weekly Food104 Magazine 2008年1月9日号

メルマガバックナンバー

● 王編集長より新年のご挨拶
● 新店オープン情報
● 海外レストランNEWS 米国レストラン情報
● 海外レストランNEWS 韓国レストラン情報
● 食ビジネスニュースリリース
● 王利彰のレストランチェック
● 王利彰の米国外食情報

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あけましておめでとうございます。2008年もよろしくお願いいたします。
Food104マガジン編集長
有限会社清晃代表取締役
立教大学大学院教授
莫莫居鶯店主
Fsproメーリングリスト主宰
王利彰

何時もご愛読ありがとうございます。
ここで、昨年の実績と、今年の抱負をちょっと紹介させてください。

1)Food 104マガジン
Food104マガジンではシカゴよりの外食情報と共に、編集長の王が変化の早い
米国外食情報をお伝えするようにいたしました。執筆者のカズコさんがシカゴ
からラスベガスに引越しをします。ラスベガスは全米や全世界の超有名レスト
ランが集まっていますし、隣のアリゾナ州のフェニックスは新業態のテスト地
域です。また、カズコさんの米国レストラン情報をお送りしますので、ご期待
ください。

また、韓国外食情報も引き続き、私の元指導学生で現在立教大学大学院で博士
課程後期に在籍中の李美花さんに執筆をしていただきます。今年は大学院に台
湾と中国の外食やフランチャイズを研究する指導学生が3名ほど入ります。韓
国に引き続き台湾、中国の外食情報を充実させたいと思います。

王のレストランチェックでは高級店と共に最近増加しつつある都市型ショッピ
ングモール内の食動向や最新のレストランの紹介を精力的に行っております。
レストランは日本国内だけではなく、米国、中国、韓国、等なるべく多くの国
々の状況をお伝えしてまいります。

また今年は、海外の企業の日本進出、日本企業の海外への進出が積極的に行わ
れるようになります。その実態をなるべくすばやくお伝えするようにする予定
です。皆様からの情報もぜひよろしくお願い致します。

トップページ

2)コンサルティング会社 有限会社清晃(せいこう)
Food104では海外の外食企業の紹介をしておりますが、コンサルティング分野
の活動としては、日本から米国、韓国、中国、に進出する企業、米国などの海
外から日本に進出する企業のお手伝いをしております。当社は殆どのファスト
フードの日本展開における活動を何らかの形でお手伝いをしております。

今年の日本外食企業最大の課題は時流に乗った新業態開発です。しかも複数の
業態を短時間で開発する必要があり、そのためには自社開発だけでなく海外の
優れた業態をすばやく日本に紹介する必要があります。2008年は米国大手企業
が進出を計画中で、皆さんの会社にもご紹介に上がるかも知れませんがそのと
きにはよろしくお願いいたします。

昨年のテーマは米国、中国、韓国への日本居酒屋の進出のお手伝いでした。
海外進出をされる企業へのアドバイス、マーケティングリサーチをいたしまし
た。今年は大学院に台湾、中国からの学生(海外で外食などの経験ある社会人)
が私の指導の元に研究をいたしますので、具体的なビジネスに繋がるのではな
いかと思っております。

米国ではLAの桑田さん、ニューヨークの下城さん、LAの須賀田先生、など現地
を熟知している方がコンサルタントとして活躍しており、当社は提携して色々
な業務のお手伝いをしております。
海外進出の際にはお手伝いが出来ますので、ご相談いただければ幸いです。

3)fsproメーリングリスト
fsproメーリングリストは外食に関係のある方が、全世界から参加しての双方
向情報交換です。日本各地はもとより世界から参加をしている方との情報交換
は貴重なデーターベースです。メールだけの付き合いではなく毎月1回は莫莫
居鶯で「fspro版旬の味を喰らう会」と言うoff会を開き、美味しいお酒と料理
に舌鼓を打ちながらリアルの情報交換もしております。ROMの方も今年は是非
off会にご参加ください。この旬の味を食らう会のおかげで食材とお酒の種類
はだいぶ増えたし、新しい料理も誕生しています。
Fsproメーリングリストへのご参加は
http://www.food104.com/fspro/
でお申し込み下さい。

4)「fspro版旬の味を喰らう会」
「fspro版旬の味を喰らう会」は食の好きな方たちに、東京では食べることの
出来ない地方の隠れた美味しいお魚を食べていただこうと言う趣旨で、編集長
の王が経営する莫莫居鶯で2006年5月より毎月1回開催し、17回目を終了しまし
た。この開催に当たっては、メンバーの石川さん(元、商業界飲食店経営編集
長)、(有)フーズ・システム・クリエイターの佃さん(財団法人魚価安定基
金)、井上さん(女子栄養大学OB)、達のご協力をいただき、全国各地の漁港
から隠れたとっておきの食材を直送して試食会を開いております。その成果は
莫莫居鶯の「富士山の湧き水で育てた体長1mの虹鱒の刺身」などに出ています。

この会は外食企業に勤務していなくても、食べることが好き(飲むのが好きな
方も)な方なら参加いただける資格があります。気楽な会ですので皆様もぜひ
ご参加ください。2008年は2月から開催の予定です。

5)最適厨房研究会
調理機器開発のノウハウを現場にフィードバックする活動としては厨房分野の
最適厨房研究会と言う研究会を立ち上げ、会長として活動して3年ほど経過し
ました。厨房の空調環境改善のために基礎的なデーターを収集しております。
昨年度はそれらのデーターを空調衛生学会で発表する実績を残しました。現場
に即した形としてユーザーの店舗の改善に関しては2社の店舗のデーター収集
を行い、今年は具体的な改善店舗を開店し更なるデーター収集を行います。

また、その都度役に立てる情報を提供しようと、外食経営者の方々によるセミ
ナーを開催したり、外食トップ企業経営者の方々との懇談会を開催させていた
だいております。今年はさらに厨房空調環境改善のために、ゼネコンや建築設
計の方をお招きしたセミナーを開催し、将来はビルなどの設計の際に役立つ厨
房指針を作成したいと思っております。

研究会と言っても店舗現場を熟知しなくてはいけません。年に数回は最新の外
食店舗、病院給食、エアーケータリング厨房、ホテル旅館厨房、等の見学会や
海外調理機器展示会への参加をし、その成果をHPで発表しております。ホテル
ではコンラッドヒルトン、長島温泉花水木、などを見学し、今年度は話題のペ
ニンシュラホテル、作並一の坊を見学する予定です。大型厨房では有明癌セン
ター、名古屋の南部厨房センター、海南病院、などを見学し、今年も大型の給
食センターの見学を予定しています。

海外調理機器展示会ではニューヨークの食品スーパーの最新動向を見学後、米
国NAFEMに参加しました。勿論、勉強だけではなく、しっかりと食べ歩きをし
ております。ニューヨークは米国一のステーキ屋、ピータールーガー、料理の
鉄人森本さんの新店舗などしっかりと食べ歩きました。
http://www.saitekichubo.com/report/seminar/nafem01.html

今年は皆さんに共同研究のお願いをする機会もあるかと思いますが、是非ご協
力をお願いいたします。
http://www.saitekichubo.com/

6)立教大学大学院
立教大学大学院ビジネスデザイン研究科教授としては2007年3月卒業のゼミ生
の研究テーマは、ゴルフ場再生に必要な従業員満足度、IT企業のエンジニアの
人事評価制度とコンピテンシー、内部告発制度の問題点と改善、立教大学留学
生の受け入れの改善策、デジタル機器メーカーのブランド戦略、結婚ビジネス
の新たな展開、中国における外食企業の展開状況、など7名でした。卒論提出
後、2名の論文に問題が発生し、教授会などでその後始末に大変でした。しか
し、何とか全員を卒業させることが出来ました。

2008年3月卒業予定のゼミ生は何と9名で昨年は12月30日まで卒論指導、新年は
3日から卒論指導で年賀状を書く暇がありませんでした。

テーマは、
<1>旅行会社における高業績を促す企業内部サービス(従業員満足)要因の
一考察~サービス・プロフィット・チェーンの観点から~
大手旅行会社社員

<2>自動車産業における日中韓アライアンスの構築に関する一考察
アライアンスに必要不可欠なコミュニケーション
韓国語、中国語を話せる自動車部品会社社員

<3>日本の土産品における訪日中国人旅行者のマーケット調査
及びマーケティング戦略に関する考察
上海で土産物屋を経営した経験のある学生

<4>日本の航空会社における顧客満足度向上の必要性とその手法
~適正な顧客接点人材の確保と品質管理の観点から~
現役の客室乗務員(現在大学にてサービスを教える講師)

<5>日本の賃貸住宅に於ける空室の有効利用に関する考察
~在日外国人・主に留学生を対象に~
不動産業に勤務経験のある韓国人留学生

<6>眼科医院における患者満足度に関する研究
外資系大手製薬会社社員

<7>中国国内宝飾品販売市場概況及び外資企業参入のマーケティング戦略分析
北京出身の大手調査会社社員

<8>観光地における広告・PR手法の一考察
観光ポスターの役割と地域の魅力付けのかかわり
観光業向けマーケティング会社社員

<9>保育サービスにおける質的管理に関する一考察
大手保育所企業元社員

このように多岐に渡る内容を研究している社会人学生ばかりですし、海外から
の留学生は4名、と色々な文化の違いをディスカッションするとあっというま
に時間が経過します。

2008年のゼミ生は8名と思っていたら9名になりそうです。大手小売業勤務者、
医療関係者、食品流通会社勤務の中国担当、米国大学でレストラン学部を卒業
の台湾留学生、中国北東部で会社経験の留学生、など多彩ですが、何と今年は
イラン航空の社員がイラン観光をテーマにします。うーん、今年は中国、台湾
は勿論、イランに行かないといけないのかな?と悩んでおります。遠いのは問
題ないのですが、イスラム圏はお酒が飲めないのです。飛行機に乗ったとたん
にイスラム圏ですからお酒はありません。うーん、断酒に効果があるか、それ
とも、禁断症状で苦しむか、どうでしょうか?

また、昨年は韓国Sejong大学院でフランチャイズの授業を行いました。韓国は
日本の大学のようにアカデミックではなく、実務も教えるのです。学生には韓
国フランチャイズチェーン協会の副会長をはじめ、現役の経営者が綺羅星のご
とくいました。授業の後のコミュニケーション(勿論アルコール入り)も早朝
までと体力の必要な授業でした。
http://www.sejong.ac.kr/eng/02aca/02aca_01_81.html

読者の皆さん、もう一度、外食やサービスの勉強をじっくりとしてみたいと言
う方、是非チャレンジをお待ちしております。
http://www.rikkyo.ne.jp/%7Ez3000142/bizsite/index.html

外食、小売、サービス業に入った方の中には仕事が面白くて、つい学業を放棄
して、高卒、大学中退の方も多いと思います。そんな方も大学院は不可能な扉
ではありません。学歴の悩みがあるが大学院に入って勉強をしなおしたいとい
う方は王までご相談くださいね。人生が変わりますよ。

7)和食居酒屋莫莫居鶯(ばくばくきょうぐいす)
おかげさまで開店3年半を経過し安定した売上を示すようになりました。昨年
のHanakoの池袋特集で高い評価を受けることが出来ました。昨年末はさらにコ
ース料理のバリューを出すようにしました。大学院生と毎週飲んでいて、バリ
ューのあるコース料理を食べ続けた成果です。私が作った、3,500円と4,500円
のコース料理と飲み放題1,500円はその自信作です。

宴会でコース料理をご希望の場合は数日前にお申し込みを頂くのですが、2人
以上で鍋のコースをリーズナブルに食べたいと言う方にも当日鍋コースを同じ
お値段で用意しました。勿論、当日ですので、食材の準備により若干内容が変
わりますが、基本的な鍋のボリューム感は同じです。2人以上で訪問された方
に絶対お勧めです。実はこのメニュー、大学院の同僚教授にヒントを頂きまし
た。その教授は飲兵衛なのですが「莫莫居鶯は美味しいけど高い」と言われた
のです。腹いっぱいになってたらふく飲むと確かに結構なお値段になる時があ
りますね。でも、それは心外です。そこで、安心して飲んで食べていただける
当日鍋コースを作ったのです。一度お試しください。

それから、裏メニューも作りました。大学院で教えていると授業後、飲みたい
腹いっぱい食べたい、でも予算がない、と言う我侭な教え子がおります。そこ
で、夜の授業やゼミの後に使えるように午後9時過ぎの飲み放題をつけて4,000
円の鍋コースメニューを作りました。通常の5,000円の飲み放題コースと比べ
てもバリューは抜群です。9時過ぎに訪問したときにはこっそりとご注文くだ
さい。

人気の秘密の一つは落ち着いたお店の雰囲気と美男・美人・揃いのスタッフで
す。私が莫莫居鶯を開業するに至った経緯は、実は優秀なスタッフが集まりや
すいと言うことでした。外食業界では求人難と言われていますが、当店は人集
めで苦労したことがないし、優秀なアルバイトも多く集まります。定着性が良
いのは店長の柔らかい雰囲気と、調理場を預かる調理長の凛とした姿勢の貢献
が大きいのです。また、居心地のよさと美味しい賄いも貢献しています。私は
外食企業で長年働いてきましたが、お客様には美味しい料理を出すのに、従業
員の賄いは酷いなと言うのが現実的な印象でした。そこで、当店では賄いも美
味しい料理をだして、私の昔のつらい経験をさせないようにしています。これ
らの理由で定着性が高いのです。

二番目の成功の理由は、調理メニュー開発です。調理開発に関しましては
「fspro版旬の味を食らう会」の成果が大きいのです。食材や料理だけでなく
お酒も各地から色々ご紹介をいただいております。

当店一押しのメニューは鍋料理で
「葉野菜と桃園豚バラ肉の常夜鍋」
「葉野菜と三元豚バラ肉の常夜鍋」
「桃園豚つくねの唐味噌ちゃんこ鍋」
「金華豚のもつ鍋」

一品料理では「旬の味を喰らう会」で発掘した、富士山の湧き水で養殖した
1mもの体長の虹鱒。刺身で食べるのですが、サーモンと違ってコリコリとし
た食感は最高です。

ランチも定着してきました。三元豚の手づくりハンバーグ、三元豚のしょうが
焼き、三元豚のとんかつ、お魚の煮物、お魚の焼き物、野菜の煮物、大分名物
団子汁、等、ちょっと提供時間はかかるのですが、すべてスクラッチです。

昨年は自社のサイトも立ち上げました
http://www.bakubakukyo.com/

2008年もよろしくお願いいたします。

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● 新店オープン情報 ———————————————-■□

■ 手作りお菓子のカフェ シャルレアンブール オープン

農場から仕入れた自然卵で作ったプリンとロールケーキ・手作りお菓子のカフェ
chat roule en boule(シャルレアンブール)がオープンしました。

プリンとロールケーキには南房総にある「いなばナチュラルファーム」から直
送している有精卵を使用しています。ロールケーキは他店とは違った食感を感
じて頂ける一品です。とにかく弾力があり、生地が主役のロールケーキと言っ
ても良いくらいに、美味しい卵の味が存分に活かされたロールケーキです。
大型のデッキオーブンが3台も設置されており、店内で販売する商品はすべて
こちらの厨房で作られています。

○メニュー一例
自然卵のプリン    350円
ロールケーキ(純生) 350円(1本 1,200円)
エスプレッソ     400円
ホットコーヒー    450円

○店舗データ
住所:東京都世田谷区東玉川2-41-2-サンスウィング1F
アクセス:東急東横線線 田園調布 徒歩6分
東急目黒線 奥沢駅 徒歩7分
TEL:03-3748-2071
営業日:10:00-20:00
定休日:火曜日

○URL: http://chatrouleenboule.com

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● 海外レストランNEWS 米国レストラン情報————————-■□

■ ラスベガス発 カズコ・デイビスの米国サウスウエスト食事情

新年明けましておめでとうございます。今年も読者の皆さんが元気になるよう
な楽しい食の情報をアメリカ南西部からお届けしようと思っています。2008年
が皆様にとって益々の飛躍の年になりますように、心よりお祈り申し上げます。

今年は15年も暮らしたアメリカ中西部シカゴを後に、この3月南西部のネバダ
州ラスベガスの方に越すことになりました。新年早々、ネバダ州のリノの郊外
(ラスベガスから車で北へ5時間)ではダムが決壊して洪水と停電で大変な騒
ぎになっているようです。ラスベガスと言うと砂漠というイメージだけですが
ミード湖、フーバーダムがすぐ傍にありますので、水には困らないようですが
時としてモンスーンのシーズンには、雨がなかなか地面に染み込まない為、構
が洪水になってしまうことがあるようなんです。シカゴ郊外も年が明けてから
急に温かくなって、竜巻が発生しましたから、アメリカの自然は去年のサンデ
ィエゴの山火事などに見られるように、手のつけられないことがしばしば起き
てしまいます。

シカゴはニューヨークやカナダのナイアガラへ飛行機で1時間程で行く事が出
来とても便利な場所でしたが、ラスベガスもまたロサンゼルスまで車で4時間
弱、グランドキャニオンやデスバレー、ザイオンと言った国立公園があります。
また、車で数時間行けばユタ州などでスキーも楽しめる動きやすい場所にあり
ます。

シカゴは歴史のある街ですから、保守的な中流階級の人々が地に足を付けて暮
らしているという土地柄ですが、今度行くラスベガスという場所は1930年代に
フーバーダムを建設する労働者が集まって出来た街なので、未だにアメリカ中
からいろいろな人たちが仕事目当てにやって来ては、さっさと稼いで自分の故
郷に戻っていくという所のようです。

特に新しいホテル・カジノの建設が常に行われているので、建設関係の人たち
が5年、10年契約で来ては去って行きます。砂漠と言えば中東のドバイなども
リゾートブームで日本の建設会社の人たちも随分と行っているようですね。砂
漠って何か人を魅了する力を持っているんでしょうか、私も去年3回ほど下見
にラスベガスに行きましたが、赤い山肌の間から出てくる真っ赤な太陽とパー
ムツリーと見事な夜景に心を奪われてしまいました。

私が住む予定のラスベガスの郊外も、アメリカの様々な所から来ている新参者
同士が仲良く暮らしていて、人間関係も風通しが良く住み安そうです。ここ数
年の住宅ブームで一戸建てをラスベガスの郊外でも建て過ぎてしまったため、
シカゴより随分安く家も買えます。今週のシカゴ・トリビューン紙の住宅欄の
特集でも、「Sin City ラスベガスで賭けに出ろ!」という見出が大きく出て
いました。州の所得税が無いというのもラスベガスの魅力で、住宅が高いカリ
フォルニアからも移り住む人が昨今多いようなんです。

私と夫が通っている教会で知り合ったビジネスマンの方に”GO WEST”「西にチ
ャンスがあるよ。」とここ数年言われ続け、やっとラスベガスに越すことに決
めました。シカゴのモトローラなどに勤めていた、IT関連の若い人達も、随分
とカリフォルニアの方へ越して行きましたから、幌馬車に乗って西にゴールド
を求めて行った、先人のごとく夢と金を求めて移動して行くのでしょう。

なぜアメリカでは鉄道が発達せず車社会になったかが良く分かります。アメリ
カ人は皆仕事と土地を求めて家財道具一式を車に積み、好きな時に好きな人と
移動したいのです。ですから一緒に住む家族との絆は深いですが、いつ別れて
しまうかも分からない同僚やご近所とのお付き合いはあっさりとしたものです。
ちょっと日本人の私としてはここが淋しい点なんですけどね。

今週ご紹介したいレストランはカリフォルニアからやって来たお店で、Claim
Jumper(クレイム・ジャンパー)と言います。最近シカゴに進出して来て面白
い名前の店だなぁと思っていましたが、ラスベガスにもありました。アリゾナ、
ネバダ、イリノイ、オレゴン、カリフォルニア、ワシントンに44店舗展開して
います。シカゴの郊外に最近新しく建ったウエスティン・ホテルの真横にあり
ビジネスマンで賑わっていました。

バーに座るなりウエイターのまだ若い男の子が「チーズケーキ・ファクトリー
、あ、じゃなかった、クレイム・ジャンパーへようこそ!」と出迎えてくれま
した。昨日まで、チーズケーキ・ファクトリーで働いていたようです。「どっ
ちの店も、西から進出してきたレストランでしょ、だからちょっと混乱しちゃ
って。すいません。」とウエイターくんは気まずそうにしていました。「大丈
夫ちゃんとチップは多めにあげるからね。」

「クレイム・ジャンパー」とはゴールドラッシュの時代に金を求めて西に行っ
た人々の事を指してこう呼ぶそうです。なのでこのレストランはその時代をテ
ーマに当時の金採掘の写真など飾られています。料理はミートローフとマッシ
ュポテトやチキンポットパイ、バベキューリブスやローストチキンなど家庭的
なものをちょっと高級にアレンジしてあります。ホテルにコンベンションで来
ているビジネスマンが昼からちょっとカクテルでも飲みながら、ほっとした物
を食べたい時ちょうどいいお店です。

ランチメニューでどれも12ドル前後で食べられます。甘い物好きなこちらの男
性が満足出来るデザートも豊富でしたが、大きなケーキなため7ドルから8ドル
もします。クリームチーズパイというのが看板デザートのようでしたが、ちょ
っと遠慮しておきました。すごいカロリーですからね。

西部が舞台のレストランですから、バーとは呼ばずに、”Saloon”「サルーン」
と言うそうです。サルーンではハッピーアワーと言って午後3時から午後7時ま
ではビールが2ドル引き、カクテルも1ドル引き、アパタイザ-もバーベキュー
・チキン・ピザなど各種3.75ドルからあります。今度はラスベガスのお店のサ
ルーンで午後3時から”Mojito”「モヒート」でも一杯飲みたいですね。ゴール
ドのコインでも床に落ちているといいなぁ。米国サウスウエスト情報をまた来
週もお届けいたします。
http://www.claimjumper.com

(ネバダ州ラスベガス在住 カズコ・デイビス)

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● 海外レストランNEWS 韓国レストラン情報————————-■□

■ 寒くなると食べたくなる「カルクッス」明洞餃子
立教大学経営学研究科博士課程後期専攻 李美花(イミハ)

以前、韓国のクッス(麺料理)のチェーン店を紹介したことがあります。麺料
理は老若男女を問わず、愛されている食べ物です。カルクッスの’カル’とは
‘刀で切る’の意味をもち、’クッス’とは麺を意味します。つまり生麺を生地か
らその場で打ち上げすぐに茹でることで、しこしこする腰のあるうどんのよう
なスープ麺がカルクッスなのです。

カルクッスは調理方法によって二通りに分かれます。麺とスープを別々に準備
して最後に合わせて食べる「コンジンクッス:掬い出し麺」と、初めからとっ
た出し汁に麺を煮て食べる「ジェムルクッス」があります。前者は、しこしこ
したさっぱりした味が特徴で、後者は、初めから麺を一緒に入れて煮るため出
し汁と麺が絡んでこくがあります。出汁によってはこってりした濃厚な味が特
長なのです。

昔から家庭で手軽に調理して食べてきたカルクッスは、軽食として安くて美味
しい庶民の味方だったのです。そして、最近数年のフランチャイズチェーン化
によって、具のバリエーションを広がるなどの進化を積み重ね、一気に普及し
てきました。その中でも、韓国人の大好きなアサリ、海老、ホタテなどの魚介
類をたっぷり入れた海鮮カルクッスは人気メニューとして定着しているのです。

その中でもすっきりした味のアサリをたっぷり入れ、麺と絡めて食べる「アサ
リ・カルクッス」は定番メニューです。以前はアサリはミソチゲ、純豆腐(ス
ンドブ)チゲなどに少量を入れて食べるものでしたが、カルクッスにアサリを
贅沢に大量を入れてボリュームを出すことで人気を得たのです。

今回は、カルクッスの元祖とも言われている日本人にも人気の老舗「明洞餃子」
をご紹介しましょう。

カルクッス老舗「明洞餃子」
明洞餃子は、1966年にソウルで一番の繁華街である明洞の中心にオープンして
以来、40年間愛されてきた老舗です。当初の店名は、「明洞カルクッス」だっ
たのですが、全国各地に「明洞カルクッス」の店名の看板をかけた名が続出し
たため、新しく商標登録を行って店名を「明洞餃子」に変更したのです。

当時の明洞カルクッスの繁盛ぶりは、半端ではなかったようで新しくカルクッ
ス店を開く店の店名はほとんど「明洞カルクッス」だったそうです。まるで
「明洞カルクッス」がカルクッスの固有名詞となったようでした。現在では店
名を明洞餃子と変更して営業しているのですが、明洞カルクッスでも通じます。
フランチャイズチェーンが盛んな韓国ですが、明洞餃子は明洞に本店と支店の
2ヵ所しか運営していません。多店舗チェーン化をしないで二つの店舗のみを
運営しているのは、味を守り続けて来たオーナーのこだわりなのでしょう。

メニューは、極めてシンプルで定番のカルクッス(ワンタン入り)と餃子(小
籠包のような蒸し餃子10個入り)、ビビムクッス(辛口の冷麺で雑ぜて食べま
す)、夏限定の豆汁クッスの4つで全ては6,000ウォンの均一価格です(小麦価
格の高騰で昨年末に7,000ウオンに値上げしたようです)。店を尋ねるお客さ
んのほとんどは定番のカルクッスを注文します。連日行列で並んでいるのです
が調理速度の速さと手際の良さで、回転率が早く5分か10分待てば、温かいカ
ルクッスを食べられます。私も本店の2階に並びましたが、階段の下まで並ん
でどのくらい待つかと思えば、5分ほどで着席できました。しかも、注文して
から料理が出てくるまでが早いので、まるでファストフードのような手際の良
さです。

40年の歴史を誇るカルクッスの味のベースは、初めから麺を煮て調理する忠清
道地方の郷土料理のジェムルクッスが原点です。見た目はこってりとしていま
すが、鶏ガラなどからとった出し汁なのでさっぱりした味です。ここで明洞餃
子のカルクッスを美味しく食べる方法を紹介しましょう。この店のカルクッス
には周囲に四つのワンタンが入っていて、その中央に絶妙な味を調えてくれる
薬味が乗せられています。薬味は野菜(ニラと玉ねぎ)と調味して炒めたひき
肉です。この薬味の絶妙な配合比率は明洞餃子の秘法なのです。この薬味は別
々に食べても美味しいのですが、スープに溶かして麺と絡んで食べると玉ねぎ
の旨みとニラのさっぱりした味、肉の濃厚な味が味わえるのです。

まずカルクッスが出たら食べる前に薬味を崩してスープと麺に絡めておきます。
そして薬味の香りを存分に引き出します。この薬味がカルクッスの味を一層高
めてくれるのです。淡白な出し汁に薬味の香りを馴染ませて、激辛のキムチの
刺激的な味とともに楽しむコラボレーションは、どこも真似できない明洞餃子
だけの味です。

カルクッスとともに人気のあるのが肉とニラを入れたシンプルな一口サイズの
小籠包のような蒸し餃子10個入りです。そして、通常のキムチに入れるニンニ
クの量よりも10倍以上は入れているように思わせる激辛キムチが無料でついて
きます。白菜キムチを食べるのではなくニンニクを食べているような錯覚が起
こるほどです。辛いものが大好きな韓国人でも最初は辛くて食べられない人が
多いのですが、段々慣れてきて癖になってしまうほど個性的なキムチです。

明洞ギョウザといえば、無制限のお替り自由が有名です。カルクッスの麺と出
し汁、薬味、キムチとライスは何杯でもお替りできます。カルクッスの出し汁
が美味しいので私は思わず、薬味と出し汁を3回もお替りをしてしまいました。
そして、カルクッスをスープとして辛いキムチでご飯も何杯も食べられます。
うっかりしているとお腹がパンパンになります。例えば、カップルで行ったら
カルクッス一つとギョウザ一皿で十分なほどです。

しかもサービスが素晴らしいのです、年配のベテラン女性がサービスに当たり
ますが、注文をてきぱきと受け取ると他の従業員が料理をすかさず運んでくる
という見事なチームワークです。混んでいるときはマクドナルドなどのファス
トフードよりも早いくらいです。しかも、何回もお替りをしてもいやな顔一つ
見せないのに感心しました。

シンプルな内装の店内ですが、手入れが行き届いていて気持ちよく食べられま
す。明洞はロッテ百貨店の本店やロッテホテルもあるので、日本人観光客の最
も多い地区です。食事をする場所はロッテ百貨店や町に沢山ありますが、私の
一押しのお店が明洞餃子です。

明洞ギョウザのポリシー
1.当日製造・販売
2.最高の食材
3.手作り
4.「明洞ギョウザ・本店」
25-2, myongdong-2ga, jyung-gu, Seoul,Korea
電話/82-2-776-5348
営業時間/10:30-21:30年中無休

韓国語のHP  http://www.mdkj.co.kr
日本語のHP   http://www.mdkj.co.kr/mdkj_old/jinfo.html

(1,000ウオン=116.49円 2008年1月8日レート)

筆者略歴
韓国出身。
長安大学日本語科卒業
ソウル首都料理専門学院で和食と韓国料理の調理師資格取得。
草堂大学調理科学科にて外食経営を学び、卒業。
2004年4月に日本に留学し、立教大学ビジネスデザイン研究科(MBAコース)
入学。
2006年3月同校卒業。経営学修士。
2006年4月立教大学経営学研究科博士課程後期入学、米日韓におけるフランチ
ャイズ・システムをテーマに博士号取得を目指している。
その他、日本では「飲食店経営」執筆中、韓国では「外食経営」等に執筆し、
現在は韓国フランチャイズ雑誌Business & Franchiseに日本のフランチャイズ
企業動向を執筆中。
○筆者連絡先 jane0423@hanmail.net

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● 食ビジネスニュースリリース —————————-■□

■ バレンタインデーに最適 “チョコレートビール”5万本限定発売

宮下酒造株式会社は、「チョコレート独歩」(330ml瓶、発泡酒)をバレンタ
インデーの贈り物として、2008年の1月中旬より限定5万本、発売することにし
ました。

チョコレート独歩は、七種類の麦芽を使用し、ベースとなるビールを完成させ
ました。さらに通常よりホップの使用量を減らして、カカオエキスを加えるこ
とにより香り豊かでまろやかな深みのある味わいを実現しました。酵母はドイ
ツタイプの下面発酵酵母を使用し、低温でじっくり発酵させ極めて洗練された
味わいをもっています。大人の味わいが楽しめる新感覚の発泡酒(日本の税法
上はビールではなく発泡酒扱いとなります)です。「チョコレート独歩」は、
全国の百貨店、スーパー、コンビニ、一般酒販店よりご購入いただけるほか、
弊社ウェブサイトよりご購入いただけます。
http://www.msb.co.jp/chocolate.html

また、弊社では2007年12月より「ホワイトチョコレート独歩」を冬季限定で新
発売しており、大きな反響をいただいております。ホワイトチョコレート独歩
は、ホワイトチョコレートが生地のビールにマッチするように、麦芽の組み合
わせや配合を工夫し、カカオエキスやオレンジピールを使用することにより、
チョコレート風味を引き出し、後味さわやかな仕上がりとなっています。ホワ
イトチョコレートの独特のまろやかなミルクの風味とほのかな甘みをお楽しみ
いただけます。
http://www.msb.co.jp/whitechocolate.html

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● 王利彰のレストランチェック———————————–■□

■ マンダリンオリエンタルのセンスと表参道のうかい亭

○日本橋 マンダリンオリエンタルホテル内 中華 センス
年末に美味しいものを食べようと、ペニンシュラホテルの中華にしようかと思
いましたが、友人がまだオペレーションが安定していなくてサービスが悪いと
言っております。幾つかの情報を集めても同じ状況です。そこで、以前2回ほ
ど訪問したマンダリンオリエンタルのセンスにすることにしました。センスの
料理は安いコースでも大変バリューがあり気に入っていたのです。

昨年はクリスマス・イブに訪問して気に入ったので、今年もクリスマス・イブ
に訪問しました。昨年は予約が大変難しくて、お店も随分混んでいましたが、
今回はちょっと印象が異なります。時間は18時半ですが、客席に空席が目立ち
ます。今回は眺めの良い個室に案内されました。通常は20名程度の個室なので
すが、クリスマスとあって三つのテーブルを用意して普通の客席として使える
ようにしています。しかし、通常の客席にも空席があるし、個室も食事を終え
て帰るまで誰も他のお客さまは来ませんでした。個室でゆっくり食べるのもよ
いのですが、やはり周囲のさざめきを聞きながら食べるほうが賑わいがあって
よいですね。

さて、メニューですがクリスマスとあって26,000円のコースのみです。
ま、バリューのあるコースだからよいかと注文しました。

メニューは
前菜 聖夜の一口のお楽しみ
SENSE特製北京ダックを三種の食べ方で
スッポンと朝鮮人参入り山海珍味のフカヒレ薬膳スープ
または
魚のコラーゲンとフカヒレ姿入り上湯とろみスープ
伊勢海老のマンゴーマヨネーズソース
フレッシュ鮑の炒め タラバ蟹と蟹卵添え 香港野菜のグリーンソースと共に
フレッシュフォアグラの香り焼きと地鶏のロースト
二種類のカントニーズ蒸しパン
紅ツバメの巣のコラーゲン入りマンゴーピューレ
小さな御菓子の盛り合わせ

と昨年とほぼ同様の内容です。料理は美味しかったのですが、ちょっと残念だ
ったのはサービスです。食前酒は如何ですかと言われたので、うっかりメニュ
ーを見ないでグラスのシャンパンを注文したのが間違いの元。通常はグラスの
シャンパンを注文したらワインリストを持ってくるのですが、強引にドンペリ
を持ってきてしまいました。ワインリストには他のグラスシャンペンがあるの
にです。お陰でお会計は1人42,000円ほどとなりました。ペニンシュラホテル
が出来て競合状態が厳しいのでしょうか?

店名 センス マンダリン・オリエンタル・ホテル内
電話  03-3270-8800
住所 103-8328 東京都中央区日本橋室町2-1-1
HP  http://www.mandarinoriental.co.jp/hotel/592000040.asp

○表参道うかい亭
銀座のうかい亭、芝のうかい亭に続く都内3号店のうかい亭です。場所は表参
道のお洒落なビル「GYRE」(ジャイル)の最上階5階です。下にはシャネル、
ブルガリ、MOMAショップ、等のお洒落なお店が入っているビルです。芝のうか
い亭が出来た後、創業者の鵜飼社長が持ち株を投資ファンドに売却したのでど
うしたのだろうと思っていたら、その後、お亡くなりになりました。あの芝の
うかい亭の豪華さは大変感心していたので、今後どうなるのかと心配していま
したが、新店舗の開店を継続するそうで安心しました。

銀座と同様なお洒落な内装で、勿論、古い日本家屋を使ったアールヌーボー風
の落ち着いたデザインです。鉄板焼きの大テーブルと数室の個室があります。
鉄板焼きの大テーブルは表参道の並木を見下ろす素晴らしい場所にあります。
表参道ヒルズが並木を眺めることが出来ないのとは大違いです。

クリスマスの日とあって予約は5時にしか取れませんでした。
クリスマスのコースは28,000円。
メニュー
フランス産 フォアグラのフラン
ブルターニュ産 オマール海老とキャビア
アルバ産 白トリュフのスープ
鮑の岩塩蒸しマリニエール風
うかい特選牛フィレ肉のポワレ 黒胡椒の香りで
クリスマスデザート
コーヒー、小菓子

まず、前菜のフォアグラのこってりした味を楽しみ、次にさっぱりしたオマー
ル海老とキャビアの冷菜。次が、白トリュフのスープとこってりとさっぱりの
組み合わせが絶妙ですね。白トリュフも香りがでて美味しかったですね。白ト
リュフを使った料理で感激した、かどわき(麻布十番)の絶品白トリュフの炊き
込みご飯を思い出しました。

うかい亭のステーキコーナーの造りが素晴らしく、円形の鉄板焼きの背後には
氷を敷き詰めたショーケースが置かれ、そこには伊勢海老や蟹、鮑などが置か
れていますから、食欲が出てきてしまいます。そんな光景を眺めながら、次は
活きた鮑を氷を敷き詰めた綺麗なお皿に盛り付けて持ってきます。その活きの
よい鮑を、貝殻ごと鉄板の上に笹の葉を敷き載せます。その上にコンブを巻き
塩をタップリ載せて塩竃にします。焼き上げている間にソースをつくります。

その調理工程を見ていると思わず早く出来ないかなと期待してしまいます。し
ばらくして蒸しあがった鮑を肝をはずして、スライスしてソースに絡めて、白
いお皿に乗せて出してくれます。ブロッコリー添えです。その上にさらにソー
スをかけてくれます。こってり味ですね。肝は別のソースとあえて出してくれ
ます。丁寧な手順ですね。

締めはヒレステーキです。うかい亭は前菜の伊勢海老や鮑があるのでステーキ
そのものはほんの一口程度です。米国のステーキのように山盛りではありませ
んが、でも、海産物の好きな日本人にはそれで十分ですね。そういう意味では
肉中心のルース・クリス・ステーキハウスにとっては日本のマーケットは難し
いでしょうね。

焼きあがったステーキをスライスして白いお皿に載せてくれます。知人がステ
ーキをスライスするときに鉄板を傷つけないように、肉を軽く浮かして切って
いると感心していた切り方です。

それぞれの料理は小ポーションですが、十分な量でしょう。デザートは別室の
コーナーです。このオペレーションそのものは六本木の瀬里奈が作り上げたも
ので、客の回転をよくするためのものです。でも、うかい亭の凄いのはそれに
プラスして素晴らしいデザートを提供することでしょう。女性に人気が出るわ
けです。デザートコーナーは国連大学に向いたまた異なる風景です。

先日のセンスと比べるとコース料理は高いのですが、シャンパンやワインの提
供がリーズナブルですから価格は1人39,000円とセンスよりもリーズナブルで
す。センスの中華も美味しいのですが、日本人の好きな伊勢海老、鮑を使った
うかい亭の方がうれしいですね。

感心したうかい亭ですが、心配なのはこのロケーションです。表参道や青山は
ファッション関係には大変良い立地ですが、レストランとしてはなかなか難し
い場所です。しかし、青山通りのカシータなどは大繁盛していますから、個性
的なお店であれば大丈夫なのでしょうね。時間が5時と早かったためか、客席
がガラガラだったのがちょっと気になりました。

店名:表参道うかい亭
住所:渋谷区神宮前5-10-1
電話:03-5467-5252
HP :http://www.omotesando-ukaitei.jp/
施設HP  http://www.takenaka.co.jp/news/pr0703/m0703_07.html
会社の今後 http://inumaru.seesaa.net/article/58611267.html
投資ファンド http://www.funai-zc.co.jp/hojin/ki_saisei1.html
ブログ
http://ameblo.jp/ngswcook/entry-10053407357.html
http://utsukushigaoka5.seesaa.net/article/43299922.html

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● 王利彰の米国外食情報         2008年1月9日米国外食ニュース

昨年アトランタで開催されたNAFEM(北米厨房工業展)に最適厨房研究会が視察
団を派遣し、米国大手外食チェーンに厨房機器を供給しているEnodis社の外食
動向のプレゼンテーションを受けたので、数回に分けてご紹介しましょう。

第一回目
日時  2007年10月11日
場所  アトランタ市コンベンションセンター
担当者 Enodis社の Chief Technology Officer Mr.Richard Caron
テーマ 米国厨房業界の動向

1)Caron氏経歴
Caron氏はMIT卒の燃焼エンジニアでMBAも取得しています。1986年フライマスタ
ーのガス燃焼の問題から来日した経験もあります。
現在のエノディス社に移籍する前は高速オーブン製造のターボシェフ社で98年
から2年社長として勤務しており、その間、15台を日本にFMI社を経由して販売
した経験があります。

2)Nenodisの調理機器開発における外食のトレンド分析プレゼンテーション。

<1>Consumers are changing 消費者の好みの変化の早さに対応
消費者は変化を遂げており、それにどのように対応するのかが重要です。顧客
は貴社のオペレーション(経営手法)にたいして味覚、行動、要求の面で常に
進化をしています。エノディス社は変化を遂げる顧客のトレンドを明らかにす
ることによって、対応を迫られる外食業界に解決策を提供していきます。

編集長注
外食業界に対する顧客の要望の変化や食トレンドの変化が早いので、単一の企
業ではその変化に対応できません、エノディス社はそれらを分析し、どのよう
に対応するかを提案しているのです。

外食業界の変化
米国では第2次世界大戦前にはハワードジョンソンのようなファミリーレスト
ラン(コーヒーショップ)が主力でしたが、第2次大戦後の経済復興を目的と
したハイウエー建設の結果、自動車産業が発展し住宅地が郊外に広がっていき
ました。それに対応するべく、KFCやマクドナルド、ダンキンドーナツなどの
ファスト・フードが誕生したのです。

それらが急成長した後、消費経済の成長と共に消費者の高級志向がカジュアル
レストランと言うアルコール比率の高い業態を生みました。20年程前にはファ
スト・フードの不健康なイメージを脱却しようとファドラッカースのようなフ
ァスト・カジュアル業態が誕生し5年程前にはファスト・フードを脅かす勢いと
なりました。

また、スターバックスはグルメコーヒーを武器にマクドナルドやダンキンドー
ナツ、オーボンパンのようなファスト・フードの都市型の店舗の売上を侵食し
てきました。

これらの動きに対応するべく、ファスト・フード業界はファスト・カジュアル業
態に買収攻撃をかけ、自社の売上を上げるだけでなくノウハウの吸収を開始し
ました。しかし、2年ほど前から投資ファンドがそれらの大手ファスト・フード
企業の株式を買収し、ファスト・フード企業のリストラによる株価の向上を目
指し始めたのです。

そのため、各ファスト・フード企業は傘下のファスト・カジュアル業態の売却
に動き始めました。この時点ではファスト・フード企業はファスト・カジュアル
のノウハウをしっかりと吸収していたのです。その結果マクドナルドは食事の
代わりになるサラダメニューや健康的なイメージのある高級チキンサンドイッ
チを開発し、スターバックスに対応できるグルメコーヒーの開発や店舗のイメ
ージアップを開始し、業績を大きく伸ばすことに成功しました。

一時は絶好調であったカジュアルレストランはガソリン価格の高騰や食材コス
トの上昇を上乗せした売価の上昇により不振を極めるようになったし、ファス
ト・カジュアルも最近日本に進出したクリスピークリームのように極度の不振
を極める業態が出てきたのです。

<2>Clockless 長時間営業への対応
顧客の時の概念がなくなってきています。
顧客は日夜関係なく食事を求めるようになっているのです。
エノディス社は24時間何時でも顧客の要望に応えなければならない外食企業に
人件費を増大させないで料理を提供できるような手法を提供します。

その対策として
・24時間稼動と言う過酷な仕様に耐えられる調理機器の開発
・フレキシブルで、早く、そして簡単に使える調理機器の開発
・熟練した調理人を必要としないで、多くのメニューを調理できる賢い調理機
器の開発
(ハンバーガーを焼くクラムシェルグリルであれば複数の調理をするに必要な
間隔と温度、時間を簡単にセットできるようなプログラムを組み込み、フライ
ヤーであればクッキング・コンピュータを組み込み、料理により簡単に時間、
温度、を調整できるようにする。)

当社の製品には
加熱調理機器、クリーブランド社のコンボサーモ(スチームコンベクションオ
ーブン)やリンカーン社(サンドイッチチェーン向けのフュージョントースタ
ー)、ガーランド(クラムシェルグリル)メリーシェフ(温風と電子レンジの
複合調理機器)があります。

調理済食材の保存に対しては、デルフィールドの冷蔵機器やフライマスター社
やメルコ社の保温機器があります。飲料ディスペンサーに関しては、朝昼夜に
よって変化する飲料メニューへの対応を可能にするスコッツマン社やアイスオ
マティック社の製氷機があります。

それらの機器の性能や特徴を把握していただいて、それらを組み合わせること
により貴社の年中無休、24時間営業に対応できるにしていただければ幸いです。

編集長注
米国では共稼ぎが多く、一食に費やす調理時間は15分しかないと言われていま
す。そのために中食や外食業界の利用が多いのです。しかも年々労働時間が変
動し、早朝勤務、深夜勤務などが増えています。それに対応するためにファス
ト・フード業界は24時間営業を迫られています。マクドナルド社では可能な店
は24時間営業を実施し、24時間営業でない店舗でも従来の開店時間午前7時を
午前5時に早めるようになっています。通常の閉店時間は24時となっているの
です。マクドナルド社やバーガーキング社は早朝営業に対応する朝食メニュー
を強化し、対前年の売上を大きく伸ばしています。また、従来は朝食、昼食、
夕食の3時間帯でしたが、長時間営業に対応するために軽食(スナック)の強
化やコーヒーなどのカフェ機能を強化しているのです。現在米国マクドナルド
社の店舗の12%が24時間営業で、ソニックは全店24時間営業、ウエンディーズ
のドライブスルーは24時間営業となっています。
この動きが日本のマクドナルドの24時間営業店舗の増加の背景です。

<3>Convinience 便利さへの対応
消費者は場所を問わずより多くの種類の料理とより良いサービスを期待してい
ます。

エノディス社は高速調理機器技術と調理の出来栄えの良い調理機器を、調理機
器業界の中は最も種類をそろえています。それらの機器は以下の内容となりま

・小型の調理機器を取り揃え、どのような場所にも出店を可能にする
・調理時間を短縮しながらすばやいサービスと多様なメニューの提供を可能に
する
・新しい立地、調理能力の改善、顧客満足度を高める、コストを削減し高い利
益を出せる

当社の調理機器とデルフィールドの冷蔵庫組み込みのワークステーションを組
み合わせることにより最小のキッチンで最新のトレンドに沿ったメニューを提
供できます。それらは以下の内容となります。

・サンドイッチチェーンのためにはリンカーン社のコンベヤーオーブン、メル
コ社のディ スプレー保温機器。
・パスタやオムレツを作るためにガーランド社の電磁調理機器。
・朝食対応としてメリーシェフ社の温風とマイクロウエーブの高速複合調理機
器。

便利さが要求されるコンビニエンスストアーのセブンイレブンで調理をするに
は小型の調理機器が必要となります。実際の例ではグルメピザチェーンのカリ
フォルニアピザキッチンのために10平方メートルの超小型のキッチンを設計し
ました。小型でありながら年商1ミリオンドルの売上を上げる能力を備えてい
ます。そのために調理機器を小型化するだけでなくキッチン内に設置する保温
機や冷蔵庫までモジュール化し全体の小型化を可能にしました。

また、高級業態のカジュアルレストランも顧客の要望で料理テイクアウトを可
能にしています。場合によっては売上の10%にもなるので、顧客への早いサー
ビスを実現するために車に乗ったまま注文をして配達したり、専用の入り口を
設けてすばやく調理をしたり、持ち帰り専用の駐車場を用意するようにしてい
ます。

アウトバックステーキハウスやチリーズなどのカジュアルレストラン大手がそ
の対応を行っています。テイクアウト客を待たせないことが重要で、高速調理
技術の開発を行い従来の10倍の速度で調理できるようにしています。そのため
にコンベクションオーブン、ラジアントヒーター(遠赤外線ヒーター)、電磁
調理、コンベクションオーブン、接触式加熱、などを使う調理機器を開発して
いるのです。実例で言うと、骨付きのラムラックをスチームを使う複合加熱を
コンピュータで制御し、90秒間で調理を出来るようにしました。

このサービス時間を短縮するノウハウは単に調理機器の開発だけでなく、原材
料の受け取り、保管と下拵え、食材準備、調理、顧客への提供、のそれぞれの
過程を総合的に見直すことにあるのです。


外食業界は既に過剰な店舗数と言う問題を抱えており、売上を伸ばすには従来
の立地に加えて従来の外食が営業をしない立地の開発が必要になってきていま
す。そのために空港、学校、病院、スーパーマーケット、百貨店、他企業の店
舗の中に小型店舗を複合出店する、等を行うようになってきました。これらの
立地は小型の面積でなくてはいけないし、建設時間も短時間であることが要求
され、モジュール化の小型で高速のキッチンを総合的に開発することが必要に
なってきているのです。

<4>Sensory Appeal 五感に訴える
消費者は彼らの五感に強く訴える料理や体験を求めるようになってきています。
料理の色彩、香り、食感、等の全てが消費者に提供する料理に求められるよう
になっているのです。エノディス社の技術は消費者の五感に強く訴えることを
可能にしています。高速調理を強調しましたが、調理技術で最も大事なのは料
理の品質です。どんなに健康的な料理でも味や品質が悪ければ消費者の受け入
れらません。消費者を総合的に満足させるためには調理機器の外観(調理機器
の色、形、デザイン)調理機器が発生する匂い、音(静かでなければならない)
も重要になってくるのです。

例を挙げると、マクドナルド社はヨーロッパのドイツで米国とは全く異なるヨ
ーロッパスタイルのマックカフェを開発しています。マックカフェは従来のマ
クドナルドとは使用する調理機器や調理機器が発生する音、提供する料理、調
理機器やキッチンのデザインが全く異なっています。

現在のファストフード業態は従来のように無機質なデザインでなく、スターバ
ックスのようにゆったりとした客席や、全体を見渡せるキッチンにして、顧客
が調理工程を楽しめるようにしているのです。スターバックスの飲料などの値
段が高く設定できるのは、店舗やキッチンの雰囲気が良いからです。

これからの総合的なキッチンシステムは調理機器だけでなく、人(顧客)、料
理、そして調理機器の3つのバランスを取りながら考えなくてはいけません。

編集長注
マクドナルドやダンキンドーナツ、オーボンパンはスターバックスの都市型出
店により大きなダメージを受けましたが、それは飲料などの品質だけでなく、
スターバックスが消費者に訴えるサードプレイスと言う居心地の良い環境作り
であると言うことに気が付きました。そのためにマクドナルド社は2年前の創
業50周年の際に、シカゴ郊外のオークブルック・ショッピングモールと旧本社
の間の地区本部あった場所に、新しいデザインの2階建てのしゃれた店舗を作
り上げました。

通常の店舗とマックカフェを組み合わせたのです。この店舗は急逝した前社長
のチャーリー・ベル氏の記念店でもあります。同じく2階建ての店舗には40イ
ンチ近い巨大な薄型ディスプレーを24台備え画像を流しています。また、保守
的な同社には珍しく、各客席に電源とインターネットの接続を備え、客が色々
な情報を入手できるようにしています。客席は従来のタイル張りではなくカー
ペットを敷き、プラスチックの冷たい椅子から革張りの柔らかいソファーに変
更しました。

店舗外観も従来の屋根裏部屋型の古臭いデザインからかまぼこ型の明るい色彩
の外観に切り替え、看板も赤いプラスチックからお洒落なカフェ風の落ち着い
たデザインにしました。

マクドナルドを脅かしたファスト・カジュアルの店舗は調理場を全て見えるよ
うにして、調理工程を顧客に見せて楽しませたり安心感をかもし出しています。
そこでマクドナルド社はなるべく調理工程を顧客が見えるように改善をしまし
た。

スターバックスにビジネスを奪われたオーボンパンはその殆どの店舗を売却し
(現在は給食大手のコンパスが所有)パネラブレッドと言う高級サンドイッチ
業態を開発しました。オーボンパンは大型の工場で製造した冷凍パンを使用し
ていたいましたが、冷凍パンは冷凍耐性のある特殊なイースト菌を大量に使う
ために味が悪いという問題を抱えるだけでなく、工場への多額の投資が必要で
した。そこで、パネラブレッドの展開にあたっては味を最優先にして天然酵母
を使用し、複数の店舗ごとに小型のカミサリー(下拵えと配送機能)を設置し
天然酵母を使用して捏ね上げたドウを冷蔵状態で店舗に配送し、夜間に店舗ご
とに焼き上げると言う品質第一の仕組みを構築したのです。

オーボンパン時代の店舗は店舗が狭く、ファストフードのようにタイルとプラ
スチックの椅子テーブルを使用していた。それがスターバックスの居心地よさ
に敗北の原因であるとして、パネラブレッドの標準店舗は150席のゆったりと
した客席と、高級レストラン並みのデザイン性のある内装を備え付けて、現在
では米国の外食業界では売上の伸びが第一位です。
(続く)

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