2005年外食動向(株式会社インターライフ Zero hour vol.56)

外食業界の動向をジャンル別に見てみよう

ここ数年、六本木ヒルズ、丸ビル、OAZO、COREDO日本橋、汐留、品川、等の再開発ビルにおいて都心回帰の大きな開発が相次いだ。飲食は全国各地の個性的な有名店の誘致を行うか、チェーン企業に対しては全く新しい開発業態の入居を要求した。都心における新規ビルの出店はまだ続くものと思われるが、これらの新規飲食店の経営が必ずしも旨くいっているとは言えない。今後は個性的でかつ採算性の良い飲食業態の出現が求められるだろう。

郊外型のスーパーセンターの出現が出てきており、既存のショッピングセンターとの競合が厳しくなる。その中で従来は顧客へのサービス機能であったフードコートに対して、ショッピングセンターの魅力を強化するためにより強力な業態が求められている。従来は子供向けのファストフードが中心であったが、年輩者も満足できるキチンとした食事を提供できる業態の開発が進んでいる。

高級居酒屋などのカジュアルレストランはデザイナーズレストラン化していた。有名デザイナーにデザインを任せると女性誌などで取り上げられ当初の売上は高いが、そのデザイナー達が他の店舗をデザインすると顧客が移動するという問題を生じている。その対策として、九州地区で人気のある雰囲気の良い自然食レストラン、泥武士やティアのような自然食を中心とした高級業態や、ブッフェ業態が増えるだろう。これらの分野では惣菜大手の柿安は三尺三寸箸と言う業態を開発し、食品企業大手の永谷園は自然式食堂餉餉(ke-ke)を開発し、多店舗展開を予定している。

大手給食企業は中小の企業の買収をより強化し、米国のように数社だけに集約されるだろう。学校給食においては、自校給食からセンター給食への移行の時代が終わり、地方自治体の財政難から外部の給食会社への委託が進むであろう。
中食、お惣菜業界では関東中心に店舗展開を勧めるオリジン弁当は既に600店舗を越えようと言う独走態勢だ。これからは関西から全国への展開を狙うだろう。勿論、オリジン弁当の独走を許さずと、食品スーパーやファミリーレストランチェーンがこの業態に参入を計画しており、今後数年は熾烈な競争が行われるだろう。

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