weekly Food104 Magazine 2006年4月12日号

メルマガバックナンバー

● 新店オープン情報
● 米国レストランNEWS
● 赤石貴麻の酒蔵探訪記
● 食ビジネスニュースリリース
● 王利彰のレストランチェック

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● 新店オープン情報 ———————————————-■□

■ 「竈@麺屋空海(かまどあっとまーくめんやくーかい)」4/13 池袋にOPEN

ラーメンカルチャーの新世紀を予感させる新店「竈@空海」が4月13日(木)
11時より池袋西口にオープンします。同店はラーメン店「竈(かまど)」と
「麺屋空海(めんやくうかい)」の二店が合体してできた新店です。

○メニュー一例
竈オリジナルらーめん(by竈)
空海味玉そば(by空海)
コラボ豚骨燻製らーめん
コラボ魚介塩
コラボつけ麺

○店舗データ
住所:東京都豊島区西池袋1-37-8 1F
TEL:03-6904-6661
営業時間:11:00~翌5:00

○竈-KAMADO-: http://www.kamado.gr.jp/
麺屋空海-KOOKAI- http://www.kookai-web.com/

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● 米国レストランNEWS———————————————■□

■ フード・トレンド?より多くの東洋の食材がファーストフードメニューに?

McDonald’s(マクドナルド)はこの春、アジア風サラダをメニューに加えます
が、多くのレストランチェーンでは中国、インド、日本、そしてタイなどのア
ジアン・フレーバーを取り入れる傾向にあります。マクドナルドは昨年秋にメ
イン州からフロリダ州内の900店舗にてアジア風サラダのテスト販売をしまし
た。テストバージョンのサラダはオレンジ風味のチキン、さやえんどう、赤ピ
ーマン、アーモンド、低脂肪の胡麻と、日本食でおなじみの枝豆が入っている
もので、ショウガ風味ドレッシング付きというものでした。

シアトルを拠点とし17店舗を展開する、ラップ・スタイルのサンドイッチのチ
ェーン、World Wrapp(ワールド・ラップ)は昨年タイ風アジアサラダをメニ
ューに加えました。ミント、香草、タイバジルなどがレタスとミックスされ、
きゅうり、アーモンド、グリルチキンが載っているサラダに醤油、酢、ショウ
ガ、カノーラ油とオリーブ油のミックスで作られたアジア風ビネグレットソー
スが付いています。

6種類のアジア風サラダをだすことはリスクが大きいと考えられていましたが
店の売り上げが高いサラダ3種はアジア風サラダということです。またワール
ドラップでは「ベントーボックス」という仕切りが付いた「弁当」風の容器を
使い、コンボメニューとして、チキン餃子、四川風の1つのアントレーと3つの
サイドディッシュを選ぶことができるようになっています。

ファストカジュアル・チェーンのCosi(コシ)ではこの夏に海鮮醤、ごま油、
五香粉で味付けされた海老入りのチョップ・サラダをスペシャルとして出す予
定です。現在試作中のhearth-baked「炉辺焼き」シリーズの中のメニューとし
て、インド風のマサラ・スパイス、トマト、コリアンダー、カレーバターソー
スで味付けされたカレー・サーモンサラダも登場する予定です。

タイ風カレースープが売り上げの10パーセントを占める、Noodles&Co(ヌード
ルズ&カンパニー)では甘辛いスープベースにほうれん草、キャベツ、マッシ
ュルーム、トマト、赤オニオンが入り、麺は米のヌードルを使っており、海老
と豆腐のコンビネーションが人気です。

また中華料理チェーンのPanda Express(パンダ・エクスプレス)は今年に入
って期間限定で、チリ、ショウガ、ガーリック、ピーマン、玉ねぎと一緒にチ
キンを炒めたスパイシーチキンと海老とパイナップルと甘酢ソースの2種のア
ントレーを出しており、今年下旬へ向けてレモングラス・カレーサラダを試作
中です。

6つの種類の蒸した又は焼き餃子をメニューに展開するニューヨークエリアの
餃子専門店、Rickshaw Dumpring Bar(リックシャウ・ダンプリング・バー)
では、餃子の皮は業者に作らせており、レストランではすでに切られているも
のが仕入れられています。

この店舗での一番人気は、チキンのひき肉、レモングラス、タイバジル、春雨、
人参のダンプリングで、スパイシー、ピーナッツソースが添えられています。
他のメニューでは、鴨の胸肉ともも肉のミックスして店内で挽かれた肉、五香
粉、ニラのダンプリングに海鮮醤が付いています。ベジタリアン用には、季節
によって変わりますが、冬にはからし菜、夏はえんどう豆、椎茸、ニラとオイ
スターソース。デザート・ダウンプリングとして、生地は米粉、チョコレート
とバターで作られ、黒ごまがふりかけられているダンプリングを用意していま
す。

リックシャウは現在カウンターのみの1店舗しかありませんが、オーナーのラ
オ氏はマンハッタンに数店舗、第2のマーケットとして東海岸での展開を予定
しています。2店舗目は今後6か月以内にオープンの予定だということです。

アジア料理のレストラン以外でも、アジアの要素が取り入れられているところ
もあります。Mr. Goodcents Subs & Pasta(グッドセント・サブ&パスタ)で
はテリヤキ・チキンとヌードルの組み合わせをサブマリーン・サンドイッチ、
ラップ又はサラダと3種類のチョイスができるようになっています。

ちょっとしたバーガー、ピザ屋さんでも、春巻き等をメニューに見かけること
があります。冷凍食品コーナーでも冷凍春巻きを多くみかけられます。職場で
ケータリングサービスのメニューのアペタイザーにはチキンウイングなどと一
緒に春巻きは必須のアペタイザーメニューになっており、米国人にも人気です。
またテリヤキ・チキンは大手サンドイッチ・チェーンでも通常のメニューにな
っており、「テリヤキ」風味は必須のフレーバーになっています。

http://www.worldwraps.com/
http://www.xandocosi.com
http://www.noodles.com/
http://www.pandaexpress.com
http://www.mrgoodcents.com

(イリノイ州シカゴ在住 畑田ひろ子)

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● 赤石貴麻の酒蔵探訪記~日本の酒~——————————■□

■ 会津のよさは酒の良さ(福島県・花春酒造株式会社)

周囲をぐるりと山々に囲まれてる会津若松。少し走れば標高が100mも違うので
会津では4月から5月半ばまで花見が楽しめるという。「1本の山桜を目の前に
花見を楽しむなんてこともできるんです」と当蔵の宮森社長と品質管理部長の
泉さん。

年間9000石の清酒生産高を誇る酒蔵の社長とは(いい意味で)信じられない程
気さくでそしてとても腰の低い方である。泉さんや他の社員の皆様も同じであ
り、挨拶が基本という社長の思いが行き届いているのが感じられる。

当蔵の特長は、会津の米100%、自家精米100%、自醸酒100%の3つの100%にこだ
わった酒造りをされており、また全量糖類添加もやめられている。味の特長は
「甘っこいイメージが強いようですよ」と泉さん。「なので辛くすると味が違
うって言われてしまうんです(笑)。辛口でも旨く感じるタイプの辛口を目指
しています。」懐かしい味わいで、新潟の酒屋さんが会津に旅行の際にはまと
め買いされていく方も多いとか。

さて、当蔵のある会津若松市神指町は、市街地から車で10分ほど郊外にある。
目の前には田んぼがひろがり、蔵の近くには大川が流れている。「山々の水が
ここで大きな川に合流しますので、水量が豊富なんです。昔は水量が豊富な所
で酒造りなど醸造業が盛んになったです。なぜかというと水車精米ができて大
量の米が精米できたからなんですよ」

泉さんいわく、その豊富な水量を生かして今から400年前、この地に神指城を
建設しようとした武将がいたという。また、水はけがよく田んぼとしては使い
やすい会津の平地は米の生産が非常に良く、この栽培された米は、県内の浜通
りや中通り地域よりも、河川運搬が盛んだった新潟へ出されていたというほど
豊かな水資源は生活と密接に関わっていたらしい。

泉さんはいろんな事をしかも深くよく知っている方だ。会津の歴史はもちろん
酒の習慣の話からワインの話、鑑定官室時代に度々訪れた長野と会津の山風景
の共通点や、東山魁夷の話まで様々な話をしてくださった後、(話を全て載せ
れないのが残念であるが)蔵の中を案内して頂くことになった。

玄関先に飾られた桜の枝にはちらほらと花が咲いている。「咲いている部分に
だけ陽があたっているんですね。今冬の大雪で蔵の周りにある桜の枝が折れて
しまって、それをこう(水につけて)やったら、花をつけたんです。他の種類
もあるんですよ」。瓶詰めや洗浄をしている蔵の先にある、温室のような温か
さの建物にはいると、ほのかに桜の香り。色の違う桜が3種類、花をつけてい
た。

またその建物の裏に案内されて驚いた。清らかな水が小川のように流れ、そこ
にはきれいな水でないと育たないという、クレソンや山葵が青々と育っていた。
仕込水に使う地下水の一部はこうやって放出しているそうで、その水でクレソ
ンや山葵が育っているという。水質のよさを自然が教えてくれている。
会津の春。桜の木の下で、地元の酒で、地元の産物で、春の宴を楽しむ日も間
近。

○本日お薦めの酒
「花春花見酒」1.8L 1,700円 720ml 860円
(季節・数量限定品)
満開の桜を思わせる薄桜色。飲みやすく仕上げた花見酒は4月だけの限定販売。

「夢の香 大吟醸」720ml 1,890円
アルコール度数:16度 日本酒度:-5.0 酸度:1.3
原料米に県酒造好適米「夢の香」と「うつくしま夢酵母」を使用した、こくが
あり、やや重い吟醸香が程良く調和したお酒。

「荒城の月 山廃特別純米酒」720ml 1,500円
アルコール度数:15度 日本酒度:-2.0 酸度:1.6
情熱の詩人、土井晩翠が不朽の名作「荒城の月」のモデルのひとつが、福島県
会津若松市の鶴ヶ城。重みのある旋律からイメージするような味わいを昔なが
らの造りでもある山廃で仕込み、特別純米酒に仕上げました。

「花春 純米吟醸酒」1.8L 2,500円 720ml 1,300円
アルコール度数:16度 日本酒度:-3.0 酸度:1.4
香りは程よく抑えて、うまさの広がりとのど越しの良さが特徴です。

○お問い合わせ先
〒965-0065
福島県会津若松市神指町大字中四合小見前24番1
TEL:0242-22-0022(代)
FAX:0242-37-2100
URL:http://www.hanaharu.co.jp
E-mail:hanaharu@hanaharu.co.jp

○著者撮影の写真
http://saketanbo.exblog.jp/4370685/

○食文化研究家 赤石貴麻(あかいし・たかお)
E-Mail:tafdmail5@yahoo.co.jp

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● 食ビジネスニュースリリース —————————-■□

■ 第9回ファベックス開催 4月12日~14日、東京ビッグサイト

第9回ファベックス2006(惣菜デリカ・弁当・外食・給食専門展)が4月12日
(水)~14日(金)の3日間、東京ビッグサイト(東京国際展示場)東4・5ホ
ールで開催されます。

○今回のテーマ:「“健康・安心・安全”70兆円『食』市場の新潮流~多様化
する世代ニーズと、ライフスタイルの変化に応える食提案~」。
入場料:2,000円(招待状持参者は無料)。
展示規模:250社550小間(目標)
来場者数:4万5000人を(目標)

○展示会に関する問い合わせ:展示会事務局
〒103-0028 東京都中央区八重洲1-9-9東京建物ビル5階
日本食糧新聞社 担当:中川・一瀬・平山・中村
TEL03-3271-4816、FAX03-3271-4818

○詳細HP: http://www.nissyoku.co.jp/fabex/
招待状:http://www.nissyoku.co.jp/cgi-bin/mail/mail.cgi

■ 業界初「デリー オンラインレストラン」開店のおしらせ

インドカレー、インド料理専門店デリーは、創業50周年を迎え、新たな画期的
サービス「デリーオンラインレストラン」を4月10日にスタートしました。
「限りなくレストランに近い味」をお届けすることと、「ホームページ上のレ
ストランの雰囲気」と「お店の雰囲気」をできる限り近づけるというのが基本
コンセプト。

限りなくレストランに近い味を実現するために、従来のパック商品と違い、
1.具が入っている。
2.銀座店、上野店で仕込むか、あるいはそれらのコックが工場で、店と同じ素
材、量で作っている。
3.おいしい味を保てる殺菌方法を選んでいる。
○レトルト殺菌(121℃以上)では、味、風味の劣化が激しく、冷凍はものに
よって(特に野菜)また扱い方によって劣化するので、低温殺菌(95度前後)
が中心です。これですとカレーも鍋の中とほぼ同じ状態を保ちます。
ということを重視して作っています 。

○関連HP: http://online.delhi.co.jp/

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● 王利彰のレストランチェック———————————–■□

■ マクドナルド50周年を記念の調理機器技術50年史 その17

日本マクドナルドの調理機器技術史 その3

最初の課題はバンズトースターです。マクドナルドのハンバーガーは切り口を
トーストして提供します。トーストする理由は予め工場で焼き上げたバンズを
温かくするためと、切り口を狐色に焦げ目をつけて、ケチャップや肉汁などが
染み難くするためです。

マクドナルド創業時にはバンズはミートパティを焼き上げる鉄板に切り口を下
にして並べ、上に蓋をして焼き上げていましたが、売上げが上がりミートパテ
ィを大量に焼く必要が出てくると、バンズ専用の電気トースターの導入を行う
ようになりました。

ヒーターを鋳込んだアルミにテフロン加工したトースターで、同時に24個のバ
ンズを焼き上げることができます。温度制御はサーモスタットで行い、華氏400
度(摂氏204℃)に保ちます。トースト時間の55秒はタイマーで制御します。
理論的にはきちんと焼きあがるはずですが、切り口全体が綺麗な狐色になりま
せん。この原因はバンズの製造工程とトースターの構造にありました。

まず第一の原因のバンズですが、マクドナルドのバンズはスペック(仕様基準)
があり、クラウン(上部)とヒール(下部)の直径、厚さが厳格に決められて
います。トースターはその基準内部のバンズを焼けるようになっているわけで
その基準以外の寸法のバンズは綺麗に焼けないのです。工場で焼き上げたバン
ズは、バン板からはずされ、コンベアーの上で冷却されます。十分に冷却した
バンズをバンドソーでスライスするのです。十分に冷却しないでバンズをスラ
イスするとスライス後にバンズが乾燥して切り口が反ってしまい、綺麗に焼く
ことができなくなるのです。バンズの製造工程では、バンズの肌理の細かさ、
厚さ、スライスの状態が大変重要なのです。

マクドナルドは創業時、日本側は藤田商店の藤田田氏と、H氏が経営するD製パ
ンが25%ずつ、米国側が米国マクドナルド社50%の出資と言う形態でした。藤田
田氏は主に女性向けブランド商品の輸出入業者として成功していましたが、食
の関係はあまり詳しくないので、バンズを製造する能力のあるD製パンと提携
したのでした。

ファミリーレストランは店舗での作業を省力化、標準化するために、自社でセ
ントラルキッチンを設け、加工した食材を店舗に運び込みます。つまり、食材
の加工と物流を自社で行うのが特徴です。そのために多額の設備投資と不慣れ
な食品製造を行うと言う負担が生じます。そこで、米国生まれのファストフー
ドは食材等の原材料の加工を専門の食材メーカーに任せます。製造された各食
材を集荷し、それを店舗に配送するためにディストリビューターと言う専門の
配送業者を作りました。食材の製造工場と配送業者はマクドナルドとは資本関
係のない外部業者です。これにより、食材の製造、配送、をアウトソーシング
し、店舗展開に100%投資をすることを可能にしたのです。

D製パンはバンズの製造とバンズの配送だけでなく、その他の食材(冷蔵、冷
凍、常温)の配送も受け持つことになりました。株主として、食材の製造と配
送を受け持つことは小回りが聞くと言うメリットがあったのですが、マクドナ
ルドの要望を聞き入れないと言うデメリットも生じました。

当時のD製パンは大変優れた製造技術がありましたが、マクドナルドの厳しい
バンズ基準に適合するためには大変な努力が必要でした。店舗からはバンズの
形状、重量、スライスについて様々なクレームが出ましたが、大株主としての
立場に安住してか、なかなか対応をしてくれませんでした。

店舗サイドとしては口頭でクレームを言っても埒が明かないので、コンサルテ
ーションリポートのバンズの寸法を明記し、全店の問題点を記録するようにし
ました。また、問題が発生した時点で、クレーム報告書を作成し、ポラロイド
カメラで撮影した画像を添付して全店から問題を集める様にしたのです。この
問題の改善については、後に藤田田氏と藤田商店側がD製パンから株を買い取
ることになりました。その後に全く資本関係のない、Fパンにバンズの製造を
依頼するようになり、やっと品質問題が解決したのです。

次の問題はトースターの加熱能力です。マクドナルドのバンズトースターは、
204℃プラスマイナス7℃で温度を保つはずですが、計測するとプラスマイナス
20℃もあり、焼け色に濃淡が発生しました。また、24枚のバンズを焼き上げる
大きなアルミ板のゆがみの発生なども均一な焼き色がでない原因となりました。

その原因を追究すると、温度を保つためのサーモスタットの精度が低いことが
わかりました。当時のサーモスタットはロバートショー社製の液膨張型を採用
していました。センサー部分がトースターの側面に接触して温度を感知するの
ですが、その接触が十分でないと言う問題がありました。そこで、全店に情報
を流しサーモスタットセンサーの接触方法を確認させ、改善を促しました。
しかし、それでもセンサーの特性上十分な精度になりません。当時のロバート
ショー社のサーモスタットは使用していたスロータイプの感度の遅いものと、
クイックアックションタイプの精度の高いものがありました。マクドナルドで
使用していたサーモスタットはスロータイプのものでしたので、クイックアク
ションタイプのセンサーに変更することにしました。

温度制御は改善したのですが、バンズを24個焼き上げるときと12個焼き上げる
ときとでは焼き上がりが異なります。一度に24個を焼き上げるトースターは精
度上均一の間隔にならないのです。米国視察の際に米国はその問題を解決する
ために12個ずつ焼き上げるトースターを2台に変更していました。そこで、12
個焼き上げるトースターに変更を要望したのです。

さて、温度はトースターだけでなく、ミートパティを焼き上げるグリルやフラ
イヤー、マックシェイクのシェイクマシンの品質管理には大変重要です。温度
計測が品質管理の基本ですが、当時の温度計は大変原始的で、グリドルやトー
スターの表面温度を計測するにはバイメタル式の温度計を、フライヤーは高温
対応の水銀温度計を、シェイクなどの低温はアルコール式の温度計を使用して
いました。

グリドルやトースターなどの表面温度を計測するバイメタル式は、使っている
と汚れやカーボンなどが堆積し精度が狂ってきます。数個の温度計を並べ平均
値で測定するなどといういい加減な温度計測でした。ここで、正確な温度計の
必要性が出てきたのです。そこで、温度計メーカーを探して、精度の高い機械
式の温度計を探してきました。当時、サーミスター式という温度度センサーと
メーターの組み合わせが販売されていたので、それを標準温度計としました。
ところがこの温度計はサーミスターと言うセンサーの特性から、ある一定の温
度幅以外の精度が低く、また、使っていくうちに精度が大幅に狂うと言う問題
にぶつかりました。しかし、予算の関係上店舗では問題のある温度計を継続し
て使用せざるを得ませんでした。

そこで精度の良い温度計をスーパーバイザー専用に数台購入して、コンサルテ
ーションレポートの作成時に使用することにしたのです。スーパーバイザーが
使用する精度の高い温度計もサーミスター式でしたが、当時の日本のサーミス
ターの製造トップメーカーの製造する温度計で店舗の温度計の5倍はする高価
なもので、精度は大変に高かったのです。しかし、温度センサーの熱容量が高
く、正確な温度を計測するのに大変時間がかかると言う欠点がありました。

その頃に米国のセンサーメーカーと提携して、熱伝対(サーモカップル)方式
のセンサーとデジタル表示を組み合わせる温度計が販売されました。当時の高
精度な温度計の3倍もする価格でしたが、精度が高く測定速度も物凄く速く、
正確な温度を計測するのに向いていました。これを店舗に導入したかったので
すが、価格があまりにも高すぎて不可能でした。

当時、私はスーパーバイザーで店舗の問題点の改善に取り組んでいましたが、
所詮素人で毎日が勉強の連続でした。当時アメリカのエンジニアー部門の副社
長で天才エンジニアだった、ジム・シンドラー氏が日本の建設部(後の機器開
発部)の指導にあたっていました。シンドラー氏は日本が大好きで日本に長く
滞在することが多かったのです。氏は発明家ですから、常に新型の調理機器の
開発に余念がありませんでした。第2回目でお話した全自動のハンバーガーマ
シンを米国で開発していたのですが、それとは別なアイディアを日本で実現し
ようとしていたのです。

米国で開発中の全自動のハンバーガーマシンはミート一枚分の鉄板で上下から
ミートを挟んで焼き上げる形式でした。氏が日本で開発を考えたのは、鉄板の
代わりに向かい合った36本の熱せられた鉄棒の間をミートパティが下部から上
部に上がりながら焼き上げるローラーグリルでした。冷凍のミートパティを焼
き上げるには多大な熱カロリーが必要です。その主な熱カロリーは肉の70%を
占める水分です。冷凍の肉を焼き上げると肉内部の凍った水分が溶けて蒸発し
大きな熱を奪うのです。ローラーグリルは焼き上げる肉の水分が鉄板に接しな
いで下に垂れるために熱効率がよいというコンセプトでした。

氏はそのローラーグリルを日本のベンチャー企業に依頼して開発しようとした
のですが、氏は常時日本にいるわけではありません。そこで、日本マクドナル
ドの建設部(店舗の設計施工と調理機器の設計開発、メインテナンスを担当)
にフォローアップを依頼しました。しかし、日本のエンジニアーはその機械を
見てこんな複雑な機械の開発を手伝わされたら大変だという事で皆逃げ出して
しまい、何もわからない筆者が手伝わされる羽目になってしまったのです。氏
と仲の良い日系米国人(米国側より派遣された運営部顧問)が機械の改善を担
当している私に目をつけ、上司の特権でやれと命じたのです。

さて、このローラーグリルは温度制御が複雑であり、サーミスターセンサーの
アナログ温度計では応答が遅く、温度計測に1時間も時間がかかってしまい、
温度データを取るだけで一苦労でした。当時、ある大手の温度計測メーカーY
社から、初めてサーモカップルセンサーを使用したデジタル表示の温度計が発
売されていました。値段が高かったので当時の会社でも1台しかなく引くてあ
またの人気機種でした。

あるときに寒風吹きすさぶ赤城山の麓で温度計測をしている際に、アナログ式
サーミスターセンサー温度計のメーカーS社の老齢のエンジニアが筆者に合流
しました。S社はローラーグリルの温度コントロールを作っていたのです。温
度計測をする際にその老エンジニアに、S社の温度計とY社のデジタル温度計を
比較してみせ「あんたの会社の温度計は時代遅れだ」と文句を言いました。顔
色を変えた老エンジニアは「何だそんなもの、俺の会社で作ってやろうじゃな
いか」と言うではありませんか。名刺を交換してみると、何とその老エンジニ
アはS社(現在は上場会社)の創業社長ではありませんか。それからS社を毎週
訪問し、別のエンジニアに温度計のセンサーのレクチャーを受けながら新型の
温度計の設計に取り組んだのです。

今まで、バイメタル、サーミスター、サーモカップル、とセンサーの種類を述
べてきましたが、レクチャーを受けるまでその意味がわかりませんでした。素
人の怖さですね。バイメタルと言うのは熱膨張の異なる2つの金属を張り合わ
せ、熱膨張で金属が変形する量を温度計測に当てる形式です。

サーミスターと言うのは金属酸化物や半導体などが、温度で電気抵抗値が変化
することを利用して温度を測る物で、半導体の一種です。低価格で一定温度帯
で精度が大変高いのですが、精度が高い温度帯は狭いので、冷凍温度のマイナ
ス30℃~250℃と言う広い温度幅の計測をしなければいけないマクドナルドの
用途には不向きだったのです。また、センサーが焼成した半導体で大きく、感
度が鈍いと言う欠点もあったのです。それが上記の計測が遅いと言う不満につ
ながっていたのです。
http://www.comb.kokushikan.ac.jp/lecture/envmeasure/node23.html

サーモカップル(熱伝対)とは、2種類の異なった金属を張り合わせ温度をか
けると微量な電流が発生し、その電流値を読み取り温度表示をするものです。
このサーモカップルは形状がフレキシブルで、応答速度がよいというメリット
がありました。一般的に使用するサーモカップルにはCAと言う表示があります。
その他、CCとかあります。CAとはクロメルとアルメルという金属の組み合わせ
で、温度精度が比較的安定し、金属も色々な食材に接触しても劣化しないと言
うメリットがあり幅広く使われています。その他、CCとはコンスタンタンとカ
ッパーの組み合わせで低温域の精度が高いと言う特徴があります。その他色々
なサーモカップル用の金属の組み合わせがありますが、それぞれの精度、特徴
を見て用途別に使用するのです。食品用にはCAが一般的に使われています。
http://www.comb.kokushikan.ac.jp/lecture/envmeasure/node20.html

そんなことを勉強しながら、マクドナルドで使用する温度計の仕様書を作って
いったのです。素人の恐ろしさです。レクチャーを受け、専門書を読んでいる
と色々なことがわかります。温度計には誤差があります。測定温度プラスマイ
ナス何度が誤差なのですが、多くの温度計に表示されている誤差は測定可能な
最低温度と最高温度の差に対して、数パーセントの誤差が発生すると表示しま
す。それを真に受けると10度以上の誤差が一般的なのです。でも私が求めてい
るのは各温度帯で何度の温度の誤差があるかと言うことです。この誤差表示は
JIS(日本工業規格)で定められたものでした。

今回使用するCAセンサーの特性を見てみると、どの温度帯でも安定した直線性
(リニアリティ)を持っています。各温度に対して発生する電流値の誤差が少
ないのが良いのです。その数値を見てみると、各温度に対してプラスマイナス
2℃の誤差の範囲だったのです。素人にわかりやすいのは「温度誤差プラスマ
イナス2℃」と言う表示なのですが、JISの指定する表示ではそのような表示は
できません。しかし、企業内で使用するならそれで良いではないかということ
になりました。

次にその誤差の保証です。本当に誤差が各温度帯でプラスマイナス2℃なのか
を保証しなくてはいけません。メーカーにより実温度を測定して温度校正をし
て温度計を販売する場合がありますが、とてつもない費用がかかります。そこ
で注目したのが、S社の工場です。私が何か機械や食材を開発する際には必ず
工場や農場を確認します。現場には色々なヒントや問題が隠されているからで
す。S社の工場を見たときに注目したのが、温度校正槽が数十台と沢山並んで
いることでした。S社の本業はサーミスター素子の製造です。沢山の素子を製
造し出荷する際に抜き打ちで温度精度を校正しているため、多数の温度校正槽
を持っていたのです。

その温度校正槽で温度チェックをしてもらえればよいのですが、多額の費用が
かかります。そこで、部下の社員を大量に動員し、当時発注しようとしていた
100台の温度計の温度校正を行うことにして、温度校正費用を無料に仕立てた
のです。こんなことをやれるもの素人の恐ろしさです。

また、マクドナルドは米国で作られましたから、度量衡は華氏やインチ、オン
ス、を使います。グリドルの温度は華氏400度、摂氏204℃と華氏のほうが覚え
やすいのです。そこで、デジタル表示なんだからスイッチで摂氏と華氏を切り
替え表示できるようにして欲しいと依頼しました。しかし、度量衡法の規制で
それは違法です。そこで、法律を調べました。すると摂氏の時には204℃と表
示しても華氏の時には400とFの表示をしなければ問題ないということがわかり
ました。そこで、その切り替えスイッチを組み込むことにしたのです。

次は使い勝手です。通常の温度計は片手に表示部分を持ち、反対の手にセンサ
ーを持って計測するのですが、計測数値をメモする時にいちいち表示部分をテ
ーブルの上に置く手間があります。そこで温度計を首にかけるようにして、十
分な長さの温度センサーケーブルにすることにしました。

次はサーモカップルセンサーCAの応答速度の問題です。細い(または薄い)2
つの金属を張り合わせ、保護ケースに入れます。高温の油の温度計測をする場
合にはその保護ケースが太いと温度測定時間がかかるし、誤差が発生します。
細いと破損の恐れがあります。グリル用の表面温度計センサーも同様の問題で
す。グリルは温度に敏感ですから、温度計センサーが表面に置いただけで数度
の温度が低下します。そこで、温度計センサーの熱容量を最小にし、かつ耐久
力を持たせる工夫をしました。これは店舗で実際に使ってどこまで許容するか
を調べなくてはいけないのでした。また、競合の温度計を数社買い求め、仕様
の比較をしたのです。

次は温度計の保護でした。精密機械の温度計の計測部分は、落下すれば下は固
いタイルですから、壊れてしまいます。でも精密機械を扱いなれていない店舗
の従業員ですから、落とす可能性は十分にあります。そこで衝撃を吸収できる
厚い保護ケースを作りました。そして落下して床に接触する部分には緩衝部分
を設けショックを吸収する工夫をしました。緩衝部分には充電池のコードを確
保するようにしました。この部分にはボタンをつけるのですが、一つでは耐久
力に心配です。そこで2つのボタンをつけて耐久力を増しました。

通常の温度計は使い捨ての電池を使用していましたが、マクドナルドで温度を
計測する際には、電気屋が営業していない深夜ですから、電池切れになっては
困ります。そこで、コストアップを覚悟に充電式の電池を採用し、電池が切れ
ても電源ケーブルをつないで充電しながら計測できるような工夫を凝らしまし
た。(今では24時間営業のコンビニがどこにでもありますから、こんな必要は
なくなりましたね)

これだけ壊れないように開発しても忙しい店舗ですから、床に落下させたり、
水につけたり、フライヤーで揚げたりと、必ずトラブルはあります。トラブル
があった際にどのようにしてメーカーに送り返すか説明書に書いてあるのです
が、店舗は説明書をすぐになくしてしまいます。そこで、計測器のケースに丈
夫なラベルで取り扱い説明とメーカーへの返送の方法を印刷し貼ることにしま
した。店舗の現場ではこんな細かい工夫も必要なのです。

さて、温度計を開発し100台を発注することになった時です。1台7万円と当時
使用していた精度の低い温度計の3倍ほどの値段でした。でも、同じ機能の他
社製品は15万円もしたので、それに比べれば半額です。しかし、100台となる
と700万円も必要です。そこで、提案書(稟議書)を書き、分厚い開発資料を
添付しました。当時の上司の運営部長はそれをチラッと見るなり「俺はこんな
のわからないから判子を押してやるから、お前責任持って社長(当時の藤田田
氏)に説明しろ」と言うではありませんか。普通は上司の運営部長が社長に説
明するのですが、しょうがないので、私が直接持参し判子をもらいました。

その高精度の温度計を全店舗に導入し、店舗の温度計測の基準は大幅に向上し
それからの調理機器や食材の品質改善に絶大なる効力を発揮しました。私はこ
れは成果だから当然お褒めの言葉をもらえるのかと上司に聞いたら「馬鹿、古
い温度計の処理はどうするんだ、あれだけで数百万浪費したじゃないか」と逆
に怒られてしまいました。マクドナルドって厳しい会社だなと実感させられた
のでした。

温度計には後日談があります。この温度計の開発に味をしめ、もう一つの温度
計の開発に取り組みました。開発した温度計は精度が高いものでしたがそれで
もプラスマイナス2℃の誤差があります。当時品質改善を迫られていたマック
シェイクの温度計測にはその精度では不十分です。プラスマイナス0.1℃の誤
差が必要ではないかと思いました。そこで、それまで学んだセンサーの知識を
フルに使い、精度の格段に高い白金抵抗体を使用したセンサーを開発すること
にしました。例によって販売されている各社の温度計を購入し、使用し特性を
把握して、メーカーのレクチャーを受けながらの開発です。

その結果、短期間でプラスマイナス0.1℃の温度計の開発に成功しました。し
かし、商品化には失敗です。その理由は温度計の精度は高いのですが、肝心の
シェイクマシンの温度制御がそんなに精度が高くなかったからでした。あまり
理想を追ってもだめだと言う教訓でした。この温度計の開発にはスーパーバイ
ザーになってから、ハンバーガー大学プロフェッサー、そして統括スーパーバ
イザーになるまでの5年ほどの月日が必要だったのです。でもこの温度計の開
発を通じて色々な勉強をしました。

最近、高度な衛生管理のHACCPと言うシステムがありますが、このシステムで
重要なのは温度管理です。今ではデジタル温度計が普及していますが、温度計
は使っていくうちに必ず狂いが生じます。その狂いが適切な範囲内なのかを計
測することが、HACCPでは必要なことなのです。CAなどの熱伝対を使用するデ
ジタル温度計は直線性があるので、0℃と100℃の2点で温度を計測して誤差を
測ればよいのです。

0℃を作るにはカップに氷と水を入れ、攪拌すると0℃になります。100℃はお
湯が沸騰する温度ですね。でも夏などのように外気温が35℃にもなると水道水
の温度も30℃を超えますから、カップに氷と水を入れても3~5℃にしかなりま
せん。そこで、カップを2つ用意し、一つのカップにたっぷり氷を入れ、そこ
に水道水を入れ攪拌して冷やします。もう一つのたっぷり氷を入れたカップに
冷却した水を入れさらに攪拌するとようやく0℃の水になるのです。沸騰温度
も同様です。鍋でお湯をぐらぐら沸いた状態でも蓋が開いて蒸気がどんどん出
ると温度は98℃程度にしかなりません。そこで、蓋をした薬缶で湯をぐらぐら
沸かし、注ぎ口からセンサーを入れて計測すると100℃になることを発見しま
した。

その温度校正の手法を明記しマニュアル化したのです。でも現在のHACCPの本
ではそんなノウハウは書いていませんから多分、温度校正をした方は温度計が
狂っていると慌てるはずです。温度計開発5年の経験が生きていると言えるで
しょう。
温度センサーの知識
http://www.comb.kokushikan.ac.jp/lecture/envmeasure/node19.html

(続く)

■ 北京 食ツアー その2 ピザハット

朝食は毎日、ペニンシュラホテルのブッフェです。洋風と中華風の2箇所のブ
ッフェがあります。中華風は凝った内装で落ち着いているのですが、洋風のオ
ープンキッチンのブッフェがデザインも素晴らしいし、食事も美味しいのでお
勧めです。

さて、2日目は食事も大事ですが、2008年のオリンピック開催に備えて整備を
している北京の食品小売業を見学しようと言うことになりました。そこで、日
本から進出したイトーヨーカ堂とフランスのカルフールを見学することになり
ました。

祭日のためかイトーヨーカ堂(http://www.ht-store.com/)は大繁盛でした。
日本のイトーヨーカ堂の洋服売り場で人があふれるのをあまり見たことがあり
ませんが、北京のお店は洋服売り場も大繁盛でした。地下の食料品売り場も人
の洪水で、販売方法も人を大量に動員した対面販売を導入し、活気に満ちてい
ます。この中国人に受ける販売方法を取っているフレキシブルさには感心しま
した。

次にフランスから来たカルフールを訪問しました。日本では既に撤退していま
すし、韓国からも撤退が予定されていますが、中国では大成功したようです。
早速、店舗(http://www.carrefour.com.cn/)を訪問しました。店舗周辺の駐
車場は満車です。2階建ての巨大な店舗は人で埋まっています。2階は雑貨、衣
料品、電化製品などが販売され、1階は食品売り場です。通路が狭く品物がぎ
っしりと並んでいます。鮮魚売り場は対面販売で生きた川魚が踊っていて活気
あふれています。日本の気取ったカルフールとは大違いです。レジも狭くて通
り過ぎるのに満員電車の中を掻き分けて外に出るような混雑振りで閉口しまし
た。どうも中国ではカルフールのような売り方は受けるようですね。日本と韓
国で失敗し、中国で成功するとは、研究の余地がありますね。

さて、買い物でへとへとになり、通りを隔てたピザハットで休憩をすることに
しました。私は「北京まで来てピザハットなんて」と反対したのですが、若い
メンバーが一日一枚はピザを食べたいと贅沢なことを言うのでやむなく食べる
ことにしました。
http://www.pizzahut.com.cn/phcda/index.aspx

日本のピザハットはKFCが運営しており、宅配中心でレストランスタイルでは
ありません。しかし、北京のピザハットはレストランスタイルが中心で、この
店舗も150席ほどの広いお店です。ファミリーレストランのように案内係が客
席に案内してくれます。メニューはファミリーレストランのようにアペタイザ
ー10~24元、サラダバー(1回だけ)28元、スープ15~20元、ピザ スープリー
ムで9インチ58元、12インチ88元、スパゲティー28元、と結構な価格帯です。

しばらくして注文を取ってくれたので、ピザとサラダバーを注文しました。
食べだすと、従業員がニコニコして近づいてきて「お食事の味はいかがですか」
と聞いてくれます。周囲をきょろきょろしていると即座に従業員が近づいてき
て「何かお探しですか」と聞いてくれます。マネージャーもお客様の顔を見な
がらニコニコと客席を回っています。しばらくすると、マネージャーのユニフ
ォームを着た女子従業員が近づいてきて、ニコニコと片言の日本語で話しかけ
てくれます。女子大2年生でアルバイト歴1年です。時給は新人が6元、彼女は
スイングマネージャー(管理職のアルバイト)で7元です。

私は昔、香港のマクドナルドのトレーニングをしたことがあり、従業員に笑顔
がないのに閉口したことがあります。中国は儒教の影響が残っているので、女
性は知らない人に笑顔を見せないのかと思ったものでした。マクドナルドが中
国に進出したときにも笑顔を出させるために大変苦労をしたそうです。しかし
このピザハットの従業員の笑顔には驚きました。皆ニコニコしているし、アン
ケートを積極的にとるなど顧客の満足度向上に熱心なのです。

中国にはマクドナルドとYUMブランド(KFC、ピザハット、タコベル)が進出し
ていますが、YUMブランドの方が優勢と聞きました。KFCのフライドチキンがダ
ントツの人気だと聞いていましたが、ピザハットのオペレーション、従業員教
育の素晴らしさに驚かされました。このオペレーションを日本で実践すれば、
立派なファミリーレストランになるのではないかと思いました。

今回の北京旅行で印象的だったのはピザハットを初め、レストランのサービス
の素晴らしさでした。
次回は、地元高級レストランでのサービスをご紹介しましょう。

(続く)

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