南イタリア プーリア便り- カモミール

南イタリア美食便り

イタリアでは4月25日がナチドイツからの解放記念日、5月1日のメーデーも祝日なので、この時期日本同様休日続きとなります。今週末までの2週間、プーリアではレッドゾーンからオレンジゾーンに格上げされて娘の通う高校でも対面授業が再開されています。再開すると学校側が決めても生徒側が登校を拒否することも許されるので実際は彼女のクラスでは28名中半分以下の12名しか出席していません。クラス全員がリモートを選んだところもあるようです。教師は対面とリモート両方に対応しなくてはならないのでストレスが増しているようだと娘が話しておりました。日本に比べて陽性者の数が桁違いに多いイタリアですので、私たちのような田舎に住んでいてもご近所や親戚筋など周辺には罹患した人々がおります。ワクチンの接種率も日本よりは高いですが、効果の実感は感じておりません。危機度のゾーンわけに拘らず、いつ濃厚接触者になるかはわかりませんので、子供を学校へ行かせたくないと考える親の気持ちもわからなくはありませんが、高校生にもなると本人達が本心はリモート授業の方がサボれるからという理由で親にアピールしているケースが多いのではと思われます。その証拠に夜は町をたむろしている若者も多いようです。

5月に入って初夏を感じる気候が続いています。我が家の自生のカモミールも畑のあちこちに咲き始めました。畑を耕す際には雑草扱いですが、引き抜く際にもりんごのような、独特の甘いかおりで楽しませてくれます。我が家では花を乾燥させてお茶用として保存します。日本の方にプレゼントすると皆さん驚かれるほど香りが豊かです。
カモミールは万能薬として古くからヨーロッパでは重宝されているハーブですが、伝統生薬製剤の欧州指令に従い医薬品ともなっています。一年草のジャーマンカモミールと多年草のローマンカモミールの2種類があり外見上や香りなどの違いはっきりわからないのですが、どうやらうちには両方あるようです。イタリアでもハーブティと言えばカモミッラ(カモミール)をまず思い浮かべるほど親しまれており、リラックス効果があるので夜寝る前に飲むものというイメージが一般的です。感冒薬、下痢止め、胃腸薬、消炎剤、入浴剤やシャンプーなどにも使われています。
花言葉は「逆境に耐える」、「苦難の中の力」。小さくて可憐な花ですが、まさに今、力を与えてくれる花ですね。

実は、リタイア後プーリアへ移住してきたイギリス人の友人が本国へ帰るので使っていた養蜂箱をくれるという話があって、以前からぬるく温めづつけてきた「我が家の蜂蜜作り」というアイディアがムクムクと膨らみ始めています。自家製の蜂蜜を入れた我が家のカモミールティの味を想像するだけでワクワクして免疫力が上がりそうです。

大橋 美奈子

大橋 美奈子

東京生まれ。演劇プロデューサーを志し、高校卒業後アメリカ留学。ニューヨーク大学芸術学部在学中は舞台、映画で俳優及びプロデューサーとして活躍。卒業後、メディア関係のリサーチ、コーディネイト会社を設立。現在はホスピタリティビジネスのコンサルタントである夫ジョヴァンニの故郷であるイタリア・プーリアから“外食とはエンターティメントである”という考えのもと“感動”を創る仕事を支えています。

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