoo.co.jp

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● 食ビジネスニュースリリース —————————-■□

■ 新ガイドサイト「All About スパイス&ハーブ」開設

株式会社オールアバウトは、2006年2月1日より、専門家がガイドする総合情報
サイト「All About」内において、エスビー食品株式会社と共同で、20~30代
の主婦をメインターゲットに、「スパイスとハーブ」を使った料理や生活を楽
しむヒントを提供するガイドサイト「All About スパイス&ハーブ」を、下記
の通り開設しました。

スパイスやハーブを、家庭料理や日常生活で気軽に利用できるように、スパイ
ス、ハーブを使ったレシピや、日常生活での利用方法を提案・解説するガイド
サイトです。「花粉症に役立つハーブティー」などの便利情報や、「媚薬スパ
イスのレシピ」まで、普段あまりスパイスやハーブを意識して使っていない人
にも、わかりやすくお届けします。

○URL http://allabout.co.jp/gourmet/spice/

■ 「冷凍食品」に関する記事

(株)光琳は、雑誌「食品工業」3月15号(2月15日全国一斉発売)の特集で、
「冷凍食品」に関する記事を掲載し、全国一斉国発売する。(1,529円)

○特集:冷凍食品のマーケティングと冷凍・加工技術の進展
冷凍食品の生産・消費動向
冷凍食品メーカーの動向と展望
冷凍品質プロジェクトの成果と今後の課題
日中冷凍野菜品質安全会議の開催と中国産冷凍野菜の安全確保
冷凍技術者として過去50年間の経験
現場視点からの冷凍食品の衛生品質管理
電子レンジにおける新熱源スチームの登場と食品加熱に与える効果

○関連HP: http://www.korinbook.com/ko.htm

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● 王利彰のレストランチェック———————————–■□

■ マクドナルド50周年を記念の調理機器技術50年史 その8

店舗のフライドチキン調理技術開発

工場での加工技術の開発と同時に店舗での調理技術の開発も行わなくてはいけ
ませんでした。最初はK社と同様に店舗で生の鳥から調理をしていたのですが
先週号でお話したように、工場で集中加工することにしたのです。工場で一度
加熱処理をした鳥を再加熱するわけですから、店舗では温めるだけでよいわけ
です。しかし、再加熱はHACCP(高度な衛生管理の手法)の観点から考えると
中心温度を75℃まで再加熱しなくてはいけません。工場で完全に加熱し骨内部
の髄液を固めるので低温加熱の手法でも肉が硬くなる危険があります。

肉が硬くなるというのは水分含有量が減少することです。水分含有量が減少す
るのは肉が硬くなるだけでなく歩留まりが悪くなることでもあるのです。工場
加工の場合にはサーモンを作るインジェクション加工技術で水分を補うことが
できるのですが、店舗で再加熱する場合には水分を補うことができず、如何に
水分減少を少なくするかという技術が必要になるわけです。グリルやフライ等
の通常の加熱方式では加熱前に比べると30%ほどの水分が失われます。それを
ほとんど重量が減少しない方式を開発しなければいけないという難しい課題で
す。

さて、ステップバイステップであらゆる調理法を検討してみました。

<1>フライヤー
工場で一次加工したフライドチキンを店舗で再加熱する手法を解決する必要が
ありました。一番簡単なのはフライヤーで再度揚げる事であるが、せっかく圧
力釜で揚げた柔らかい衣が硬くなってしまうし、冷凍からでは時間もかかり、
油っぽくなってしまうという問題があり断念しました。その後、東南アジアで
は比較的クリスピーなフライドチキンが好まれており、工場でスパイラル蒸気
加熱をしたフライドチキンを冷凍後、店舗で適温まで再加熱し、提供するとき
に短時間フライするという方式を導入しています。

<2>電子レンジ
次にひらめいたのが家庭で解凍調理に使われている電子レンジです。家庭用よ
りも大型のマグネトロンを採用した業務用でテストをしましたが、数が少ない
と早いのですが、大量に加熱しようとすると時間がかかるという問題が発生し
ました。さらに、フライドチキンは部位により肉厚が異なるので、同じ時間で
加熱すると薄い部分の肉に火が入りすぎ堅くなってしまうという品質上の問題
点もでてきました。また、加熱に使うマグネトロンは電球のように消耗し、だ
んだん加熱時間が長くなるという欠点もあり、断念することにしたのです。

<3>電子レンジと熱風加熱
電子レンジだけだと加熱時間と量の問題があるので、熱風加熱を付け加えるこ
とを検討しました。このプロジェクトに取りかかる前にピザの販売計画を検討
し、色々なオーブンを検討しており、ピザ用のインピンジメントオーブンと電
子レンジを組み合わせることを検討しておりました。早速それで調理を行った
が、ピザでは絶大な調理能力を誇るインピンジメント加熱も骨付きの冷凍フラ
イドチキンを加熱することは難しかったのです。

<4>電子レンジと熱風加熱と蒸気
そこで上記の組み合わせに蒸気を組み合わせた物を計画しました。蒸気と電子
レンジ、温風加熱の3つを組み合わせした調理機器です。特許をとったシステ
ムでしたがうまく動かなかったのです。電子レンジはマグネトロンが出す電磁
波で食品の細胞中にある水分を振動させ、細胞同士の摩擦熱で過熱する仕組み
です。マグネトロンは水分に働く作用が強いのです。蒸気を組み合わせた場合
は食品ではなく、蒸気そのものに働いてしまい効果がなかったのです。この機
械の開発は大手家電メーカー数社と共同でおこないました。最近、家庭用に蒸
気と電子レンジを組みあせたオーブンが販売されていますが、実はこのころか
ら家電メーカーでは研究をしていたのです。当時は、あまりに複雑すぎるので
開発に大幅な時間がかかるし、開発費の点からも断念をせざるを得ませんでし
た。

<5>エアーインピンジメントコンベアーオーブン
ピザの宅配チェーンを成功させたエアーインピジメントオーブンを検討するこ
とにしました。当時K社はバーベキューチキンのテスト店で使用しており、そ
れをヒントに実験を開始したのです。

当時の米国マクドナルド社はピザのテスト販売を行っており、エアーインピン
ジメントオーブンの開発も行っていました。米国では床面積の制約の問題とコ
ンベアー方式を嫌い、多段式バッチ・エアーインピンジメントタイプを、世界
最大フライヤーメーカーの兄弟会社のガーランド社に開発をさせました。ピザ
の開発でそのオーブンを見ていたので早速テストすることにしました。

両社の親会社であるウエルビルト社(現在は英国系の投資会社エノディスに買
収されました)は研究所をフロリダのタンパに持っており、急遽タンパまで飛
んでテストを開始したのです。研究所を訪問して驚きました。プロのシェフを
雇っており、数人で当方の注文するピザからフライドチキンまでその場で製造
し、急速冷凍してくれます。そして、あらゆるオーブンを設置しそれらの比較
テストをしたのです。このテストキッチンで世界中のオーブンをテストしヒン
トを得ることができました。

ウエルビルト社は世界中の調理技術をモニターリングしており、日本の調理機
器も並んでいたし、後に日本の調理機器メーカーが面白い自動調理機器を開発
したと情報を流したら、担当役員がすぐに飛行機に飛び乗って日本を訪問した
ほど新型の調理機器の開発に熱心でした。日本の調理機器メーカーとは桁の異
なる開発経費と努力に驚かされたのでした。

しかしエアーインピジンメントオーブンはガス燃焼を直接庫内に入れるので、
せっかく固まり色が赤くなくなった鳥の髄液が燃焼ガス中の一酸化炭素により
還元され、まるで生の肉のような鮮やかな血の色がでてしまうという欠点があ
り採用できませんでした。また、温風だけで調理するので表面が堅くなるとい
う品質上の問題点も持っていたのです。

<6>コンベアーオーブンと蒸気の組み合わせ
コンベアーオーブンで加熱調理する際に蒸気を加えれば、表面の仕上がりは柔
らかくなるし、調理時間も短くなるのではないかと、エアーインピンジメント
オーブンに蒸気発生器を取り付けてテストしました。確かに仕上がりは柔らか
くはなるのですが、オープンな構造のため蒸気は逃げしまい、調理時間を短縮
することはできないので断念しました。しかし、その際の技術開発はエアーイ
ンピンジメントオーブンの商品開発に生かされ、最近ではほとんどのメーカー
が蒸気発生器をオプションとして発売をしています。

<7>スチームコンベクションオーブン(以下、SCOと省略)
というような苦労の連続でぶつかったのが、当時フランス料理店などで使用さ
れていたSCOでした。SCOは蒸気潜熱の持つ大量の熱量を使用し冷凍食材を乾燥
させることなく、急速に加熱させると言うことに気がついたのです。その際に
運がよいことには、零戦のように耐久力はないが性能の良いイタリアのSCOに
ぶち当たったということでした。

そして、その性能チェックを行うために米国本社のテストキッチンにそれらの
オーブンを並べ検証実験を開始しました。その結果、一定の可能性を見いだし
日本で開発を急ぐことにしたのです。当初はイタリア製のレストラン仕様のSC
Oを採用しました。しかし、車でいえばフェラーリのように性能はぴか一なの
ですが、コントロールボードがすぐ壊れたり、ドアーのラッチがファストフー
ドの使用頻度の高さに耐えかねてがたがたになるなどの問題が生じました。そ
こでやむなく、耐久力の高い米国製のSCOを採用することにしました。丁度カ
ナダの大型ドーム球場の店舗でホットドッグとピザを焼いている時にこのSCO
を発見したのです。この偶然見つけたSCOですが、2段重ねができるなど狭い日
本の店舗にも向いていることを発見しました。

米国機器メーカーでも実験し成績が良かったので、採用を決定し発注をしたの
ですが、それからが地獄でした。日本で設置し実験室でテストを開始したので
すが、採用決定時には少量の冷凍フライドチキンしかテストしなかったのです
が、店舗の最大売り上げを想定したフルロードをかけると、内部温度にばらつ
きがでるのを発見したのです。従来のイタリア製のSCOは問題ないのにこの米
国製は温度が上がらないのです。既に発注をした後で、キャンセルはできませ
ん。それから毎晩夜中になると米国メーカーの技術者と電話でうち合わせ、昼
はその検証に当たりました。そして、やっとわかったのは蒸気量が不足してい
ると言うことでした。

通常SCOは高温で蒸気を入れて調理するコンビネーションモードの状態では蒸
気量を通常の1/5ほどに低下させます。元々SCOはフランス料理などの生の食材
を美味しく食べるために開発された物であり、蒸気を沢山入れて高速に調理を
しようという考え方はなかったのです。そのためスチームモードで蒸し物を調
理する場合にはフル蒸気量になるが、高温の温風と蒸気を併用するコンビネー
ションモードでは1/5ほどの蒸気しか入れていません。それは調理法の問題で
もあるのですが、温風と蒸気を同時に大量に発生させると、当初の電気式のSC
Oでは大容量の電気を必要とし、限られた電力の厨房では対応できなかったと
いう理由もあるのです。

しかし、今回は冷凍食品を使うために大量の蒸気が必要で、電気タイプではな
くガスタイプを採用し、電気容量を無視して大量のスチームがでるように改良
する必要がありました。そこで蒸気量をコントロールするROMのプログラムを
書き換えることにしてその仕様を急遽作成しました。もちろん、蒸気が大量に
でると無駄なエネルギーを消耗するので、特殊なソフトを考案し、蒸気が無駄
にならないようにしなくてはならず、数週間寝ないでその論理を組み立てたの
です。その結果は次回の<SCO仕様書>に凝縮されています。ご期待ください。

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