外食ニュースクリップ「木更津三井アウトレット」(商業界 月刊コンビニ2012年10月号)

4月に三井アウトレットパーク木更津が、海底トンネルのアクアラインの千葉川出口数分の距離に開業した。従来東京から木更津に行くには3時間近くかかったが、アクアラインを経由すれば1時間強で到着する。車でしか来れない場所なので駐車場は4300台もある。日本経済新聞社の調査によれば千葉からの来場者が44%を占め、それに続くのが東京26%、神奈川が21%、埼玉が6%、と広域商圏だ。主たるターゲットは日本人であるが、LCC化を推し進めている成田空港に来る中国人客も視野に入れているそうだ。
経営するのは1955年に開業した船橋ヘルスセンターの跡地に1981年に大型ショッピングモール「ららぽーと船橋ショッピングセンター」(現在はららぽーとTOKYO-BAY)を開業した三井不動産の子会社ららぽーとマネジメント株式会社だ。
衣料や飲食店など約170の店が入り、初年度320億~340億円の総売上を見込んだ国内最大規模だ。広いオープンタイプのアウトレットで飲食施設はフードコートと独立店がある。
フードコートの目玉は商業施設初出店の老舗牛すき焼き屋の浅草今半だ。牛どん750円、すき焼膳1260円、極上すき焼き膳1900円と、フードコートにしては高級な料理を出している。もう1つの珍しいお店は鶏 三和だ。名古屋コーチンの農園を経営しており、直営の飲食店も展開しており、そのフードコート店だ。コーチン親子丼880円、鶏カツ丼780円、しお唐揚(3個) 252円、とフードコート向きの低価格だ。鶏カツ丼としお唐揚は胸肉を使っているのだが、柔らかくボリュームたっぷりで商品力は大変高く、コンビニ等の弁当に最適だろう。
独立店で目立ったのは「おぼんdeごはん」だ。定食の大戸屋の盛り付けを綺麗にし、健康面で留意していることを訴求するスタイルだ。経営は女性に人気のあるお洒落な居酒屋「えん」やお茶漬け店「えん」を展開しているBYOだ。この「おぼんdeごはん」は7月に成田国際空港の第2ターミナルに出店しており、中国人観光客をターゲットに木更津と成田を連動させ、LCC利用の中国人観光客を獲得しようとしているのだろうか?

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