統括svとしての売上増大はSVを通して効率的に行う

統括SVの仕事はボクサーと同じだ。ボクサーは強烈なパンチと言う攻撃的な武器を持っているだけではチャンピオンになれない。幾ら相手を攻撃しポイントを稼いでも,最終ラウンドで相手にノックアウトされたら敗北だ。優秀なボクサーは攻撃だけ出なくディフェンスと言う守りも上手なのだ。ディフェンスが下手なボクサーは敗北しやすいだけでなく、ダメージが蓄積しボクサー寿命も短いのだ。統括svにとっての攻撃は売上を伸ばすことであり、守りは利益の確保だ。統括SVの最大の仕事は売上予算を達成し、最大限の利益を上げることだ。それゆえに統括SVエリアをプロフィットセンターとよばれている。

SVまでは店舗のQSCを最大限に保つことが要求されているが,統括SVにとっては目標売上と利益を達成することを厳しく要求される。そのために人物金を最大限に活用しQSCを高く保つのであって、QSCそのものが目標ではないのだ。

さて,目標利益を確保するには売上を確保しなくてはいけない。以前損益計算書と損益分岐点の説明をした。例えば現在1000万円の月商があるときの利益が10%だとする。そうすると利益額は100万円だ。1100万円になると利益率は同じ10%で110万円の利益になると思いがちだ。損益分岐点を超えて売上が伸びる際には売上から売上に比例して経費がかかる変動費だけが差し引かなくてはならない経費だ。家賃、原価償却費、社員人件費、金利、等の固定費は売上が増えても増加しない。固定費は企業,業種により異なるが、一般的に25-35%だ。そうすると売上増大分の利益増加分は増加売上に対して30%以上の比率となる。つまり売上が伸びると加速的に利益が増えると言うことだ。

逆に利益率が10%の時の売上を下回ると利益率は10%以下に急速に低減する。前年比の利益確保を考えると前年の売上を下回っては行けないことがわかるだろう。

さて,売上を伸ばすと言う際に考えやすいのは新店舗の開店だろう。新店舗をどんどん開店することが売上を急速に伸ばすポイントとなる。当時のマクドナルドは積極的な広告宣伝を武器に急速に新店舗を開店していたった。しかし,新店舗の開店にあたっては開店経費がかかり、初年度は赤字がほとんどだ。つまり新店舗を開店すると売上は伸びるが利益面ではマイナスだ。その利益を確保するのが既存店舗の役割だ。損益分岐点の考え方で言えば既存店舗の売上が前年よりも上回れば利益率は大幅に向上するので、既存店舗の売上増大と言うのが最大の利益の確保になる。しかし、売上の高い店舗などでは客席数やカウンター数、調理能力の限界から売上の上昇が望めなくなったりする。老朽化した店舗の周囲に競合のきれいな店舗がよりよい場所に開店すれば売上が急速に悪化する。マクドナルドではQSCにより売上が上がるというが、実際のところハード的な設備や店舗の状況が競合と同じかそれ以上優れていないといけないのは当たり前のことだ。 皆さんの周囲のマクドナルドを見てみよう。20年以上も経ったマクドナルドの場合でも,店舗は新店舗と見間違うばかりだ。店舗の手入れがよいだけではない。改装を定期的に行って常に最新のイメージを保つようにしているからだ。

単に店舗を改装して最新のイメージを保つことだけが、売上を常に伸ばす秘訣ではない。店舗の改装の際に店舗の同時に売上能力に直結する、客席の増大や調理能力の増強を図っているのだ。

ある東京の郊外商店街で20年以上経過したマクドナルドと競合店を観察した。開店当初はマクドナルド30席、競合40席と競合の方が若干広く,売上は互角であった。その後マクドナルドは3回の店舗改装を繰り返し、現在では3階まで客席を広げ、200席の客席を持つ最新のイメージの店舗に生まれ変わっている。競合は改装こそしているが、客席の増床と言う積極的な戦略を取らないで相変わらず40席くらいだ。勿論,客席のレイアウトなど工夫は凝らしているが絶対値の客席数では大きく見劣りする。それだけでなく,周囲には競合が数多く出現し、いつのまにか一番客席数の少ない店舗となってしまった。売上が低迷するのは止むを得ないだろう。

この20年以上経過した店舗でも改装、増床を繰り返し、常に地域一番店の位置を確保するのは統括svの仕事だ。しかし、創業の当時から改装を計画的に積極的に行っていたわけではない。経験的に積み上げてきたノウハウだ。

筆者が担当していた店舗で店舗番号一桁の創業時の店舗があった。東京と横浜の間にあるJR駅前の百貨店の駅前にあった。開店当初は客席30席足らずの小さな店だった。開店当初は知名度と立地のためか売上は不振で600万円も行かないという状態だった。しかし歴代の店長,SVの努力で徐々に売上が向上し、1800万円前後まで伸びていたが、客席のキャパシティに限界があり売上は伸び悩んでいた。

当時のマクドナルドは銀座店のころはファッショナブルな立ち食いで、客席は要らないように思われていたが、この店舗のように住宅街に近い店舗では日曜日の売上が平日の3-4倍も高く、ファミリー客であふれていた。ファミリー客は隣の百貨店で買い物をした後に子供連れてマクドナルドのくる。しかし、小さい子供を抱えており、客席がないと帰ってしまう。せっかくのビジネスチャンスを逃しているわけだ。

しかも店舗は10年以上経過し老朽化していた。マクドナルドの当初の店舗は短期間で建設をしていたために,店舗厨房の防水や配管、空調設備の能力や耐久力が不足し、5年も経つとがたがたの状態となる。この店も地下への水漏れや空調の冷却能力不足などで,働きにくく、客にとっても快適とはとても言いがたい老朽店舗となっていた。店舗の自己診断を行わなくても改装が必要なことは明らかだった。歴代の統括SVも改装の計画は立てるのだが、同じ面積で改装しても売上が上がらないことは明らかであり、改装まで積極的にこぎつけることは無かった。店舗のQSCの診断であるコンサルテーションリポートの結果は何時も最悪だ。店長が悪いのではなく、店舗の老朽化が大きな原因なのは明らかだった。担当のSVはなり立ての経験の無いsvトレーニーであり是非改造してほしいと筆者に懇願していた。

あるとき再度SVTと改装をどうしようかと打ち合わせをすることにした。事務所のスペースも無いので店舗隣の喫茶店で行うことにした。コーヒーを飲みながらふと壁を見てみると、従業員募集と言う古ぼけた張り紙がしてある。店が忙しいわけではないのに何故従業員の募集をしているのかと疑問に思い、SVTに調べるように頼んだ。しばらくして判明したのが、経営者が喫茶店をほとんど省みらず、マージャンに凝り、喫茶店経営に興味を失っていると言うことだった。隣の喫茶店はマクドナルド店舗と同じ位の面積があり、両方足すと70坪くらいになる。そうすると客席を120席ほど作ることが可能になり、一気に3倍のキャパシティになる。そこでだめもとでSVTに交渉をさせると,可能性があると言う返事だった。そこで店舗の譲渡を交渉し、譲渡権利と言うことで2000万円と言う額でその店舗を入手することにした。勿論、上司の運営部長や経営トップの判断を仰いだのだが、何しろ譲渡権利などと言うのは前例がないので、説得するのは大変だった。客席増加による平日土日の売上を算出し、改造した場合としない場合の損益計算書を作り、やっと説得に成功した。

さて、店舗を新築同様に改造し、キッチンをまっさらにして、客席を増加するだけ売上が上がるかと言うとちょっと心配だった。当時、筆者は店舗標準化のプロジェクトのメンバーだったからそのノウハウをふんだんに使うことにした。まず効率的な客席のレイアウトを達成するために、詳細なレイアウトを構築した。また、せっかくの大型店だからデザインも優れた物にしたいということで、米国の建築デザイン会社を使い、椅子テーブル、内装も米国から輸入することにした。内装、外観も最新の米国のデザインを導入したのだった。ここまでこると失敗をすれば大変なことになると冷や冷やの改造であった。

周囲もそんなに金をつぎ込んでと懐疑的に見ていたが、結果はOKだった。当初は2000万円前後の売上だったがだんだん上昇し、一番良いときには4000万円と言う売上まで上昇した。600万円が4000万円だから、約7倍の売上の伸びだ。マクドナルドが売り上げで日本最大の外食になったのは,新店舗を積極的に開店するだけでなく、既存店も積極的に改装し,常に競合に対し優位な立場に立てるように努力しているからだと言うことを見逃してはいけないだろう。

「店舗改造計画ガイド」

筆者が統括SVから部長に昇進するころはマクドナルド既存店の売上増大は日本だけでなく世界的な傾向であり、世界のマクドナルドで改造計画を進めるようになっていた。しかし、素人の統括SVが勝手に改造計画を行えば成功だけでなく、失敗する例も多くなる恐れがあった。そこで数多くの改造の経験からどんな店舗が改装が必要で、どの部分が老朽化し、どの部分を強化すれば売り上げが上がるかという自己診断をできるようなトレーニング計画を進めるようにした。そこで既存の店舗の改善計画をたてるのに使う店舗改造計画ガイドが作られ,世界のマクドナルドで使用されるようになった。勿論、このガイドに含まれている内容の多くは、新店舗計画にも応用できるようになっており、統括SVが新店舗の計画にも積極的に参加できるわけだ。
ガイドの要点を紹介しよう。

ガイドは6項目で構成されている。

外装状態
内装状態
調理能力
客席能力
設備能力
調査手法
各項目毎に、やるべきこととやっては行けないことを明確に述べてあるので、経験がない店長、SVでも計面をたてる際にわかりやすいガイドブックとなる。

このガイドは店舗で現状の問題点を自ら分析し、何をしなければならないかを明確にしてから、専門化の設計管理部や店舗開発部、財務部と効率良く打ち合わせを行えるようにしたものである。

設計管理や店舗開発部、財務部は専門家集団であり、数多くの仕事を抱えているので、短時間で問題点を明確に説明し、解決方法を的確に出してくれるようにする必要があるわけだ。普段より設計管理部や店舗開発部、財務部と密接に連絡をとり、より良いコミュニケーションを作っておくと計画のプロセスとプランニングがスムーズに運ぶのだ。

また改造計画を進める前に必要なのは店舗を所有している不動産オーナーの了承を得ることだ。改造により休業を生じたり、店舗面積や設備の変更がある場合には店舗の契約条件を変更したり、家賃比率やオーナー負担の設備費が発生することがあり、事前に検討後,了承をもらっておかなければいけない。

店舗の契約の残存期間が少ない場合には、改造後,そのコストを回収できる十分な営業年数の契約更改ができることを確認しておかないと、高価な投資が無駄になってしまうからだ。

店舗契約に関する権限(契約期間、条件等)は店舗開発部が持っているが、新店舗と違い既存店の改造は店舗で事前に交渉し、店舗開発部は基本的に内容のチェックと監査を行うようにしないとなかなか旧店舗の改造,改善がスムーズにいかない。

店舗改造を希望する場合に関係各部との連絡をスムーズにするために客観的で誰にもわかる書類を定型化し、その処理方法も決めなくては行けない

1)事前提出書類は以下の内容を店長とSVが作成し、統括SVの了承を受ける。統括SVは自分の抱えている店舗の売上と予算、改造予算、売上達成状況、店舗QSCを、客観的に分析し,改造の優先順位を決定する。それを元に、部長、本部長、関係各部の了承を得る。

提出書類は以下の通りとなる

店舗現状の写真
チェックリスト
改造計画のまとめ
店舗追加投資額とそれによる損益見積もり
現店舗レイアウト図面
店舗契約書、オーナー合意内容
「店舗改装に必要な知識」

上記の提出書類を作成するためには,店舗建設上の経費見積もり、投資金額の適否判断、店舗オーナーとの交渉に必要な法律知識、など専門的な知識が必要になる。そこで、このガイドでは店舗改造にあたって必要な専門知識も学べるようい詳細に述べてある。
外装項目
店舗外装
店舗外部照明
看板の視認性
植木
ドライブスルー
増床部分
内装項目
客席レイアウト
内装デザインアップデートの必要性
将求の改造の際に容易に、低価格でできるか
チェックリスト
外装チェックリスト
内装チェックリスト
厨房能力チェックリスト
空調設備チェックリスト
客席レイアウトチェックリスト
客席利用率チェックリスト
工事費用概算計算書式
店舗の損益分起点計算書
改造計画のまとめ
外装項目のポイント
店舗外装は売上を伸ばすためには大変重要なポイントだ。単にきれいなだけでなく、目立たなくてはいけないということだ。新店舗開店の際の顧客アンケートでも明らかだが、「新規の顧客に何故店舗が開店することを知ったのか?」という質問をすると、「建設中の店舗や看板で知った」と言う比率が50%から70%の間であると言うことからも店舗の外装がきれいで目立つということは重要だと言うことがわかるだろう。

店舗外装は単なる老朽化だけでなく、デザインや色彩が陳腐化していないか、敷地内に植栽があり目を和ませるか、外部の看板は車で走行中に目立っており駐車場に入りやすいか、昼間だけでなく夜間も明るく目立つかなど、色々な検討を行う。

外装の状態
新店舗のデザインコンセプトに適合するように、修理、修繕、再塗装を行う。また、単にペイントをするだけでなく、サンルームや出窓を設置することにより時代の流れに合った店舗を演出することを考慮する。

内装の雰囲気とあった暖色系の明るい色を使い、客の注意を店舗に引きつけるように設計する。

「チェック内容」

雨天などの天候を考慮し工事計画を立てる。
塗装が状態のチェック
屋根や防水状態のチェック、場合によっては全面交換を検討
窓、ドア、フレームのコーキング、ドアチェッカーの状態
外部照明
新店舗として開店した当時は夜間も明々として目立っていたが,周囲に店舗が立ち並び、特に明るいファミリーレストランや煌煌と輝くコンビニが周囲に増加すると相対的に暗く見える。店舗外部が暗いと店舗のイメージが暗く入りたいという衝動を覚えなくなる。周囲の店舗と見比べ十分に明るく魅力があるか、夜間に実際に見比べて判断する。

しかし、たんに明るくすれば良いといって照明器具を追加すると電気代の高騰を招くので、効率の良い適正な照明器具を選定しなくては行けない。

「チェック内容」

外部照明で使用する照明器具の設置条件
照明器具の設置場所
客席内がまぶしくならないような取り付け位置
外部を明るくすると虫が集まるので虫対策ランプの設置検討
照明器具のコスト比較表

メタルハライドランプ
蛍光灯
ナトリウムライト
水銀灯

照度基準

植栽
敷地内に緑がふんだんにあるとリラックスした自然な雰囲気があふれ,客を引き寄せることができ、来店した客も満足するようになる。

地域や天候の違いによってその土地に合う植物の種類はかわってくるので、その店舗に合った植物を選ぶ。

「チェック内容」

気候の状況を考慮
改造後の植物メインテナンスを含めて検討する。
店舗出入口に大きくなる植木植えると夜間の安全対策に支障をきたすので注意をする。
寒冷地では、積雪時の対策や耐寒性のある植栽を検討する
植栽が枯れないように効率良い灌水装置をつける
看板や建物周辺には、大きな木や大きく成長する木を植えない
葉が落ち清掃を頻繁にしなくてはならない落葉樹は植えない
ドライブスルー
マクドナルドも都心中心型の出店からだんだんドライブスルー店舗へ出店比重を移しており、改造をする際にドライブスルーの検討も必要になってきている。

ドライブスルーを利用すると急いでいる時や雨の日などは非常に便利だし、客席が満席の場合でも、車で飲食することが可能になり売上の限界を客席に縛られることが無くなる。初期のドライブスルー比率は20%台と低かったが、車の所有率とドライブスルーの利用経験の高まりによりドライブスルー比率は50%近くまで上昇し、店舗によっては60%以上の比率の店舗も出現している。ドライブスルーを設置するだけでなく、スピードアップや時間当たりの捌ける車の能力アップが必要不可欠だ。

「チェック内容」

ドライブスルーレーン
年々1時間当りの車のさばき数が増加しており,ドライブスルーレーンのスペースを十分にとることが必要となってきている。
ドライブスルーレーンが充分に取れているか
ドライブスルーレーンが駐車場から店舗に入る客の導線を妨げていないか
(ドライブスルーのさばきが悪くなるだけでなく、危険でもある)
敷地内から道路への出入りは容易か?車の出入口は十分な広さがあるか?幅を広げることは可能か?
敷地内の出入り口の増設や効率的な移設は可能か?
ドライブスルーレーンの増設(ダブルドライブスルーやダブルブース)は可能か
ブース内レイアウト
最新型のPOSを使用した効率の良いレイアウトに変更する。
ブースレイアウト参考図
ブースに風や虫が入り込まないようにし、空調設備を増強する
北向きの場合には悪天候に耐える風防や植栽を設置する
子供が直接ドライブスルーレーンに入る事故を防止する構造とする
ドライブスルーレーンの幅は、**mと十分にとる
レーンのコーナー部は、内輪差と外輪差を考慮し充分なふくらみのコーナースペースを確保する
ドライブスルーの客から見えるところに資材やゴミを置かない構造にする
運転者の視界をさえぎるような構造物は危険なので置かない
安全運転ができるように十分な照度をとる
近隣に対する、騒音に考慮する設計をおこなう
内装項目
ここで店の客席レイァウト及び内装について見てみよう。旧タイプの客席は4人掛けのブースとテーブルからなっている。しかしながら入店する客を調べてみると一人もしくは二人連れが増加しているのがわかる。このテーブルレシオ(総椅子数をテーブルの数で割った物)と同伴人数がバランスがとれていないと、客席が十分活用されないわけだ。

利用率を高める為に、1テーブル当りの客席数を減らすことも必要だ。全体の客席数は減るかもしれないが、より多くの客が座われことが出来、従来よりも多くの人が客席を利用できるようになる。全体の容席数より全体のテーブル数の方がもっと重要であるという考え方である。

競合は益々激しくなり、すぐ近くに競争相手が出展してくる可能性が高くなる。競合の対抗するには自店舗をよく調べ、常に最新の店舗イメージを保つように心がけなくてはいけない。なるべく5年ごとに新鮮な外観になる様に,最低限のコストで雰囲気を変化させる設計工夫を心がけなくてはいけない。

カラーデザインは飽きが来なくて長期的に使えるもの、耐久性のある椅子、テーブルトップ、ゴミ箱などは中間色を使い、容易に変えられ背もたれパッド、壁紙、などについてはアクセントになる様な色を使うことにより,将来の店舗イメージを安価に、容易に変更することが可能になる。

客席レイアウト
テーブルレシオを計算する。客席数をテーブル数で割った物で、席数/テーブル数で算出する。注意しなくてはならないのは平日の客は1ー2人ずれが多いので2人掛け中心である方が満席率が高くなるが、土日には3ー4人ずれのファミリー客が増加する。平日と土日の両方の同伴人数を満足させるには,固定式の椅子テーブルやブース席だけでなく、移動式のテーブル、椅子を設置し、簡単にテーブルレシオを変更できるようにする。

客席数を増加させることに熱中し、通路巾を十分にとらないと、客席が混乱し、開店しなくなるだけでなく、不快な感じを与えるので一定の通路巾を確保することを忘れてはいけない。また、階段も十分な巾をとらないとすれ違えず落下の危険性もあるので十分考慮し、手すりの設置も忘れてはいけない。

内装改装
内装改装には単に客席のキャパシティを増加することに目を奪われ、優れたインテリアデザインを忘れてはいけない。家の居間からわざわざレストランに来てくれるには単に美味しい食事を提供するだけでなく、素晴らしいインテリアデザインも必要なのだ。優れたインテリアデザインとは床、テーブル、椅子、壁、天井、照明、庭園、樹木、等,総合的な物であり、それらをコーディネートするセンスを要求される。専門の設計家に依頼すると予算を越えるかもしれないが、安い設計で店舗の寿命をちじめてはいけない。

なお,改装時にはその店舗の商圏顧客を分析し、対象顧客に会った内装デザインになるようにする。子供が多い場合には子供用のキッズルームを作ったり、子供が楽しくなる壁紙を使用するなどを考慮しなくてはいけない。

内装改装は客だけでなく、アルバイトの休憩室や更衣室の改善も考慮し、従業員が快適に働けるようにする。従業員の休憩室も客席と同じ材料やデザインを使用し、大切に扱われているのだという印象も持ってもらうことが、客に良いサービスを提供してもらえる基本だということを忘れてはいけない。

将来の色変更
この改装ガイドの大きな目的はプログラムの大きなゴールの一つは、多額の再投資を避け、5‾6年毎に店舗の外観を変える事だ。多額の費用をかけないで店舗のイメージを大きく変える秘訣はカラーデザインによるイメージ変更だ。より長期にわたって用いる耐久力のある設備には、基本として中間色を使用する。アクセントになる強烈なカラーイメージは簡単に変えられる耐久性のない設備(壁紙や椅子の背パット、アートワーク)にだけ使用する。年代により色の好みが変化するが、それに対して容易に対応することが可能になる。デザインには必ず今後の変更とそれに係わるコストを入れておかなくてはいけません。将来、色を変えることを最初の全体デザインの方針の中に、組み入れておくわけだ。

調査チェックリスト用紙

外装調査フォーム
各項目にはさらに詳細にチェック項目があり,それぞれの質問に○×で答え、必要な場合にはコメントをいれる。

敷地

駐車場の舗装
看板(大看板、店頭看板、ロードサイド看板)
植え込み
ドライブスルー
駐車場照明
その他
建物

壁と装飾部分
屋根外装
看板
キッズプレイランド

遊具
床の安全性
イス
照明

内装調査フォーム
サービスエリア

一般的な内装
壁・天井・床
客席
他の内装項目
トイレ

トイレの数
壁・天井・床
照明の状態
便器の状態
洗面台の状態
ハンドドライヤーの状態
鏡の外観
ゴミ箱状題
換気扇,空調の状態
キッズルーム

内装の状態
楽しい飾り付けか
クルールーム・マネージャールーム

壁の状態
イス・テーブルの状態
床の状態
その他備品の状態
トレーニング教材の状態
厨房調査チェックリスト
各機器,給排水設備のリストに基づき取得価格、残存簿価、耐用年数を記入する。給水、空調、排気グタト設備等の交換は店舗改装時を逃すとできないので、慎重に判断する。(基本的には全面改装の時などに給排水、空気、排気ダクト設備を交換する)

項目 耐用 法定 計算式 取得価格 残存簿価
耐用年数
品名

空調設備調査チェックリスト
店舗改装時に幾ら内装を広く、豪華に最新型にしても,空調機器を更新しないで、温度や湿度が高く不快感を覚えるようでは,客を満足させることができない。改装時には目に見える内装だけ出なく快適な空調設備の更新,追加,メインテナンスを忘れては行けない。空調は客席だけでなく,厨房も検討する。快適な労働環境は生産性を向上させるだけでなく、従業員の定着性も向上させるし高齢者の雇用にも役に立つのだ。

空調能力の計算

空調の必要能力(冷房)
a(厨房面積) m2 ×設定Kca1/h =
b(客席面積) m2 × =
(西向の客席面積) m2 × =
合計

現在の能力
(*馬力) 台 ×Kcal/h =
(*馬力) 台 × =
合計

冷房能力の過不足
1 – 2 = Kca1/h

上記1~3の計算により、概算の過不足能力が算出される。

室外機置場
冷房能力を十分に発揮させる為には室外機の運転が正しく行なわれているかも重要なポイントになる。室外機からの放熱が十分に行われているか確認する。室外機の吸込み空気温度が45℃以上になっている場合は能力がダウンし,機械が早く破損する。吸い込み温度が高い原因として、空気の循環がうまく出来ていない場合がある。その場合は室外機の移設や、周囲の遮蔽物を取り除く事が必要になる。移設が困難な場合はサーモスタットを取り付けた水噴霧装置を取り付けると効果がある。

客席レイアウトチェックリスト
短時間で客席のキャパシティーを調査することが可能だ。客席利用調査をすると、客席のレイアウトと顧客のニーズが合っているか、合っていないかわかる。満席で客席の増床が必要化と思っていても,この調査でレイアウトを変更することによりコストのかかる増床をしなくても良かったり、低投資で売上を上げることが可能だ。

客席数

1人掛け ×1 =
2人掛け ×2 =
3人掛け ×3 =
4人掛け ×4 =
5人以上 ×5 =
5人以上 トータル数 =

客席利用率チェックリスト
客席利用率の簡単な調査を行う。客席に出て客同伴客数を数える。ピークにこの調査を何回か実施した後には、客がどのような客席をどれ位利用したかわかる。基本的には売上げの高い時間帯を選んでおこなう。1時間に6回ほど同伴客数を数える。

客席利用調査表 № 店名
日付 曜日 時間帯 時間帯売上 1人 2人 3人 4人 5人
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
Total

概算工事費用見積もり
コストの算出方法には、工事項目を詳細にひろい上げて算出していく方法があるが、内装工事費などは細かいデザインの仕様などが決まっていない場合には、手間と時間ばかりがかかるだけでなく、店長やSVなど専門家でない人が算出したコストは誤差を生じる事が多く現実的でない。そこで,簡易的に各工事床面積当りから算出し、予算が通り、着工の許可が出た段階で専門の設計管理部と購買部により詳細な見積もりを算出してもらう。

その他 (千円)
設計料、予備費

概算見積表(まとめ)

項目

躯体外構工事費
内外装工事費
電気工事費
設備工事費
厨房工事費
看板工事費
支給品
その他

合計
限界投資額

店舗の限界建設コストの算出
店舗損益利益見積りチェックリスト

店舗式
地域
新店・既存店
直営・フランチャイズ
店舗タイプ・規模
店舗所在地
基本月商(千円)
改造しない場合1年目2年目3年目4年目5年目
改造した場合1年目2年目3年目4年目5年目
セールス伸び率(%)
内装機械建設コスト(千円)
現存簿価(千円)
.躯体建設コスト(千円)
.当社資金となる
一次側工事費(千円)
リース資産(千円)
フランチャイジー家賃(%)
土地取得価格(千円)
土地評価額(千円)
借地権取得価格(千円)
借地権評価額(千円)
建物取得価格(千円)
権利金・札金・オーナー資産
一次側工事資当社負担分(千円)
権利金・礼金・
償却年数(年数)
店舗保証金・現金増床による追加分が発生
建設協力金(千円)する場合は、追加金額を入れる
倉庫保証金・敷金(千円)
保証金返済金額(千円)
保証金償却金額(千円)
店舗家賃
対セールス%(%)
店舗レント
最低保証額(千円)
店舗レント固定定額(千円)
倉庫レント固定額(千円)
その他固定経費(千円)
その他変動経費(%)
米国のハンバーガーとコーラは日本人に取っての米と味噌汁だ。だからハンバーガーチェーンはマクドナルド以外にバーガーキング,ウエンディーズ、カールスジュニア、ホワイトキャッスル、インアンドアウト、など数多くのハンバーガーチェーンが拮抗し、その他にも各地国は独特の強いハンバーガーチェーンが存在している。米国のハンバーガーチェーンで味の一番評価が高いのはウエンディーズでその次には米国版モスバーガーのインアンドアウトが続いている。マクドナルドのハンバーガーの味としての評判はチェーンとしては最下位だ。それを挽回するべく現在、「メイド・フォー・ユー」と言う注文後,サンドイッチを作るという熱々作戦を全米で展開を開始せざるを得なくなったほどだ。

そんな味の評価は良くないが第2位のバーガーキングの2倍近い店舗数を誇るマクドナルドの成功の秘訣は優れたノウハウだ。その中でも最大のノウハウは優れた教育トレーニングによる完璧な店舗運営だ。

一般的に教育トレーニングと言うと店舗の運営に関することだけに思われるが、マクドナルドの場合,店長,SV,統括svに対しても専門的な知識を教育トレーニングすることだ。たとえば、広告宣伝、販売促進、品質管理、調理機器修理、ハンバーガ大学の教育手法、などの専門的なことまで教育カリキュラムとして存在している。その中でもマクドナルドの店舗数を世界一に押し上げ,日本マクドナルドが3000店舗を達成するために年間500店以上の店舗展開を可能にした教育システムが「店舗改造ガイドブック」だ。このガイドブックにより旧店舗の改造を可能にしただけでなく、小型店舗の新規開店においても、設計管理部などの手間を煩わせることなく,店舗運営ラインで開店することを可能にした。このガイドブックの存在が日本マクドナルド3000店の急速展開を可能にしたと言えるだろう。

以上
お断り

このシリーズで書いてある内容はあくまでも筆者の個人的な経験から書いたものであり、実際の各チェーン店の内容や、マニュアル、システムを正確に述べた物ではありません。また、筆者の個人的な記憶を元に書いておりますので事実とは異なる場合があることをご了承下さい。

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