今、ユーザーが求めるファーストフードの厨房設計 シリーズ第14回 「空調設備」(日本厨房工業会 月間厨房)

厨房の環境、空調設備改善による快適環境

最近、厨房の環境が悪い、暑くてたまらない、その原因は裸火のガスストーブだ、ガス機器だ。だから電化厨房が良いのだと言う論議がまかり通っており、それに誰も異論をとなえないのは大変心外である。外国の厨房で電気厨房が多いように感じるが、これはその国のエネルギー事情が異なるためである。電気がガスより安い国では電化厨房が多いし、ガスの方が安い場合にはガスを使用するのだ。どこの国でも電化厨房の方がガス厨房よりも厨房の環境がよいのだとは言っていないのである。電気は電気の、ガスはガスの設備をきちんとし、空調負荷をきちんと設計すれば問題がないのである。

日本の厨房の環境が悪いのは空調設備と厨房の設計が関連をもって行われないからである。厨房の設計で空調設備が関係無いからと言って無視するのでは厨房の環境、特に温度環境は一向に良くならないのである。

また、排気量も十分にとっていないし、排気分以上の新鮮空気給気をとっていないので、店内の圧力はマイナスとなり外気が扉の隙間から吹き込んできて、店内客席が寒くてなおかつ汚れ易いという問題を生じるのだ。

筆者は米国に2年間在住し、飲食店の運営をしたことがある。日本から米国の店舗を訪れると日本人は汚いという。それは店内に紙屑が落ちていたり、散らかっているためである。ところが、床の紙屑を拾い、天井のススを払い、床を箒で掃くとピカピカになるのである。日本の店舗は塵が落ちていないので一見綺麗に見えるのだ。しかし、床の隅の汚れのこびり着きはあるし、ましてや、厨房の天井をはたきで払ってみると、油汚れがベタット広がるだけである。米国の店舗ではそんなことはなく、床の隅は綺麗だし、天井は、厨房であっても乾いており、ハタキでススを払えばハラリと落ちてくるのだ。綺麗さの次元が異なるのだ。この最大の原因は空調機の設備の差である。米国の空調機の設計はきちんとしており、外気は必ず厚い特別のフィルターを通して入ってくるので室内が汚れないのだ。

飲食店にとって空調機は最も重要な機器である。暑い夏に汗をかきかき店舗に冷を求めて入っても、もし店内が暑かったらそのまま出ていってしまうし、かりに我慢して飲食したとしても食欲が出ず売上は上がらないだろう。従業員も厨房が暑ければ定着性が落ちるし、仕事のモラルも高まらないのである。飲食店の厨房で働く事は、空調が効かず暑いので、現在では3Kの代表的な職場と思われているのである。今後労働人口が減少していく中で、厨房の労働環境を改善して行かないと景気が回復した時に、また、バブルの時と同じか、それ以上に深刻な人手不足になるであろう。

必要な空調冷房負荷の計算
空調の計算と言うと、難解な専門用語が多く、それで閉口している人が多いと思うので、以下にわかりやすく説明する。筆者も専門家ではないので誤りがあったら許して戴きたい。

空調負荷は顕熱負荷と潜熱負荷に区分される。顕熱は空気の温度の上昇や下降に関わる熱で、潜熱は空気中の水分が水蒸気に、水蒸気が凝縮水へ、それぞれの状態の変化にともなって必要になる熱をいう。簡単にいうと室内の空気の湿度を上下する熱量が潜熱である。特に日本の夏は湿気が多いので潜熱負荷が高いのが大きな問題となっている。

人が室内にいると体温が直接室温を上げる働きをする。これが顕熱である。次に人は汗をかき、その汗が蒸発し室内の空気に含まれる。そうすると室内の湿度が上がり、暑さを感じる。これが潜熱である。つまり、一つの熱源で二つの熱の計算が必要になる場合がある。特に調理器具の換気により発生する外気の導入の際、顕熱と潜熱を考える必要がある。

空調負荷の計算は以下の要素を考えなければいけない。飲食業の場合、その形態から暖房時より冷房時の問題の方が多いので、冷房についてのみ考える。

冷房負荷
冷房負荷とは冷却と減湿する為に、必要な熱量のことを言い、各種に分かれる。以下にその種類を述べる。
太陽輻射熱
窓ガラスを通して入ってくる日射による熱で、全て顕熱として計算する。計算は窓ガラスの総面積に標準日射熱取得量をかける。例えば西向きの場合1平方メートル当たりの1日のカロリー数は2394kcalにもなる。天井にガラス窓がある場合は5718kcalになるのである。ガラス窓には必ずブラインドを使用して熱を遮る必要がある。布のカーテンだと光を通して熱いので光を反射するタイプのものが望ましい。最近では熱線吸収式のガラスがでてきたが、その場合でもブラインドは必要である。南向きや西日が差す場合には軒を深くしたり、テント、オーニングを使用する良い。

計算式
外部の輻射熱による取得熱量=ガラス面積(m2)×遮へい係数×標準日射熱取得量
伝導熱
窓ガラスや、壁、天井、床から、内部の温度差により侵入してくる熱で全て顕熱として計算する。

計算式
取得熱量=熱貫流率K×壁体の面積×温度差
照明熱
照明器具より発生する熱量で照明器具1kw当たり白熱灯で860kcal、蛍光灯で1000kcalで計算する。顕熱である。一般的に1平方メートル当たり30kcal位である。

人体熱
先ほど述べたように、顕熱と潜熱の両方が考えられる。一人当たり事務作業で120kcal、厨房で働く人の場合200kcalの熱量を発生する場合がある。特に飲食店では人の出入が多いのでこの負荷は馬鹿にできない。

換気負荷
厨房器具の燃焼にともない排気をしなければならない。排気をすることにより厨房に新鮮な空気を導入しそれを冷却する熱量が必要になる。

まず、厨房の温度を何度にコントロールするのか決める。客席と同じ環境にするのなら、26ー27℃である。一般的に外気温より5℃下げるが、東京地方の外気温は32℃ になるので厨房の温度は27℃となる。

次に外気と空調後の相対湿度を設定する。夏場の外気湿度は65%位であるが、室内は50~60%位とする。調理用厨房機器の排気風量を補うため外部から同量よりやや多い外気を導入する。その量を決める。例えば、外気は夏であると32℃になるが それを27℃にするには5℃下げなければならない。その場合、顕熱潜熱と両方を計算する。

換気による損失熱(顕熱)=0.288×風量×室内外の温度差

換気による損失熱(潜熱)=715×風量×外気と内気の絶対湿度差

厨房の設計で重要なのは換気回数である。現在の換気回数は40~20位であるがこれは、換気フードの設計によって変わる。排気回数が少なくなる事は空調負荷が大きく減少するので設計の際には充分に検討する必要がある。今後、燃焼ガスを直接排気する事により換気回数を更に下げる事を検討する必要があると思われる。現在東京ガスで検討され、晴海のホテルレストランショーに展示されていた。なお、客席の換気とトイレの換気も忘れてはならない。

調理器具の輻射熱と燃焼空気熱
グリル、フライヤー、レンジ等を加熱する際にガスの燃焼空気が厨房の空気中に混入し温度を上昇させる。また、加熱部分の熱が輻射熱となり空気や作業者を直接加熱する。

機器毎の燃焼効率により発熱量は異なる。各機器の燃焼効率が良い物の方が熱負荷が少なくなる。また、なるべくオーブンやスチーマー等の密閉加熱方式の調理機器を使用し輻射熱や、燃焼空気が直接作業者に当たらない工夫が必要である。次に厨房で負荷が高いのは空気中に蒸気を発散させる機器である。セイロで蒸したり、鍋で湯を沸かし放したり、作業中に床に水を出し放しにして置くと、空気中の蒸気量が多くなり潜熱の負担が多くなる。厨房はドライキッチンにし、蒸気の発生する機器は必要なときだけ使用する等の工夫で、厨房の環境は大幅に改善出来るのである。

以上のように計算するのであるが、やや面倒であるので、チェーン等のように厨房機器の数が決まり、排気風量が一定の時には、厨房の面積と客席の面積に応じて簡単に計算する事がある。一般的に人の出入りの多いファーストフードタイプの店舗では厨房の場合、1平方メートル当たり400ー600kcalを考える。客席は250ー400kcal位である。客席の場合には窓の広さ、向きが大きく影響する。

店舗の厨房機器の数と排気風量により大きく異なるが、少なくとも事務所の基準の150kcalではとても暑くてたまらないのである。一般のレストランではドライキッチンでないので厨房の空調負荷は800ー1000kcalもとる場合がある。

空調機の問題点
空調負荷の計算をしっかりやっても、空調機の選定とメインテナンスをしっかりしないと計算の能力が出ないのだ。

空調室外機の設置場所とメインテナンス
空調機は室外機と室内機で構成される。コンデンサーに当たる部分が室外機である。一般的に水冷か空冷である。以前は水冷のクーリングタワーを使用するのが多かったが、水のメインテナンスが大変であり、空冷のタイプが多くなり問題が出てきた。水冷の場合外気温に関係無く能力が出るが、空冷の場合同じ表示能力でも外気温により能力が落ちるのである。特に本年の夏のような異常天気では、表示能力の30%も落ちていたと思われる。空冷の室外機を使用するときには夏場の予想外気温を計算し、十分余裕を持った空調機にする必要がある。
また、空冷式の室外機の設置に気をつけないと冷却が充分に効かない事があるので注意されたい。特に複数の室外機を置く時には、室外機から出た温風が他の室外機のコンデンサーに吸い込まれないように充分距離を空ける必要がある。さもないと、吸い込みの温度がどんどん上昇し、機械に負担をかけ、電気代が高いのに、冷えないという問題が発生し、機械の寿命も短くなる。コンデンサーの冷却風を横に排気するタイプと、下から吸い込み上に排気するタイプがある。上に排気するタイプの方が他のコンデンサーに与える影響は少ない。横に排気するタイプの場合架台をおいて室外機の周囲の風の回りが良くなるようにすると効果的だ。室外機の周囲は遮蔽物がなく風通りが良くなくてはならない。上に屋根等があるとそこで排気がUターンし再度吸い込まれるショートサーキットを起こし易いので注意されたい。室外機の間隔は空調機メーカーの推薦する間隔より余裕を見た方が安全である。

もし、設置後問題が発生したら、吸い込みの温度を計測しそれが外気温より異常に高かったら、室外機を移動し十分な距離を置く必要がある。室外機のそばに排気ダクトの吐き出しを設けてはいけない。熱の問題もあるが、排気中のオイルミストがコンデンサーに付着し、そこに塵が付着し冷却効果が低下するからだ。また、風の向きにより冷却が十分に行われない場合があるので、風の向き、建物の角度などに注意する必要がある。

どうしても、外気温が高くオーバーヒートしてハイカットが作動する場合には、水をコンデンサーに憤霧して蒸発潜熱で冷却する。園芸用の噴霧器とサーモスタットを連動させ、外気温が一定以上になったら作動させることが可能で水が節約できる。

室内機の形状による問題点
室内機は以下に述べるように4種類ある。機種による構造を図を元に説明する。
床置き型室内機
従来最も一般的に使用されていたタイプである。図1 コンプレッサーが内蔵されており、水冷のクーリングタワーの場合はコンデンサーに冷水が来て、フレオンガスを冷却し凝縮する。空冷の場合はフレオンガスを室外機に送り空冷のコンデンサーで冷却する。このタイプの室内機は信頼性が高くメインテナンスがし易い。特にサイドのパネルを取れば殆どのメインテナンスが可能である。室内機で重要なのは、フィルター、エバポレーターの清掃と、ファンベルトの交換である。床面積を取ると言う問題があるが、厨房で使用する室内機はこのタイプを使用するべきである。厨房の場合は排気に伴い新鮮空気の供給が必要であるが、このタイプは充分に供給できるので良い。

天井隠ぺい型室内機 図2
限られたスペースを有効に使いたいと言うユーザーの要望により、近年室内機を天井内に釣り下げる天井隠ぺい型が使用され出した。床置き型と異なり、コンプレッサーは室外機に置かれる。室内機はファンとエバポレーターのみの構造であり、冷却されたフレオンガスは室外機より送られてくる。

スペースを節約出来るので良いように思われるが、メインテナンス性は最悪である。特にファンベルトの交換は悪夢のようである。また、大きな室内機と、新鮮空気と供給空気のダクトが天井内で交錯し、エバポレーターの清掃は難易である。設計の際注意しないと、エバポレーターの清掃用の作業穴を開けていなかったり、天井の点検穴を開けていない場合があり、清掃作業が出来ない事がある。リターンの空気の汚れをとるフィルターは必ず簡単に取り外しできる場所に設置すること。時々天井内部に設置することがあるが最悪だ。このタイプはなるべく厨房で使用しない方が望ましい。

天井カセット型室内機 図3
現在かなり普及しているタイプである。天井隠ぺい型と似ているが、違いは室内機の下部のリターンエアーの吸い込み口が露出している事である。図で分かるように一般的に新鮮空気の供給は行われない。新鮮空気を供給する場合でも、風量を充分にとる事は出来ない。新鮮空気を導入するときには一般的に新鮮空気を別に取り入れる場合が多い。

このタイプの室内機は元々事務所用に設計された物であり、その為フィルターは簡単な塵を取るような目の荒い物であり、厨房の調理の時に発生するオイルミストを除去する事が出来ず、エバポレーターに汚れが付着する事が多い。なるべく厨房で使用しない方がよい。オイルミストを良く取れるタイプのフィルターに代える事は、機械自体のファンの静圧が不足し、かえって風量が減少し、機械に負担をかける事になるのでしてはならない。ただし、最近厨房用の室内機がでてきており、フィルターの油のキャッチ率を向上させその分の風量を強化しているものと思われるので、どうしても止むを得ない場合は、それらの採用をお勧めする。このタイプのエバポレーターの清掃性はかなり悪く、場合によってはファンモーターを外さないと、清掃できない機種もある。一般的に店舗で清掃する事は余りお勧めできない。従来、業者も清掃方法が分からず苦労したが、最近は清掃を請け負う大手業者が出てきた。清掃代は1台当たり、5万円から8万円の間であり、年に1回の清掃は必要である。

なお、エバポレーターの部分で空気中の余分な水分は露結し、水となり排水される。このタイプの場合、拡大図の様に、水の傾斜が取れないため、一回水をタンクに貯め、一定量の水が貯まったら排水ポンプを作動させ、水を汲み上げ、勾配を作り出し排水する。 このポンプに水垢が詰まり、室内機が作動しなくなるトラブルが多い。

このタイプの室内機はメーカーによる清掃性の差がかなりあり、モデルチェンジが激しい為、購入する際には清掃性を充分確認しなければならない。

屋上設置一体型空調機
米国に旅行された方はご存知と思うが、ファーストフードやコーヒーショップ等は平屋であり、その屋根の上に四角い空調機が乗っている。これは米国で一般的に使われる空調機で室内機と室外機が一体になっている物である。この空調機は冷風を作りだし、それを屋根を貫通したダクトで送り、室内を冷却する。冷却後の空気はダクトで再度屋上に送られ、エバポレーターで冷却される。

図4 このタイプのメリットは全部一体型であり、メインテナンスが容易である。床置き型もメインテナンスが容易であるが、営業中に清掃する事は出来ない。このタイプは営業中であっても複数の機械があれば、一つづつ清掃する事が可能であるし、お客様に対して見苦しくない。

また、春や秋など余り暑くない場合、ダンパーを調整して新鮮な空気を100%取り入れる事で、コンプレッサーを稼働しないで室内を冷却できるの省エネルギータイプでもある。

最近日本でも海外の輸出向けの機種を国内に販売するようになった。特に平屋の郊外型の店舗の厨房に向いているので検討されたい。欠点は、まだ機種が少ないので値段が高い。屋根に置くので建物の強度が十分必要だということである。

ガスヒートポンプ(GHP)
最近ガスヒートポンプ方式が使われるようになってきた。これは室外機の部分のコンプレッサーの駆動を電気モーターでなく、ガス燃焼エンジンで行う物であり、電気容量に余裕が無い時には有効な機種である。また、エンジンを使用するためエンジン冷却用の温水を利用して暖房効率を高めたり、通常ヒートポンプのコンデンサーの作動しない寒冷地でも作動するメリットがあるので検討する飲食店が増加してきている。空調機をGHPにすることにより低電圧契約で済み、キュービクルの設置も不要になり、ランニングコストと設備投資が減るのではないかということで、投資コスト削減の店舗でテストされている。最近オープンしたガストの和光店で採用されている。

厨房の環境が悪いが電気容量が無いときに有効な手段である。ただ注意しないといけないのは、エンジンであるのでやや音が大きく、室外機の重量があるので置き場所に注意が必要である。まだ、メインテナンスの信頼性データーが十分でないので注意して見ていきたい。発売しているメーカーがまだ少ないため、機械の値段が電気タイプに比べて高いが普及するにつれ低下するものと思われる。

空調機のメインテナンス
メインテナンスというと業者に任せると思うようであるが、店舗でも簡単に出来るのである。業者のメインテナンスは年に1回位であり、簡単な清掃、点検は店舗でやらないとならない。

室外機
水冷のタイプ
年に一回、使用開始の前に水のラインを酸性薬品で洗浄する。水にはカルシウム、マグネシウム等が含まれており、それがパイプ内部に付着し、冷却効率を落とすからである。
厨房の排気がそばにある場合など、内部に油分が付着するので、アルカリ洗浄も併せて実施する。ただし、アルカリ洗剤と酸性洗剤を混合してはならない、危険だし効果がでないからだ。洗剤の種類、量は洗浄専門業者に水質や汚れの状態を見てもらい決める。室外機の使用負荷によっては、月に一回位の洗浄が必要な環境もある。 夏が終わり、使用しなくなったら、再度洗浄し、周囲をカバーし、塵や木の葉が入らないようにする。

空冷タイプ
空冷は、コンデンサーの清掃をする。年に数回の洗浄が必要である。洗浄用の水と洗剤を噴霧する機械で洗浄する。よくブラシでコンデンサーのフィンをこする場合があるが、フィンを曲げたり、汚れを押し込むのが多いので必ず洗剤を使用し、噴霧して洗い流さなくてはならない。専用の機械がないときには園芸用の噴霧機でも使用できるが大型のコンデンサーには力不足である。一般的にアルカリ性の油落としの洗剤を使用する。洗っても冷却が充分でない時には、コンデンサーの吸い込み温度と、排気温度を計測する。
室内機
エバポレーターにはフィルターが付いているが、1週間に1回は清掃する事。痛んでいたら、交換する。それでも年に1回以上はエバポレーターを洗浄する必要がある。油汚れの無いはずの客席でもお客様がタバコを多く吸うため、タバコのヤニがエバポレーターにびっしり付着するのだ。洗浄をしないと冷却しないばかりか、冷却のフレオンガスが液体のままコンプレッサーに戻りコンプレッサーを壊す事になる。気体は圧縮できるが、液体は圧縮できない。フレオンガスが液体で戻る事をリキッドバックと言う。コンデンサーの清掃が悪くガスの冷却が充分にされないときにもコンプレッサーに負担をかけるが、リキッドバックの場合にはコンプレッサーを完全に壊すので注意されたい。

床置き型や、屋上置き型の空調機は清掃し易いが、天井隠ぺい型や天井カセット型は清掃し難く、業者に依頼する事をお勧めする。 自分達で清掃するときには、電装関係に水をかけないように充分注意して行う事。

室内機は、エバポレーターを通過する風量が多いので、一般的にモーターから、ファンベルトを経由して回転させる。ファンベルトが緩んだり、切れると回転は伝わらないので、年に1回点検し、必要なら交換する。一般的に最低2年毎に交換するべきである。

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