天草のちゃんぽんの続き【大空食堂】

食の宝庫九州から

熊本県天草大矢野島は母の産まれ故郷です。子どもの頃からお盆休みに海水浴に出かけていたところです。

熊本から向かうと最初の橋を渡った島、先週書いた本渡のある天草下島までは距離にして40キロ、更に橋を5つ渡らないといけません。最南端の牛深までは、さらに40キロもあります。結構広い島の連なりなのです。

先週はちゃんぽん店が多いと書きましたが、自分の中では、天草のちゃんぽん店といえば「大空食堂」というイメージです。

天草が観光地として人気が出たのは、有明海に突き出た宇土半島と大矢野島、さらに松島までつながる天草五橋が開通してからです。1966年(昭和41年)のことです。

それまでは三角港から定期船で渡ります。三角港までは国鉄で熊本駅から宇土を経由して三角(みすみ)駅まで、そこから定期船に乗り換えていました。三角港からは島原までフェリーが出ていて賑やかな港でした。現在は、航路が熊本新港と島原港に変わり船便はぐっと縮小しています。旅情を掻き立てるのは、列車から船の旅なのですけどね。

現在は、宇土半島と大矢野島を繋ぐ新しい「天城橋」が出来て車でのアクセスは更に良くなっていますから、船の便は、ますます寂しくなっていきそうです。

さて「大空食堂」。三角から古い方の一号橋を渡り、遠く島原半島を望む、三角ノ瀬戸を右手に見ながら5分も走ると、岩屋という小さな港が見えてきます。直角に曲がり込む正面に黄色に大きな字で「大空食堂」という看板が目に入ります。母の実家に帰るときは、そのまま素通りしますが。今回はランチはここと決めて来たので港を右右と曲がり、堤防脇の空き地に車を停めます。店内は12、3席で昼時なので、表に4人ほど待っているお客さんがいます。店内で名前を書いて、表でのんびり待つことにします。ここは大体このくらいは待つのを覚悟して来ないといけません。

順番が来ました、40年前にはあった店内は、記憶が正しければ変わっていなくて、まあ歴史を感じる様子です。どうやら現在は3代目、店は60年になるようです。変わったのはアクリル板が設置されていることくらい。

ちゃんぽんを頼んで待ちます。ここでも待ちます。作る置きはしないので仕方がありません。

届いたら、天盛りになった野菜にたじろぎながら、麺を掘り起こします。具材、スープともに海老が効いています。やっぱり天草のちゃんぽんです。

天草に入ったら第一歩目に「大空食堂」。ありだと思います。新しい橋を渡ってはいけません。

食べログ「大空食堂」
https://tabelog.com/kumamoto/A4305/A430501/43000249/

上田 和久

上田 和久

スタジオワーク合同会社 代表。熊本県生まれ。厨房設備施工会社、電機メーカーで冷蔵設備の設計施工営業を担当後、食品メーカーへ転職し、品質保証の仕事を経て、2016年1月コンサルタントとして独立。安全安心な食品を提供することに日々、注力する企業に対して、HACCPに基づいた衛生管理の取り組みを支援している。 JHTCリードインストラクター

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