特集 人手不足の時代の厨房を考える(柴田書店 月刊専門料理 別冊食堂第22号1994年10月)

働きやすさが、キーワード
別冊食堂第22号1994年10月 そば・うどん

<問題提起座談会> 出席者 王利 彰(経営コンサルタント)
小林敬之(小林熱機工業(株)専務取締役)
渡辺真人((株)冨士工業所専務取締役)
司 会 神山 泉((株)柴田書店編集部第二部部長)

(司会)
王さんはハンバーガーチェーンのマクドナルドに長い間いらして、精度の高いキッチンシステムを作ってこられた方です。その目でそばうどん店の厨房を見られて、いかがですか、印象は。
(王)
いちばんショックだったのは、労働環境の悪さです。一般に中華の厨房は温度が高いといわれておりますね。それはその通りなのですが、そばうどん店は一日中、釜から蒸気が上がっているのですから、湿度がメチャクチャに高い。働く身になると、これは相当にキツイ仕事です。それと湿度で機器がやられちゃうんですね。たとえば、高性能フライヤーにフラッパーバルブというガスをコントロールする部分があるのですが、厨房屋さんに言わせると、いちばん早くダメになるのがそばうどん店だということです。
(司会)
そばうどん店の厨房が最劣悪環境下にある。
(王)
業界の方々が考える以上に悪い。それとメニューの品質面のバラツキがありすぎます。私もそばが好きでよくお店に行くのですが、老舗と言われる店でも、味が日によって違います。で、つゆの温度、麺の温度、麺の外側と内側の温度差、これが全然統一されていない。バラつくのです。厨房の作業改善をしながら均質化に持っていく努力がもっとされなければいかんな、と思いました。
(渡辺)
確かに、厨房は暑くて当たり前。環境が悪くても使い勝手が悪くても、それに甘んじていくのが当然なんだ、という考えが、まだおそば屋さんの頭の中にありますね。
(小林)
さすがにこれだけ人手不足の時代になりますと、危機感を持ちはじめてはいますが、食器洗浄機なんかもここ3年でしょ、そばうどん店に急激に普及したのは。
(王)
業種的には洗浄機は、いちばん活躍できるんです。予備洗浄がいりませんから。
(司会)
ようやく人手不足を機械で補う、という考えが生まれだした。
(王)
人件費を削れると言うよりも、やはり作業環境づくりなんです。人を辞めさせないための。私も皿洗いはずいぶんやらされましたが、腰は痛くなる、汗でパンツまでグッショリになるで、やんなりますよ。昔は修業だとか言われてやってましてけど、今は通用しません。
(渡辺)
おっしゃるとおり、今問題にしなければならないのは、労働環境なんですね。まあ、生産性の向上も大事ですが、一日中、厨房という非常に狭い空間の中で立ち仕事を続けなければならない。この苦痛をいかに軽くしてあげるか、を考えていかなければなりません。
(司会)
厨房内の暑さの問題はいかがですか。湿気がある分、中華よりひどいと、さきほど王さんがおっしゃいましたが。
(渡辺)
ようやく空調が入るようになってきました。
(王)
しかし、湿気がもうもうと出たら、空調はきかないですよね。
(渡辺)
もっとむずかしいのは、吸排気バランスです。一般の建築屋さんは、排気は考えるんですが、吸気はほとんど考えていないです。必要有効吸気量を計算しないんです。もう感覚で換気扇の大きさを決めているんですね。ですから当然、吸排バランスが悪いところで空調かけても、全くきかない。
<「こう直したい」というニーズがない>
(司会)
店を改築しよう、厨房を新しくしようという時、店主さんの要望でいちばん困るのは何ですか。
(小林)
要望がない、ということですよ(笑)。改装をしてどういう店にしたいのか、そのビジョンがないんです。ただ古くなったから、そろそろやり直すか、ということしか頭にないそばうどん店の主人が多すぎます。
(渡辺)
そうそう。どういうメニュー構成でどういうマーケットを狙って、一日だいたいどれくらいのお客さんに来てもらいたいのか、だからこういうものが欲しい、それを持っていないケースがたしかに多い。
(小林)
ぼんやりでもいいんですから、持ってほしいですね。細部は建築屋さんとわれわれ厨房屋との話し合いで詰めていけばよいのですから。
(司会)
王さん、マクドナルドの場合、店を出すときに、まず客数と売り上げの予測というものがありますよね。
(王)
基本的には標準店舗づくりですから。なにがどれだけあれば、どれくらい売れる、というデータを持つことが前提ですね。
(小林)
一日のお客さんが50人の店と、100人をさばく店とでは、設備もレイアウトも人の配置も全然違うはずでしょ。だから、店主のニーズが何なのかが、改装の正否を決めるポイントなんですけれどもね。とにかく変えるんだと、という人が多いですね。
(渡辺)
こういう内容のものを売るんだ、ということをきっちり押さえた形で計画していけば、ムダのない機能的な店ができやすくなるのです。
(司会)
店主がビジョンを持っていないことが問題である、と。しかし、そのビジョンを作るデータがなさすぎる、ということはありませんか。
(渡辺)
店を直す、厨房を直す、というメニューを変える、そういったときに、よそのお店をまず見に行きませんね。普通ですと、他の店をかなり熱心に、丹念に歩いて、身銭を切って食べて、それを理解しようとして、いいところ、悪いところを分析しようとすると思うのですけれども。そういうことをまずしませんね。もちろん、熱心に他店を見学して、吸収しようとする方もいるのですが、それは少数派です。
(小林)
発想がまず、自分のところはうまいんだ、から始まっているんですね。出発点がこれじゃ、先に行くはずがないですよね。厨房の改装でも、現状のここが悪い、ここをこうしたい、というのではなくてね、ただ古くなったから変える、ということなのですよ。基本的にこれでいいと思っている。
(司会)
働き者の店主ほど、厨房改善に無関心という面もありますね。なんでもハードワークで乗り切れると思っている。
(小林)
もっと使いやすい方法があるはずなのですが、どうしてもこれはここでなければダメだ、という固定観念がありますからね。われわれがいくら提案をしたところで、やはりおれはこれのほうが使いやすいと言われたら、もうそれ以上は言えませんよ。
(王)
店主はそれでいいんでしょうけれどもね、一緒に働かされる従業員はたまったものではない。結局、定着率が悪くて従業員の出入りの激しい店になるわけです。 それから、そばうどん店は一般的にサービスが悪いですね。職業柄色々な食堂業の店に行きますが、まずまともなサービスをしてくれない。これも店主が一日中厨房に入りっぱなしだったり、出前に出ていたり、ということにも関係があるのではないですか。まず、主人が客席に出てくると言うことがない。
(小林)
サービス業の意識が少ないんではないですか。粉という材料からそばなりうどんなりを作り上げるわけですから、むしろ製造業的な感覚が店主に強い。まずいんならおれんところで食わなくていいよ、そういう考え方があるんじゃないですか。
それから、のれんを上げればお客さんがたくさん来てくれると言う時代がありましたからね、なかなか発想の切り替えができない。

(渡辺)
そばという食材が潜在的にものすごく強かったわけです。それに長いこと頼りすぎてしまった、というところは確かにあります。
<店舗設計と同時に厨房設計を考える>
(司会)
さて、実際の店づくり、厨房づくりでの問題に入りますが、厨房づくりって結局、店づくりのほんの一部、という意識しかありませんよね。
(渡辺)
そうです。私達が出ていくときは店づくりの大部分が終わっているのです。与えられた空間の中で、スパッと線を引かれて、この部分の間だけを厨房屋さんが考えなさい、というケースがやっぱり多いわけです。物理的にもう動かせなくなった状態で、厨房の設計をするということ、よくあります。
だから、ほんのちょっと、ここのレイアウトを変えれば、大幅に動きも改善されて効率が上がるということがあっても、もう手も足も出ない。

(小林)
それから、5人で仕事をしているとしますね。厨房の配置を換えれば4人、あるいは3人ですむのに、という店がよくありますよ。同じ仕事をこなしてね。仮に4人でできるようにしますと、一人年間500万円として、10年間で5,000万円なんですよ。でも、その時、改善投資に100万円余計にかかりますと、もうそれで店主はウンと言わない。その100万円投資のために10年間5,000万円が浮く、と言う発想にはなかなかいかないのです。
(王)
ファーストフードの場合は、いかに少ない人間でラクラク働けるか、そればかり考えますけれどもね。
(小林)
ですね。人件費がタダ同然に安かった時代の考えをいつまでも引きずっているのです。さすがに今はそんなのん気なことをいってもいられない時代になりましたけれども。
(司会)
厨房屋さんとしては、まず最初に相談に来てほしいという気持ちがありますか。
(小林)
われわれ厨房屋からすると、そうですね。いい設計士さんに当たればね、「おれわからないから来てくれよ」ということで、プランニングの時に呼ばれるのです。それですと非常にやりやすい。そういう設計士さんは少ないのですが…。
(司会)
店全体の中で厨房はもっと小さくした方が効率がよくなるのに、というケースもあるでしょう。
(小林)
あるある。こんなだだっ広いスペースいらないのになーと。小さくした方が人が少なくてすむし、効率上がるのに、という店ね、多いですよ。
(司会)
要するに、これも店主の明確な要求、さきほどのビジョンがないのが、いけないんだ。
(渡辺)
そうですね。私共の場合は、グループで、建築部分、店舗部分も持っていますから、店づくりのメニューのプレゼンテーションまで、企画室というところで全体の計画を作ります。その全体像の中で厨房設計をするようにしています。そこでの話し合いの中で、店主がどういうお店を作りたいのか、どういう店に変えたいのか、その希望を引き出していきます。
(王)
先日、四国の讃岐のある麺機を作る会社にいきましたら、麺づくりのトレーニングコースまで持っていたのには驚きました。あそこまでメーカーでやらなければいけないのか、と。しかし、ユーザーサイドとしては、それで全部おまかせしよう、ということになるでしょうね。
(渡辺)
ですから、一般のレストラン業では当たり前になっていること、前提になるようなことから入っていかなければならないわけです。おそば屋さんってそれだけ情報がない、ということでしょうね。また、そういう部分でのスペシャリストと相談できる機会というのが比較的少ないのだと思うんです。
(司会)
基本的なイメージづくりのお手伝い、ヘルパーからはじめていかなければならないわけですね。
(王)
たとえば、どこそこの店みたいにしてくれ、といった要求はあるわけでしょ。
(小林)
あのような型のを作ってくれとか、あのようなことをやりたいとかは思うのですが、自分の意志というものがね、あそこはああやっているけど、おれはこういう考えでやるんだよ、というものがない。経営の条件はぜんぜん違うわけですからね。
(渡辺)
改善したいポイントが明確ではないんですね。
(小林)
われわれのプレゼンテーションは、あくまでもそれに対するプレゼンテーションですからね。その前からプレゼンテーションしてしまうと、逆にそれに支配されてしまう。洗脳されてしまう。
<厨房は心臓部、投資を惜しむな>
(司会)
話は戻りますが、建築家主導型の店づくりでは、効率のよい働きやすい厨房はできないということですね。
(渡辺)
そばうどん店の厨房というのは、特殊な動きをしますから、作業内容を知りつくしていないと、むずかしいですよ。機器の配置とかね。
良心的な工務店や設計士なら、あ、それは厨房屋さんの意見を聞いて、こう直しましょう、と手間を惜しまず直してくれるんです。あるいは、変更がきく範囲は、全部変更しようという風な形での打ち合わせが、スムーズにいく。

やはりこれも店主の方の姿勢がポイントでしてね。うちは厨房が大事だなんだから、これはもう厨房屋さんの言うことを聞いてください、とこういってくれればスムーズにいくんですけれども、工務店から厨房屋に入ってくると、いろいろ制限を受けるわけです。ほんのちょっとしたレイアウトを動かせば大幅に改善されるのになー、とくやしく思うこと、本当に多いんですから。

(小林)
それから、予算を大きく左右されるのは建築ですよね。そして、建築の予算の割り振りをするのは建築屋なわけです。そうなりますとね、予算の中で厨房への投資が削られていきます。適正な投資にならない。建築屋につながっている厨房屋がいて、安くて粗悪な機器で厨房を構成する。そば釜にしても、何にしても安いものを探せば見つかるんです。でも、結局店はまわらなくなる。心臓部が全く動かなくなる。
(王)
やはり店を見て歩くことが必要みたいですね。厨房の中までキチッと見せてもらって勉強する時間を店主が持たないと、これはむずかしいですね。
(渡辺)
逆もあるんです。厨房への過剰投資をしてしまう、というケースが。確かに個々の機器の機能としては高くて便利なのですが、稼働が非常に少ない。これもあらかじめ店がどういう稼働をするのか、何人ぐらいのお客を相手にするのか、その想定がなかったことの悲劇です。やはり基本的には、全体のバランスをとった部分の考え方がまず前提になければなりませんね。それをできるのは、店主さんしかいないわけです。
(司会)
しかし、厨房屋さんのほうにも、そばうどんに対する十分な知識を持たないことが多いわけでしょ。
(小林)
そこなんですよ。3年に1回だか10年に1回だかのそばうどん店の仕事ですから、わかるわけがないんです。ところが厨房屋の看板を掲げている限りは、わからないとは言えない。見よう見まねで機器を並べて、お茶をにごす。地方都市の場合、特に多いですね。
(司会)
その専門性の見極め方というか、まかせて安心だということをチェックするポイントは。
(渡辺)
おそばの作り方を知っているということですよね。どういうふうに作ればできるのか、人はどう動くんだというのがわかっていること、基本だと思うんです。
(王)
やはり施工例を聞いて、そのお店を見に行く。できればそこの店主に話を聞いて、使い勝手がいいか、悪いかをチェックすることも必要でしょう。
(小林)
そばやさんの符牒(ふちょう)で聞くこともいいですね。やったことがあるかないか、すぐわかります。
(司会)
符牒だけばかに詳しい、なんてこともありますからね、気をつけないと。
(王)
ガス会社に相談に行くのもひとつの方法です。機器屋さんに聞くと、うちの機械がいちばんと言うし、厨房屋さんに聞くと、うちの厨房がいちばんと言います。その点、ガス会社は、業種別の経営相談コーナーみたいなところがあって、客観的なアドバイスをしてくれます。基礎知識を仕入れにいくには手っ取り早いですよ。
(小林)
ただガス会社も系列の厨房屋があるんです。必ずしもそばうどん店に強いところがそのルートに乗っていない、というところがあります。
<完全武装で他産業から進出してきた>
(王)
いちばんこわいのは、この市場を狙ってシステマチックに武装して、参入してくることでしょう。もうすでに始まっているわけですが、彼らは徹頭徹尾、効率を追求した厨房を持って、入ってきているわけです。
(司会)
その動きにもあまりにも無関心すぎますよね。
(小林)
10坪、12坪、せいぜい20坪、従来のそば屋さんでは考えられないようなスペースではじめる。当然、厨房は非常にコンパクトに作る。人も最低限で稼働できる仕組みになっている。コンパクトに作っていながら、従来のおそば屋さんの一ケタ違い、たとえば1日1,000食売る店にしてしまいす。1日3,000食売る店だってありますよ。
(司会)
駅前のいわゆる立ち食いそば、その良質部分がそれだと思うのですが、従来のおそば屋さんたちは、同じビジネスマンとして見てはいませんよね。ぜんぜん別ものととらえているでしょう。
(王)
最大の競争相手なのにね。
(司会)
その場合、冷凍麺ですか?
(小林)
いや、生。品質はこれまでのおそば屋さんに負けませんよ。もっと研究しなければ。
(王)
最近ちょっと機会がありまして、冷凍麺、冷凍うどんの会社に勉強に行ったのですが、その品質が高いのに驚きました。目隠しで食べさせられたのですが、生よりむしろ冷凍麺のほうが味がよかった。
メーカーはものすごく研究しています。たとえば水分率でも、コシの出し方というのは、麺中の水分と表面の水分とに差があればいいわけです。中が50%で外側が80%の水分率の差を数値的に出せれば、製品化はできます。また、デンプンを入れて耐冷凍性を出す方法も開発ずみです。技術的な問題は完全にクリアされているわけです。

ですから、冷凍麺を出すのと、一般のそば屋さんで作りおきをしたうどんをだすのとでは、味に大きな差が出てしまいます。

(小林)
今王さんが言われた水分勾配の問題なんですけど、一般のそば屋さんは、水分勾配といったってわかりませんよ。
他業界から入ってきた方のほうが、豊富な知識を持って、十分準備をしている。そこがこわいんです。

(王)
この仕様でこういうコシの麺を作れ、といわれれば、ビシッと出せますから、彼らは。それだけのノウハウを持っている。
まだそばの冷凍化には問題が残りますが、うどんに関しては冷凍麺の導入で、厨房の合理化が一気に進みます。味も均質化が図られますから、生業店がいくら手づくりでやっているといっても、最終的に同じ味が出されるということになると、苦しくなっていくと思いますよ。

(渡辺)
おっしゃるとおり、うどんに関しては厳しくなっていくでしょうね。朝に釜どりをして、茹で上げておいたものを、また茹で直す、というよりは、瞬間冷凍した冷凍うどんのほうが、絶対にうまいと思うんです。
ただ、そば店でうどんを食べる頻度というのは低い。特に関東圏ではですね。当然、店でもうどんはサブ的な扱いになっています。

(王)
全国的に見ますと、うどんが強くてうどん圏が拡大しています。この部分が全部新規参入組にとられるとなると、生業店にとってはかなり手痛いことになります。
現在、生業店が何とか頑張れているのは、冷凍そばが完成の域に達していないことによるわけです。質的に問題が残っている。しかし食品メーカーは、そばのほうでも研究を続けていますから、いずれ品質的にクリアできる日が来るはずです。この時に、従来のそばうどん店がどこまで頑張れるのか。たいへん苦しい時代が来ることだけは覚悟しておかなければならないと思いますね。

(司会)
そうですね。ただ、高額の麺機を導入する、そのための人手を確保する、材料ロスの問題、こういうことを考えると、冷凍うどんのほうが安くつくともいえます。従来店でも導入を考えた方がいい店もでてきますよね。うどんについては、思い切ってすべて冷凍麺に切り替える、という発想があってもいいと思いますよ。
(渡辺)
もうひとつは、つゆですね。こちらのほうも食品メーカーの研究が進んでいて、かなりのグレードのものが出せるようになっています。レシピで独自のものが提供できる体制もできています。これと麺と組み合わせて、それにあった機械をですね、厨房の中に組み込んでいけば、これまでとぜんぜん違ったそばうどん店ができるわけです。
(小林)
現に生まれていますよね、続々と。
(渡辺)
ええ。そういう時代に、厨房に入りっきりで、粉から麺から何から何まで作ることが、果たしていいものなのか、という問題があります。
(王)
先ほども言いましたように、そばうどん店でサービスが本当に弱いんですよ。有名な老舗と呼ばれる店に行ってもぶっきらぼうなことが多いですね。これも店主が厨房から出られる形になっていないことがいけないんだと思います。そのためには、まず食材がどう変わっているか、それに対応してどんな新しい機器が開発され、普及しているのか。まず店の外に関心を持ってほしいですね。
(小林)
そうですね、機器がね。関心がないのは、やはり自分のところがいま出しているものが、いちばんだと思っているからなんです。これでいいのか、という疑問をまず持ってほしいですね。あるいは、もっとよい、やりやすいやり方があるはずだ、というふうに一度考えてほしいですね。
(王)
そばもうどんも人気商品です。若い人にも人気がある。この市場を何もよそから参入したグループにみすみす奪われることはない。いい位置にいるわけですから、効率がよくてラクに仕事ができて、ちゃんと利益が上がる仕組みを作ってもらいたい。改善の余地が十分にあります。

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