南イタリア プーリア便り- 桑

南イタリア美食便り

6月2日、イタリアは共和国記念日の祝日です。残すところ後1週間で学校も年度末を迎え3ヶ月の長い夏休みに入る子供たちはすでに心ここにあらず。
プーリアの観光地の大人たちはこの夏も訪れるであろう多くのヴァカンス客への対応の準備が最大の関心事です。ワクチン接種も進み段階的にイエローゾーンからホワイトゾーンへイタリア各州が移行していくなかプーリアは14日からホワイトゾーンになります。これで夜間外出制限もなくなり、レストランも通常営業へ戻る事ができます。B&Bや貸別荘などが多い我が家周辺の田舎道もすでに少しづつ自動車の通行量が増えて来ており、ハイシーズンに入っている実感があります。

我が家の庭では今週はさくらんぼに加え桑の実を収穫しています。
桑(イタリア語でジェルシGelsi)はアジア原産でヨーロッパへはシルクロードを通ってやって来たものですが、こちらでは日本ではあまり見ることのない白い実をつける種類の木が多いようです。我が家には実の色が黒、赤、白と全部で5種類ほどの桑の木があります。赤い実は酸味がありますが、白い実はさっぱりとした程よい甘さです。生のものはプーリアでも市場や八百屋ではほとんど見かけません。デリケートな実なので完熟したものを収穫しながら木の下で食べるのが一番です。ジャムも美味しそうですが、我が家ではそれほどの量は取れないのでもっぱら生食です。

桑と言えば養蚕を思い浮かべますが、伝統的なイタリアンシルクは北部のコモ湖周辺が有名です。プーリアではその昔は綿花の栽培や羊毛などは盛んに行われていたようですが、養蚕が盛んだったという話は聞きません。それでも桑の木は割とよく見かけます。主に果実の採れる庭木として植えられているといった感じです。イタリアでも自然食品/健康食品の店ではミネラル類やビタミン類、ポリフェノールが多く含まれるスーパーフードとしてドライのものが売られていますが、どれも国内産ではなくイランやトルコなどからの輸入品です。

桑は漢方では生薬として根皮、葉、果実などがよく使われ効能もたくさんあります。自前の桑とオリーヴの葉でオリジナルブレンド茶を作ってみようかなと思いつきました。
エスプレッソコーヒーの国、イタリアでは今のところハーブティ文化は一般的ではありませんが、健康志向の人たちには喜ばれるかも知れません。

大橋 美奈子

大橋 美奈子

東京生まれ。演劇プロデューサーを志し、高校卒業後アメリカ留学。ニューヨーク大学芸術学部在学中は舞台、映画で俳優及びプロデューサーとして活躍。卒業後、メディア関係のリサーチ、コーディネイト会社を設立。現在はホスピタリティビジネスのコンサルタントである夫ジョヴァンニの故郷であるイタリア・プーリアから“外食とはエンターティメントである”という考えのもと“感動”を創る仕事を支えています。

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