「オリーブ」を通じたつながり

立教大学生インタビュー

 イタリアの南部、地中海に面した長い海岸線を有するプーリア。白い壁と円錐型の屋根が特徴の「トゥルッリ」でも知られている街で、イタリア料理には欠かせない「オリーブ・オリーブオイル」の国内生産量第1位を誇る地域です。そんなプーリアで、プーリア人の夫と野菜やオリーブの木を育て、更にはオリーブオイルも生産している大橋美奈子さん、そして、オリーブの木を東京・三鷹で栽培し、オリーブオイルの生産を目指す取り組みをしている天神山須藤農園の須藤金一さんのお話を、伝統的なプーリア料理を提供している高桑靖之シェフの「オステリア セルヴァジーナ」でお聞きしました。

プーリア料理を代表する「オレキエッテ」

 遠く離れたプーリアと日本ですが、「四季がある」そして「温暖な気候」という共通点があります。夏の降水量が少ない「地中海性気候」だからこそ、それを活かし、乾燥に強い柑橘類やオリーブがプーリアの名産品となっています。日本での栽培は、降水量が少なく温暖な気候の瀬戸内海地域がよく知られているのではないでしょうか。しかし、近年の温暖化により、東京での栽培も可能になってきているそうです。

 この東京産オリーブは、約2年後を目標に昨年から栽培プロジェクトがスタート、須藤さんは東京産オリーブオイルの生産を目指して、東京都農林水産振興財団の支援を受けながら頑張っています。一方、オイルの生産量がイタリア国内の60%を占めるプーリアは、多くの農家がオリーブオイルを作っています。そのため、収穫時期である10月~11月になると、「収穫のタイミング」についての話題で持ちきりになるそうです。なぜならオリーブは鮮度が重要。収穫してすぐ搾油所に持ち込みオイルにすることが、美味しいエクストラヴァージンオイルを作ることには必要な条件なのだそうです。

実際、先週大橋さんの家で生産したオイルと、普通に販売されているオイルとを比べると、「色」が全く違いました。普段私たちが口にするオイルは、黄色みが強い黄緑色をしていますが、作り立てのものは、緑が強い黄緑色なのです。青々とした香りも強く、口に入れるとのどが少しピリッとするような味わいでした。

 鮮度が重要なオリーブの産地として有名なプーリアでは、上質なオイルを豊富に生産しているからこそ、たっぷりと料理に使われています。さまざまな料理で香り付けや、うまみを整える「おだし」のように使われ、例えば、ファーヴェ(そら豆)は、オイルをたっぷりかけていただくのがプーリア流。シンプルな味の料理だからこそ、オイルの香りが引き立っていました。

ファーヴェはオリーブオイルをたっぷりかけるのがプーリア流

 そんなオリーブオイルを使うイタリア・プーリア料理を提供するレストラン「オステリア セルヴァジーナ」では、東京・三鷹、須藤さんが栽培しているオリーブリーフパウダーを使ったスイーツ「東京・三鷹産オリーブで作ったジェラート」の提供を開始しています。ジェラートの上にはスライスアーモンド、オリーブオイル、そしてオリーブリーフパウダーがトッピングされています。濃厚なジェラートですが、オリーブが加わることでさっぱりとした味わいに、食後のデザートにぴったりな一品でした。このオリーブリーフを生産している須藤さんは、自身がつくったオリーブリーフが素敵なデザートに姿を変え、お客様に届いていることを実際に目にし、「リーフパウダーだけでなく、オイルもうちのものになれば完璧だ」と嬉しそうにおしゃっていました。

三鷹のオリーブリーフパウダーを使ったジェラート

 「オリーブ」が暮らしや文化として根付いているプーリア、新たな価値の創造を目指し栽培を始めた三鷹の生産者と、それらを美味しく調理し届ける料理人という、それぞれの立場の方の「つながり」について学ぶことができました。海外の食文化を日本に紹介している大橋さん、農家の須藤さん、料理人の高桑さんが、自分の仕事の枠を超えて、お互いを深く理解できるようにコミュニケーションをとることは、それぞれの仕事が良い方向に向かっていくだけではなく、地域や社会、そして日々の生活を豊かにする理想の形なのだと実感することができました。 【K】

大橋美奈子さん

Facebook:https://www.facebook.com/minako.ohashi

「天神山須藤農園」

お問い合わせ:https://sudoen.jp/contact/

「オステリア・セルヴァジーナ」

住所:東京都豊島区駒込3-2-7リトル駒込 1F

電話番号:03-6903-7020

https://www.selvaggina.net/

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