南イタリア プーリア便り- G20外相・開発相会議

南イタリア美食便り

G20外相・開発相会議が今週月曜日から行われています。初日はプーリア州の州都バーリ、昨日はお隣のバジリカータ州で一番の観光地マテーラ、今日はプーリア第二の都市であり古代ローマ時代に作られた有名なアッピア街道の終点地域、かつてはNATO基地もあった港町ブリンディジと会合の場所を移動しての開催です。昨日は飢餓撲滅を「マテーラ宣言」が発表されました。日本でもちらっと報道されていたようですが、国際条約や議決書などに開催地の名前がつくと知名度がぐっと上がり、PR効果抜群ですね。バーリやブリンディジの市長たちは本音を言えばちょっと悔しがっているのではと思ってしまいます。

先週から連日35℃超えの日々が続いております。夜は涼しくなるのでクーラーがなくても寝苦しくはありませんが、6月でこの暑さは今までに経験したことがありません。我が家は石壁の暑さが1メートルほどあるトゥルッリというプーリアでもこの地域独特の伝統建築の家です。外の温度が伝わりにくいので夏は涼しく冬は暖かいのが特徴で、今まで扇風機のみで過ごして来ましたが、今年はクーラー設置を真剣に考えています。今までクーラーなしの生活をしてきた事に驚かれるかも知れませんが、トゥルッリは窓が小さく、日が当たっている間は窓も鎧戸も開けずに外の空気を入れないようにすれば驚くほど室内な温度に保てるのです。地中海性気候特有の夏期の湿度の低さもあり日陰や夕方以降は涼しいと感じるくらい快適です。家を増築した時に北東向きに広々とした眺めの良い大きな窓を作ったのですが、その鎧戸も昼間の間締め切っていれば室内の温度を抑えられるのでと思います。しかし、昼間から暗い中で過ごす気にもなれず、太陽光線を目一杯家の中に入れてしまいます。生い茂る青葉と緑の地平線とおとぎ話に出てくるような円錐形の石の屋根が点在するこの平和な眺めと暑さとどちらをとるのかというのが悩みどころなのです。悩まずにクーラーを入れれば良いではないかという話なのですが、この一抹の悔しさとも言えるもやもやした心情はなんなのでしょう。

大橋 美奈子

大橋 美奈子

東京生まれ。演劇プロデューサーを志し、高校卒業後アメリカ留学。ニューヨーク大学芸術学部在学中は舞台、映画で俳優及びプロデューサーとして活躍。卒業後、メディア関係のリサーチ、コーディネイト会社を設立。現在はホスピタリティビジネスのコンサルタントである夫ジョヴァンニの故郷であるイタリア・プーリアから“外食とはエンターティメントである”という考えのもと“感動”を創る仕事を支えています。

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